食器を洗っていたら中小企業診断士になっていた、ワイングラスを割ったら行政書士にもなっていた ~「やる気」なんて一生来ないから・・・仕事, 家庭, 勉強を両立する大人の独学法 ~
はじめに
〜あなたのその悩み、私も同じでした~
「もっと学びたい。でも、時間がない」
「仕事から帰ったら疲れ果てて、テキストを開く気力もない」
「週末にまとめて勉強しようと思っても、大切な家族との時間は削りたくない」
この記事を開いてくださったあなたは、きっとこんな葛藤を抱えながら、日々懸命に働いているビジネスパーソンではないでしょうか。
はじめまして。中小企業診断士・行政書士の tabito です。
私は会社に勤めながら、妻・子どもとの時間を第一にしつつ、難関資格と言われる中小企業診断士を完全独学・1年で一発合格しました。さらにその後、行政書士を完全独学・わずか3ヶ月で合格圏内まで到達し、翌年度に合格を果たしました。
「どうやってそんなに勉強時間を作れたの?」
「よくやる気を維持できましたね?」
そう聞かれるたび、私はこう答えます。
「勉強(だけの)時間はつくってません。」
「やる気・・・あんまりありません。」
大人になってからは、何のために勉強するのでしょうか?
もちろん自分のためですよね。でもそれってどういうこと?
人生を豊かにするため? 幸せを維持するため?
それなのに、学びのために心身を削り、家族との温かい時間を犠牲にしてしまっては本末転倒です。
(ところで、ここで「幸せになるため」という言い方はしたくないと思っています。「幸せになるため」と言ってしまうと、今が幸せでないと認識することになってしまうから。でも、このあたりはこの記事の本筋ではないので、これくらいにします。)
この記事でお伝えするのは、やる気に頼らない、他の大切な時間を犠牲にしない、そんな「大人のための学習メソッド」です。
「アウトプット先行インプット法」: 読むより先に解く、脳に負荷をかける高効率学習
「ながら勉強法」: 家事やスキマ時間をそのまま勉強時間に変換する技術
「AI伴走法」: 最新のAIを“専属の家庭教師”にするIT活用法
これらを組み合わせれば、忙しいビジネスパーソンでも、今の生活スタイルを一切崩さずに毎日1時間以上の学習時間を生み出し、今日からすぐに実践できます。
「なんだそれ?」
「それなら自分もできるかも?」
と興味を感じたら、ぜひこのまま読み進めてください。
目次
● 第1章 なぜ従来の勉強法では受からないのか?
〜「まとまった時間」への幻想 〜
● 第2章 合格への3つのメソッド
〜 大人の学びは、逆から始める 〜
● 第3章 「アウトプット先行インプット法」 ステップ解説
〜 最初にテキストを読むな! ~
● 第4章 「ながら勉強法」 実践テクニック
〜 学びは机の上でしなくていい 〜
● 第5章 スケジュール
〜 立てたら変える 〜
● 第6章 直前期の過ごし方
~ やってはいけない! ~
● 第7章 独学の強い味方 「AI伴走法」
〜 もう「ひとり」じゃない? 〜
● 最後に
~ まずは今日 一問だけ ~
第1章 なぜ従来の勉強法では受からないのか?
〜「まとまった時間」への幻想 〜
「穴の開いたバケツ」に水を注いでいませんか?
