【絵本】くまのコールテンくん/ドン・フリーマン
いつも文芸にまつわる素敵な記事を書かれているおかもんさんの最新記事から
子どもたちが美術館に関心を持つきっかけになれば……と開催された企画とのこと。
ひと気のない真夜中(かどうかはともかく)の美術館と聞いて想起したのはこちら
『みんなのうた』のオリジナル映像ではないのでそれを知らない方はピンと来ないかもしれないが、人形劇というか人形にポーズをつけて撮影した画像を繋げて映像化していた。
真夜中の美術館に入り込み骨董ものとも言える収蔵品と時空を超えた旅をする……ちょっと怖い歌詞と仄暗い映像と、表情が動かない人形の顔が不気味なのに何故か心惹かれた。
おそらくこの歌と映像が作られる以前から、そういうものに惹かれる要素を含む物語や映画があったのじゃないかと思う。
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ぬいぐるみの美術館鑑賞と聞いて同時に想起したのはこの絵本だ。
何を隠そう(隠してもないが)私はこの絵本が大好きで、この四半世紀毎年クリスマス・シーズンに小学校で児童たちに読んでいる。
Wikipediaによると、コールテンくんが友だちのリサを伴いクリスマスに劇場を訪れる続編もあるようだが読んだことはない。
絵本はアメリカで1968年、遅れて日本では1975年に松岡享子訳で偕成社より出版されたという。
この8年の開きは日本とアメリカの生活や文化の開きそのままではないかしら。いや8年まで縮まったと言えるのか……
絵本のテーマは版元やWikipediaを参照いただくとして、私がこの絵本でこの上なく好きなのは、コールテンくんが取れたボタンを探して真夜中のデパートを探索するシーンである。
絵本に描かれたその探検のシーンが今回のぬいぐるみの美術館鑑賞と一致した。
人がたくさん集まるデパートや駅や博物館、美術館の夜、とは限らず閉館後はうら寂しくちょっと怖い。
私は百貨店で働いていたので残業の夜にダンボールを担いでバックヤードをうろついたりマネキンの間を通り過ぎたりした。
そこにあるのは圧倒的な孤独だった。
昼間の雑踏や賑わいとの対比である。
おもちゃ売り場に並べられたコールテンくんが感じていたのもそれだと思った。
だから、リサに部屋に招き入れられた時に発した
ぼくずっとまえから
いえにすんでみたいなあって
おもってたんだ
は、魂のこもることばだ。
コールテンくんはデパートの家具売り場を王様の御殿と取り違えた。
今となれば失われた豊かな時代を思わずにいられない。
けれども、リサの部屋は今もあり続ける。
時代が移り変わろうとも、他者を慈しむ心と、親切な友だちと温かなベッドは、けして失われてはならない。
当該記事を読みながら、ぬいぐるみの目にカメラを仕込んでぬいぐるみの目が見つめる絵画や彫刻を映し出したらちょっと面白そうだと思ったりした。
絵本を見つめる子どもたちはくまのコールテンに入り込んで、真夜中のデパートを探検していると感じるからだ。
※ヘッダー画像は 何かの初心者さんよりお借りしています。
ありがとうございます♪
