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家事とゴムマスク

わけあって毎日家にいて、洗濯や掃除や料理をしている。それをうらやましく思う人は一定数いると思うし、自分でも、外へ仕事に出ずに暮らせているのは恵まれていることだと思っている。だけど、これを「何かしている」状態だと考えてくれる人はどのくらいいるだろう。排水溝を掃除したり、布団カバーやカーテンを洗っても何の経歴にもならないし、昇進もしない。以前、仕事の面接で、すこしブランクがあると言ったら「ずっと家にいるなら、早起きとか体力とか心配だね」と言われた。あの人は元気だろうか?(1年以上呪っているため)

同居人は介護士をやっている。客に爪を立てられて、傷やアザをつくって家に帰ってくる。彼女は本当に「うぇーん」と声に出して泣くので、そのゴムマスクみたいなぐちゃぐちゃな顔を見るとちょっと笑えてくるけど、かわいそうだから、自分の精神衛生機関が馬鹿力を出して、いつも以上に何かをやってあげたくなる。たとえば、彼女は部屋の片付けができなくて、机の上は物やレシートだらけだし、ほうっておくと、洗っておいた服と着た服を一緒くたにして山を作りはじめている。それに何度言ってもスマートフォンを床に置くので注意して歩かないといけない。だから彼女が泣いたら、そういうのを平気な顔で片付けてあげる。彼女は「わー!すごい!」と大の字に跳ねて喜ぶけど、ため息をついたのに気がついたら、また「うぇーん」と泣いてしまう。だから、「すごいでしょ」と言いながらあたたかい夕飯を食べさせ、清潔な風呂に浸からせ、シャワー中に手鼻をかむのをやめさせる。かかとの皮をめくって食べようとしていたら注意するし、額のにきびから血を出していたら急いで拭いてやる。

誰かに自慢できるような実績にはならないけど、とりあえず彼女を幸せにするしかない。そういうゲームに人生がシフトチェンジしたのだから。

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