資格勉強を始めようと考えたとき、多くの人がこんな行動をとります。
「書店で一番わかりやすそうなテキストを買う」→「テキストをひたすら読み込む」→「1周読み終わったら過去問へ」
しかし、30代以上の忙しい大人がこれをやると、必ず壁にぶつかります。テキストを読み終わる頃には、前半パートの内容はほぼ頭から消え去っているからです。
これは記憶力の衰えだけではありません。(つまり、記憶力の衰えも確かにあるでしょうけど。)
人間の脳は、「ただ漫然と読んだだけの情報」を長期記憶として定着させる仕組みになっていないのです。
それは「穴の開いたバケツ」に水を注いでいるようなもの。(まして中年以降は、その穴は広がるばかりなんです。)
いつまで経ってもバケツには必要な量の水を溜めることができません。
「時間がない」という問題の本当の原因
もう一つの落とし穴は、「まとまった時間を確保し、机に向かわないと勉強できない」という思い込みです。
「今日は疲れたから無理」
「週末にまとめてやろう・・・」
この思考こそが、勉強を後回しにさせ、計画を破綻させます。
実は、1日の中には気づいていない「隠れた時間」がたくさんあります。
食器洗いの20分、洗濯物を干す20分、夕方に取り込んで畳む20分。これだけで1時間です。掃除機をかける時間を加えれば、1時間30分近くになります。
この時間を「ながら勉強」に活用するだけで、仕事や家族との時間を1秒も削らずに、毎日1時間以上の学習時間を確保できるのです。
第2章 合格への3つのメソッド
〜 大人の学びは、逆から始める 〜
私が実体験から構築し、結果を出した「大人のための学習メソッド」は以下の3つの合わせ技です。
① 「アウトプット先行インプット法」
テキストを読む「前」に、まず問題を解く。わからなくていいんです。先に問題を解こうとすることで、脳が「この答えを知りたい」という渇望状態になります。その状態でテキストを読むと、必要な情報が自然に目に飛び込んでくるのです。
② 超効率!「ながら勉強法」
手と足は家事のために動かし、耳と頭は勉強に使う。「机に向かう」ことにこだわると、「やる気がない日」の勉強時間はゼロになります。しかし「ながら勉強」なら、やる気があってもなくても、家事をするだけで自動的に勉強が進むシステムが作れます。
③ 独学の壁を壊す「AI伴走術」
最新の生成AIを活用し、「わからない」で立ち止まる時間をなくす。独学最大の弱点である「孤独」をテクノロジーで補完します。
このあとの章では、これらのメソッドを「明日から真似できる」レベルまで具体的に解説します。ステップ別の手順、私が実際に犯した失敗談とその教訓まで、余すところなくお伝えします。
第3章 「アウトプット先行インプット法」 ステップ解説
〜 最初にテキストを読むな! 〜
一つ目のメソッドは、「アウトプット先行インプット法」です。名前だけ聞くと、一瞬何のことかわからないかもしれませんね。
これは「最初にテキストを読むな!」ということです。
「テキストを読む前に問題を解くなんて、解けるわけないじゃないか?」という言葉が聞こえてきそうですが、それでいいんです。
解けなくても問題を見て、一瞬でも答えを考えることで、脳が「この答えを知りたい」と勝手に思ってくれます。
もっと言えば、答えを考えようとしなくてもいいのです。問題を見るだけで、脳は勝手に答えを考えようとしています。
その状態でテキストを読むと、自分は漠然と読んでいるつもりでも、脳が勝手に答えを探してくれるんです。
では、具体的に詳しく説明しますね。このメソッドを実践するには、4つのステップがあります。
STEP 1:まず過去問を「解いてみる」(知識ゼロの状態でもオーケー)
勉強の初日、最初にやることが一つあります。実際の過去問を解いてみることです。
全然できなくていいんです。目的は「現在地と目的地の距離を測る」こと。自分がどれだけ知らないかを体感することが、大人の学習のスタートラインです。
STEP 2:学習戦略を立てる(優先学習科目、優先学習分野を決める)
過去問の結果を踏まえ、優先して勉強すべき科目・分野を決めます。
これは中小企業診断士、行政書士に限らず、あらゆる資格試験において重要なことですが、以下に私の具体例も紹介します。
中小企業診断士なら、基本は、二次試験にも直結する「財務会計」「企業経営理論」「運営管理」の3科目を最優先に。特に財務会計は知識ゼロからのハードルが高いため、全期間を通じて継続します。
しかし、実は中小企業診断士の場合、すでに社会人経験のある大人の皆さんは、自分がこれまでの仕事を通じて関わってきた分野については、何も勉強していなくてもある程度点数が取れたりします。
そのため、「STEP 1」でそれぞれの科目の現在地と目的地の距離を測ることが役に立つわけです。すでに目的地までの距離が近いものに、優先して時間をかける必要はありません。7科目もあるので、この優先順位付けと試験までの勉強計画は非常に重要です。
行政書士なら、私が3ヶ月で合格圏内に達した際は、「行政法」を最優先、「民法」を二番手とし、「一般知識」は日頃のニュースで何とかなると判断してほぼスルーしました。こういった「割り切り」が超短期合格の近道です。
STEP 3:教材選び(テキスト1冊+一問一答1冊のみ)
教材選びの絶対ルールは「1科目につきテキスト1冊・問題集1冊」に絞ることです。
中小企業診断士であれば、TACの「スピードテキスト」+「スピード問題集(一問一答)」のシリーズなどが定番です。
ここで重要なのは「過去問集」ではなく「一問一答集」を選ぶこと。一問一答形式こそが、スキマ時間活用に最も適したツールだからです。
STEP 4:「問題→テキスト」のサイクルを回す(これが核心)
いよいよ実際の学習です。最大のポイントは「先に問題を解く(見る)」こと。
何も知らない状態で問題を見るのは、非常にストレスフルです。しかし、その後にテキストを読むと「あ、これが答えだ!」という発見(アハ体験)が起きます。
脳が能動的に情報を取りに行く状態になるため、ただ読んでいるときとは記憶への定着度が全く異なります。この1サイクルは慣れれば10〜15分。まとまった時間がなくても回せます。
第4章 「ながら勉強法」 実践テクニック
〜 学びは机の上でしなくていい 〜
「机に向かう」という概念を捨てる(スタンディング勉強法)
仕事もおろそかにせず、家族との時間も犠牲にせずに勉強するためには、「勉強=机に向かってするもの」という固定観念から自由にならなければなりません。
私は勉強時間の大半を「立って」行いました。
ベランダで日向ぼっこをしながら、あるいは洗い物をしながら。
モチベーションは迎えに行くもの
この心構えは大切です。モチベーションは待っていてもやってきません。やる気がないから勉強しない、ではなく、やる気があろうがなかろうが、とりあえず一問だけ解いてみる。すると、なぜかもう一問解きたくなる。人間の脳とはそういうものです。
そうは言っても、きっかけは必要ですか?
