銀巴里を想って
高校三年の春休みに、友だちに誘われて銀座銀巴里の美輪明宏さんのライブに出かけた。
美輪さんは父母と同世代なので、母が週刊誌やテレビ番組から仕入れた美輪さんに関する情報を母を媒体に聞いていた程度だった。
クラスメイトがなぜ私を誘ってくれたのかよくわからない。
名前を覚えていないし、それほど仲良くもなかったように思うけれど、他に適当な相手がいなかったのかもしれない。
春休みの午後私たちは精一杯お洒落をして少しお化粧もして、銀座に向かうために大宮駅から京浜東北線に乗った。
ぐうぜん、隣のクラスの男子生徒と乗り合わせた。
ひどく幼く見えた。
銀巴里は確か地下にあって、天井の低い古びた感じの店だった。
華やかな感じはしなかった。
お酒は飲めないので何を注文したか…ワンドリンクだったように思う。
美輪さんはシャツにスラックスというシンプルな服装だった。
あまり笑わない厳しい面持ちをされていた。
しかし歌は素晴らしかった。
シャンソンなんて聴いたこともなかったけれど、歌を聴いているというよりお芝居を観ているようだった。
初めて聴く歌ばかりだけれど、歌詞に強いメッセージがあって、美輪さんの激しい振りは真っ正直な感じがした。
ライブが終わってすぐに、二枚組のライブアルバムを買って春休みの間中聴いた。
就職してからはあの頃流行っていたディスコに行ったり、高中正義やナベサダや向井滋春を聴いたり、オネスティやニューヨーク・シティ・セレナーデを聴いたりサザンや達郎を聴いたり飛んでイスタンブールを歌ったりしていたけど、時々思い出しては美輪さんのアルバムを聴いた。
2012年の紅白歌合戦で美輪さんがヨイトマケの唄を歌った記念に、私の持っているライブアルバムがCDになったので購入した。
その後ライブに行くこともなかったし、積極的にテレビやラジオの出演番組を視聴することもなかった。
就職先の百貨店にお買い物にいらしたことがあった。
その時の話はこちらに…
そう言えば美輪さんの半生をモチーフにした、宮沢りえさんが主演の舞台を芸術劇場に観に行った。
母や妹を誘って、素敵な思い出になっている。
農協の雑誌『家の光』に連載されていた人生相談はよく読んでました。
美輪明宏さん、ごく若いころにあなたの歌に出会えて本当に良かったです。
ありがとうございます。
ヘッダー画像は川中紀行さんよりお借りしています。
ありがとうございます♪
