“TSUYOSA” はどうやってシチズン史上No.1の時計になったのか?

■ 1.はじまりは「アジア限定」だった
シチズンが2021年にアジア市場向けに発売した一本の機械式時計。
それが後に 世界的なブーム を巻き起こすことになる「TSUYOSA(ツヨサ)」です。
当初の狙いはシンプルでした。
1990年代に中国で人気を博した「NH299 Series」のデザインを現代風にアレンジし、
当時の潮流だった「ラグジュアリースポーツ(ラグスポ)」を意識したモデルを作る。
小ぶりで男女どちらにも似合う 38mm径ケース
頑丈なサファイアガラス
質感にこだわったステンレスバンド
自社製の機械式ムーブメント
価格は約6.5万円(欧州では299ユーロ、米国では450ドル)
「アジアで売れるコスパモデルを」という発想で、静かに誕生しました。
■ 2.欧州展開、そして予想外の火種
2022年、TSUYOSA はヨーロッパでも発売されます。
しかし、シチズン社内も「ここまでの反響になるとは」と驚くほど、
フランスで突然SNS投稿が急増 し、人気に火がつきました。
鮮やかなイエローダイヤルを前面に打ち出した広告が目を引き、
それを手にした若い世代が Instagram や TikTok に次々と投稿。
「#TSUYOSA」のハッシュタグが爆発的に増えていったのです。
■ 3.“比較動画”が後押しする拡散の波
同時期、スイスブランドからも似たコンセプトのモデルが発売され、
YouTubeには「TSUYOSAと他モデルの比較動画」が続々と投稿されました。
「この価格でこの質感」「ラグスポ入門として最適」といったテーマで取り上げられ、
口コミが欧州全域、インドネシア、アジア各国に波及し、
「気になる」から「実際に手に入れたい」へと購買意欲を後押ししました。
■ 4.ファン発の愛称がブランド名に
発売当初、TSUYOSA は型番のみで呼ばれていました。
ところがフランスのファンが SNS 上で「TSUYOSA(ツヨサ)」と呼び始め、
その響きが世界に広まりました。
「腕時計に“強さ”?」と社内で議論になりましたが、無視できないほど浸透したため、
シチズンは異例の決断を下し、“TSUYOSA” Collection として公式化。
ファン発の愛称がブランドを動かした、稀有な例となりました。
■ 5.アメリカ・日本へ、そしてブランド刷新へ
2023年にはアメリカと日本にも展開。
欧州売上の約2割を TSUYOSA が占める
アメリカでは 10代後半~30代前半の購入比率が、他モデルの2倍以上
「実用的だけど地味」という印象だったシチズンが「おしゃれで今っぽい」へ刷新
後継モデル「Zenshin(ゼンシン)」や PANTONE コラボも登場し、勢いはさらに加速しています。
■ 6.TSUYOSA コレクションの基本仕様
ケース径: 約38mm
ケース厚: 約11.7mm
ケース素材: ステンレススチール
ガラス: サファイアガラス(耐傷性に優れる)
駆動方式: 自動巻き(機械式)
防水性能: 日常生活用強化防水(5気圧防水)
裏蓋: シースルーバック
ブレスレット: 一体型ステンレスブレスレット
国内参考価格: 約65,000円前後
■ 7.代表的なカラーと特徴
・NJ0150-56E … ブラック:王道でシーンを選ばない

・NJ0150-56L … ブルー:光の角度で表情が変わる深み

・NJ0150-56X … グリーン:トレンド感と落ち着きの両立

・NJ0150-56Z … イエロー:フランス発、人気を呼んだ象徴的カラー

・NJ0151-88M … ライトブルー:清潔感が際立ち、夏場にも映える

・NJ0151-88X … ブルーグリーン:中央から外側にかけて濃淡が変化するグラデーションダイヤ

着け心地や見た目の高級感がアップした81系は2023年以降に追加投入された新バリエーションで次のような色があります。
・NJ0150-81X … グリーン:トレンド感と落ち着きの両立

・NJ0150-81Z … イエロー:フランス発、人気を呼んだ象徴的カラー

・NJ0151-53L … ライトブルー:清潔感が際立ち、夏場にも映える

■ 8.国ごとに違う人気カラーの傾向
フランス:イエロー(NJ0150-56Z)が圧倒的人気。鮮やかで個性的な色を好む文化が後押し。
香港・アジア圏:イエロー(NJ0150-56Z)に加え、ライトブルー(NJ0151-88M)が人気。SNS映えを重視する層が多い。
ドイツ・イタリアなど欧州全域:グリーン(NJ0150-56X)やブルー(NJ0150-56L)が好まれる。スーツにも合わせやすいカラーが選ばれがち。
アメリカ:ブラック(NJ0150-56E)が最も支持され、次いでブルー(NJ0150-56L)が人気。
日本:ブラック(NJ0150-56E)やブルーグリーン(NJ0151-88X)が中心。一方、若い層ではイエロー(NJ0150-56Z)も注目されている。
■ まとめ
TSUYOSA は、アジア限定のヘリテージモデルから始まり、
ファン発の愛称、SNSでの拡散、比較動画、そしてシチズンの柔軟な判断が重なり合って、
シチズン史上最大のヒット時計 となりました。
その人気の裏側には、地域ごとの文化や色の好みも反映されています。
このシリーズのヒットの背景を知ると、
「この一本は、自分のスタイルにどんな彩りを添えてくれるだろう?」
と想像するのが、きっと楽しくなるはずです。
ぜひ、自分らしい一本を見つけてみてください。⌚️✨
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