「ながら勉強法」は、これも解決します。
「勉強をさあやろう」と意気込むのではなく、普通に普段から習慣的に行っている、あるいはやらなければならない、家事に勉強をくっつけてしまうのです。
「ながら勉強法」は、勉強時間を確保して机に向かって勉強だけをするのではありません。
普段の家事をしながら、そう、手と足では他のことをしながら、
耳からはインプットを入れて、頭では勉強するのです。
この「ながら勉強法」の最強の武器は、YouTubeの一問一答動画です。
私はワイヤレスイヤホンを使い、以下のように日常に勉強を組み込みました。
朝の食器洗い(約20分)→ YouTube一問一答を「聴きながら」
洗濯物を干す(約20分)→ 同じく一問一答
夕方の洗濯物取り込み・畳み(約20分)→ また一問一答
掃除機がけ(約20分)→ 講義動画を聴き流す
これだけで、机に向かわずとも1日1時間〜1時間20分が確保できます。
参照として、行政書士の学習で私が活用したYouTubeチャンネルをご紹介します。
(2026年6月現在ではまだ動画が公開されていることを確認済みです)
● 「行政書士の自習室」
→ 聞きやすく、解説が丁寧。一問一答の再生リストを繰り返し活用。
● 「たかピッピの一問一答部屋」
→ 随時更新中。最新年度対応の問題も充実。
● 「マジでイケてる行政書士講座【ゆーき大学】」
→ マジでわかりやすい行政書士講義。理解に迷ったときに活用。
「ながら勉強法」の注意点
まず、強調しておきたいのは、「ながら勉強法」は仕事でいうところの「マルチタスク」ではないということです。そもそも、人間はマルチタスクができません。つまり、頭を同時に2つのことに使うことはできないということです。「ながら勉強法」は、あくまでも頭は勉強に使います。勉強に集中し、頭の大半を勉強に使うのです。
そはいえ、家事に全く頭が必要ないということはないですよね・・・。そこは注意が必要です。
私は実際、食器洗いをしながら問題に集中するあまり、手元がおろそかになりすぎて、妻のお気に入りのワイングラスを割ってしまったことがあります。。。
ここでの教訓は「完璧を求めてはいけない」ということです。
聞き逃してもOK。家事が少し雑になってもOK。ぼーっとしてしまう瞬間があってもOK。ゼロよりははるかにマシです。
無理なくできる範囲で「割り切る」ことが長続きのコツです。
第5章 スケジュール
〜 立てたら変える 〜
1年間の大まかな学習スケジュール(中小企業診断士の場合)
私は8月頃から勉強を開始しました。大まかな流れは以下の通りです。
〈8月〜11月:基礎固め期〉 財務会計を最優先でスタート。同時並行で得意科目をお風呂で軽く読む程度に。(そう、お風呂も「ながら学習」に使えます。もっともお風呂は脳のリラックスにも重要なので、どちらが良いかはあなた次第です。)
〈12月〜3月:範囲拡大期〉 運営管理・経済学などを順次追加。苦手科目にも目を通し始める。
〈4月〜6月:強化・反復期〉 一問一答の繰り返しで弱点を潰す。暗記系を集中的にインプット。
〈7月〜本番:アウトプット集中期〉 新たなインプットはゼロ。一問一答で「引き出す練習」のみ。
計画は「立てたら変える」ものと心得る
スケジュールを立てることは大切ですが、縛られすぎてはいけません。「今日は子どもが熱を出した」「仕事で疲弊しきっている」。そんな日は勉強を休んでいいんです。
計画は方向性を示す地図であって、強制されるノルマではありません。現実の進捗や、自分と家族の生活に合わせて柔軟に組み替えていくことが、大人の資格試験を乗り切るコツです。
第6章 直前期の過ごし方
〜 やってはいけない! 〜
直前期の最優先事項は「体調管理」と「睡眠」
試験の2ヶ月前になったら、勉強法よりも大切なことがあります。
それは「1日7時間の睡眠の確保」です。
「そんな時間ない!」と思うかもしれませんが、睡眠不足の状態では脳への定着率が著しく落ちます。時間を削って勉強量を増やすより、しっかり眠って翌日の学習効率を高める方が圧倒的に有利です。
