高齢の親の食欲ムラ対策、副菜にタンパク質を仕込む工夫
我が家の90代の父は食欲にムラがあって、主菜を残された日の栄養不足がずっと心配でした。たどり着いた「副菜への仕込み」の話と、きっかけになったちょっとおかしな出来事もあわせてお話しします。
意識が朦朧としているというLINEが来て慌てたら
母からLINEが来たのは、父が風邪からようやく回復してきた頃のことでした。
「お父さんの様子を見に来て」
すぐに電話すると「意識が朦朧としてる」と言います。えっ、さっきまでそんな話はなかったのに。
急いで1階へ下りていき、「お父さん!」と呼びかけても「うぅ」と言うだけで目を覚ましません。とっさに呼吸を確認しました。……動いています。脈も見ました。……ちゃんとあります。「あれ、なんか変やな」と思いながら、顔色をのぞきこみました。
顔色はよく、唇も爪もツヤツヤ。肌の張りも良くて、「ホンマに90歳か?」というくらい潤っています。脱水もない。どこも悪くない。
「おっかしいなー、どこも悪くないけど……」
そして数分後、謎が解けました。父がむっくり起き上がって「トイレ、トイレ……」と言いながら部屋を出てきました。そのあとはめちゃくちゃ機嫌がよかったんです。
仮病でした。
母と私に心配してもらって、構ってもらえたのが嬉しかったようです。ひやひやスリリングな毎日ですが、これもまた高齢者と暮らすおもしろさだと思っています。
でも、笑えるエピソードのたびに「ちゃんと元気でいてほしいな」とも思います。そのためにも毎日の栄養だけは、できるだけしっかり確保しておきたいと気にかけています。
主菜を残された日でもゼロにならないように
父は持病があり、その日の気分や体調によって食欲にムラがあります。管理栄養士として、高齢者はタンパク質摂取量が少ないほどフレイル(筋力低下や虚弱)のリスクが高まることはよく知っているので、できるだけ毎食しっかり摂ってほしいと思っています※1。
以前は、タンパク質を主菜だけに集中させていました。夕食に魚を焼いて、副菜はほうれん草のおひたし、味噌汁というような献立です。これだと主菜を残された日には、タンパク質の量がだいぶ減ってしまうんですね。
そこで始めたのが、副菜にも必ずタンパク質の多い食材を入れることです。
ほうれん草にはツナ缶を混ぜる。野菜の蒸し物には厚揚げを入れる。なすの炒め物には鶏ひき肉を加える。どの副菜にも野菜とタンパク質がセットになるイメージで作っています。そうすると、主菜を全部残してしまった日でも、副菜からもタンパク質はとれる状態になります。
「完璧じゃなくていいけど、ゼロにはしたくない」という考え方です。これにしてから、主菜を残されたときの気持ちがだいぶ楽になりました。
おやつも工夫しています。デイサービスやリハビリから帰ってきた後は、プロテインドリンクや栄養補助食品のドリンクが飲めるように準備しています。夏場は食欲が落ちてくることもあるので、栄養補助食品のアイスクリームも冷凍庫に常備しています。
血液検査の結果が、まるで自分の通知表みたいだった
先日、父の受診についていく機会がありました。最近また動くとしんどそうにしていて、姿勢も少し悪くなってきていたので、「体を支える筋肉が減ってきているのかもしれない」と正直、悪い報告を覚悟していたんです。
でも主治医の先生からは
「インボディ(筋肉や脂肪などの体組成を測る機器)の数値、昨年とほとんど変わっていないですよ。病状もなんなら昨年よりいいくらいです」
と言われて、拍子抜けしてしまいました。
帰ってから血液検査の結果を細かく見ていくと、血液中のタンパク質の状態を示す数値もしっかりあって、貧血もなかったんです。推定塩分摂取量も、塩分制限がうまくいっていることがわかる数字でした。
私がご飯を作っているので、この結果はなんだか自分の通知表みたいな感じがしたんです。「タンパク質がちゃんと血液中にあるな」「貧血になっていないな」「塩分制限もうまくいっているな」って、通知表のそれぞれの教科みたいに、一つひとつ確認できる感じがして。
帰り道で「お父さんの血液検査の結果、めちゃくちゃよかったで。90代でこの状態はすごいんやで」と伝えたら、「おぅ、そうか」とうれしそうに言っていて、なんだかさらに元気になっているようでした。
仮病騒動から始まった副菜へのタンパク質の仕込みが、答え合わせのように数字で返ってきた気がして、続けてきてよかったなと思う出来事でした。
我が家の冷凍庫に常備しているのは、病院で食欲不振の患者さんに使っていたものと同じメイバランスアイスです。
🎁 無料プレゼント中

メルマガにご登録の方へ、「完全にコンビニでそろう1日の食事メニュー紹介」など全10ページをプレゼントします。
▼ 受け取りはこちら
https://mm.jugemu.tech/p/r/aLmDPpKC
参考文献
※1 Kobayashi S et al. (2013) "High protein intake is associated with low prevalence of frailty among old Japanese women: a multicenter cross-sectional study" Nutrition Journal, 12:164. https://doi.org/10.1186/1475-2891-12-164
このテーマをPodcastでも話しています
🎧 Spotify
もっと詳しく知りたい方へ
管理栄養士たえのメルマガでは、ダイエットや健康づくりに関する情報を配信しています。ご登録の方には、読者限定のプレゼントをお届けしています。お気軽にご登録してくださいね!
▽無料メルマガのご登録はこちら
https://mm.jugemu.tech/p/r/aLmDPpKC
※この記事にはAmazonアソシエイトのリンクが含まれます。