中高生の時の試験直前の徹夜などの成功体験がまだ頭に残っているかもしれませんが、もうあなたは大人です。特に中年であれば・・・もはやそんな短期記憶に頼る勉強はできません。大人の勉強法では、体調管理と脳の効率的な使い方が最も大切です。
直前期の学習法:「引き出す練習」に集中する
この時期に新しいテキストを買ってはいけません。目的は「新しいことを覚える」ことではなく、「これまで覚えたことを、本番で確実に引き出せる状態にする」ことです。出題頻度の高い一問一答に絞って、何度も解き直しましょう。
模試は直前期に受けるべきか?(私の答えはNO)
私は、試験2ヶ月前以降の模試は受けない方が良いと考えています。
理由は、見直しに時間がかかりすぎて効率が悪いことと、本番環境で解くことで体力・精神力を消耗してしまうからです。時間感覚の確認なら、もっと早い段階で過去問を解いてみるだけで十分です。
こう考えてみてください。
マラソン選手は、大会へ向けて、50キロ、60キロと本番よりも長い距離を走ったりしてトレーニングをすると思います。しかし、大切な本番の大会まで1週間を切ってから、42キロを走ってみるでしょうか?
第7章 独学の強い味方 「AI伴走法」
〜 もう「ひとり」じゃない? 〜
完全独学で難関資格に挑む場合、「質問できる人がいない」ということが最大のハードルです。特に法律系の資格では専門用語や難解な概念でつまずくことが多々あります。
しかし時代は変わりました。
ちなみに、私が中小企業診断士の試験を受けたのは2023年ですが、すでにAI時代は始まっていました。
そこで私が頼りにしたのが、AI検索ツールの「Perplexity」です。
当時はAIといえば ChatGPT でしたが、「ウソをつく(ハルシネーション)」という問題が今よりもはるかに大きかったです。しかし、Perplexityは回答の根拠となる情報ソースを明示してくれます。また、YouTubeの動画を情報源として示してくれることもあり、「そういう解説動画があるのか」と新たな学習リソースを発見するきっかけにもなりました。
(もっともこのあたりは、AIの日進月歩により状況が変わっていますので、最新の状況で適したAIを使用すれば良いと思います。)
そして、AIへの「割り切り」も大切。
AIは完璧ではなく、今でもまれに誤った情報を出すこともあります。ただ、「合格するための試験勉強」と割り切るなら、すべてを突き詰める必要はありません。
ここで大切なことを強調します。
資格試験のための勉強は、あくまでも合格することが目的だということを忘れないようにしましょう。
言ってしまえば、行政書士の勉強で法学論、中小企業診断士の勉強で経営論を突き詰める必要はないのです。むしろそんなことをしていれば、それこそ時間が何年あったって足りません。そういうことは、試験に受かった後で別の趣味としてやりましょう。
わからないことをわからないまま進む勇気も、時には必要です。試験に受かった後でじっくり理解を深めれば十分です。
最後に
〜 まずは今日 一問だけ 〜
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。
資格試験の勉強は、長丁場です。途中で「こんなに時間をかけてまで…」と思う瞬間が必ず来ます。でもそれは、あなたが真剣に向き合っている証拠でもあります。そして、そこで気合いや根性に頼る必要はありません。
完璧な環境じゃなくても大丈夫。
完璧なモチベーションがなくても大丈夫。
まずは今日、帰り道の電車の中で、あるいは食器を洗いながら、YouTubeで一問一答の動画を「1問だけ」聴いてみてください。その小さな一歩が、確実にあなたの明日を豊かにしてくれます。
あなたが仕事も家族も、今の豊かな生活も手放すことなく、合格の喜びと新しい景色を手にすることを、心から応援しています。
中小企業診断士・行政書士 tabito
