奈良訪問の目的は「超国宝展」だった!-超国宝展@奈良国立博物館レポート-
肥前歴史研究家(自称)のひとみです。
先日、肥前を飛び出しはるばる大和国まで行った話を書きましたが、実は奈良へ行った第一の目的は「超国宝展」を観ることでした。
そこで、今回は超国宝展をレポートしたいと思います。
*奈良国立博物館で開催中の「超国宝展」サイトはこちら。
伊丹空港から奈良入り
関西方面へは美術館・博物館を訪問するため年に1,2回ほど訪れますが、よく利用するのは神戸空港です。といいますのは、長崎~神戸間をスカイマークが飛んでおり、朝イチのスカイマークで行って夕方最終のスカイマークで帰る、という日帰りの荒業ができてしまうのです。ポートライナーで三宮まで行くと関西方面へのアクセスも良く、空港もこじんまりとして動きやすいのも気に入っていました。
ところが今回は奈良まで行くため日帰りは時間的に厳しく、宿泊をとるならば航空券とのパックの方が安くなるので、ANAパックで大阪に宿を取りました。空港は不慣れな伊丹空港。大丈夫か、ワタクシ?
ネットで調べたら伊丹空港から奈良方面へ高速バスが出ることがわかり、到着後は即バス乗り場へ。ところが1時間に1本しかないバスが少し前に出たことが分かりガーン!!急遽、難波行のバスに乗りそこから鉄道を乗り継いで、どうにか近鉄奈良駅に着きました。
いざ、奈良博(奈良国立博物館)へ
実は伊丹空港から高速バスに乗るとJR奈良駅へ着くため、そこから奈良博へはタクシーを使うつもりでした。ところが近鉄奈良駅へ着いたので、当然奈良博へは歩いて行くことに。鹿がウロウロする奈良公園を横目に歩きましたが、とにかく外国人の多いこと!3年半前に正倉院展へ行った時はこんなんじゃなかった・・と思いつつ奈良博へ着くと、超国宝展にはさほど並んでおらず安堵しました。初日の12時前だったからかもしれません。

「超国宝展」展示室へ
チケットは前売りを購入していたのでスムーズに展示室へ入り、まず出迎えて下さったのは
観音菩薩立像(百済観音)/法隆寺所蔵
四天王像 広目天・多聞天/法隆寺所蔵
御三方とも20年以上前に法隆寺で拝観して以来2度目の邂逅で、もう感動のあまり泣きそうに(;_:)。飛鳥時代の、1本のクスノキで造られた細く長くスラリとした観音様と、後世のような激しい動きのない静かな四天王像。良いですよね・・20年以上前、法隆寺の建物内で拝観した時の、古い木造建築独特の湿り気を帯びた空気さえ甦ってきました。
いや、まだこれ始まりなんですよね・・。
展示は
第1章 南都の大寺
第2章 奈良博誕生
第3章 釈迦を慕う
第4章 美麗なる仏の世界
第5章 神々の至宝
第6章 写経の美と名僧の墨蹟
第7章 未来への祈り
の7章に分かれており、後期展示(5月20日~6月15日)では最後の部屋に奈良・中宮寺の菩薩半跏像が柔らかな微笑みをたたえておわするはずなのですが、初日に訪問したため最後の部屋にいらっしゃったのは京都・宝菩提院願徳寺の菩薩半跏像でした。平安時代の国宝仏で初めて拝観しました。美しかったです。
以下、印象に残った展示物をいくつかあげます。
○信貴山縁起絵巻 尼公巻一巻
国宝である平安時代の絵巻物ですが、東大寺の大仏様が描かれているのです。あの大仏様はこうして平安時代にもあったのだ!ととても不思議な気持ちになりました。
○維摩居士坐像・義淵僧正坐像
どちらもリアルで怖い!「奈良時代肖像彫刻を代表する傑作」(図録より引用)。
○竜首水瓶
注ぎ口が竜の首の形をしている飛鳥時代の水瓶。何とも言えないエキゾチック。「ササン朝ペルシアの銀器に類例が見られ、その起源はギリシア・ローマに遡るという」(図録より引用)。
○釈迦如来立像/奈良・唐招提寺
鎌倉時代に造られた重要文化財指定の像で、京都・清凉寺の本尊釈迦如来像の姿を写した、いわゆる「清凉寺式釈迦像」。私、清凉寺の釈迦如来像は写真でしか見たことがなくどちらかというとあまり興味がなかったのですが、(いわゆる)コピーとはいえ、シンプルな流れるような衣の美しさやお顔の清々しさ、神々しさに見とれてしまい、思わず心の中で手を合わせてしまいました。コピーでこれだから本物の清涼寺の釈迦如来様はどれほど神々しいのか!一度拝観したいと思いました。今回、私の仏像への興味を一層掻き立てて下さった記念すべき御像。
○大日如来坐像/奈良・円成寺
仏師・運慶のデビュー作にして国宝。ピンと張りつめた肌の感じが若々しい、美しい大日如来様。2017年の運慶展以来8年ぶりの邂逅・・このお像の大ファンの私は幸せでした!!!
*運慶作の大日如来坐像について、奈良ガイドの忠内香織さんが解説したyoutube動画がありますので貼ります。
○吉祥天像/奈良・薬師寺
初めて拝観した吉祥天像。教科書でもおなじみの御像です。
美しさにうっとり。
○唐鞍(からくら)/奈良・手向山八幡宮
唐鞍とは「威儀の飾馬に用いる唐風の馬具」のことで「奈良時代に宇佐から東大寺へ八幡三神が遷幸する場面を再現した「手掻会」に際し、神輿に従う馬を飾ったとされる」そうです(「」内は図録より引用)。
個人的に凄く思い入れがあり、感激した展示品です。といいますのは、私の父方のご先祖様は宇佐神宮の神官家の出身で(嫡子ではなく他家へ養子に行った方がご先祖様なので、現在宇佐神宮とは全く関係はないのですが)、個人的に宇佐神宮には思い入れが強いのです。
そしてこれは偶然なのでしょうけど、この日の前日にいわゆる「視える」知人にカードリーディングをしてもらったら「馬」のついたカードが3回出てきたのです・・良い意味のカードだったのですが、その翌日に宇佐神宮に関連する行事に使われた馬具を観たので、ああ引き寄せられたのかなぁ、と思いました。この展示品を観るために私は奈良へ行ったのかもしれません。
「唐鞍」の写真があればと思ったら、手向山八幡宮のFacebookページにありましたので、貼らせていただきます。実に豪華な馬具です。
国宝 唐鞍 一具 鎌倉時代 平成29年12月9日(土)〜平成30年1月8日(月) 上記の期間 奈良国立博物館で開催の西新館〈名品展〉「珠玉の仏教美術」において展示されておりますので、是非この機会にご覧下さい。 その他、 重文 鉦鼓 一口 平安時代(1134年) 重文 海松円文鞍 鎌倉時代 http://www.narahaku.go.jp/
Posted by 手向山八幡宮 on Friday, December 15, 2017
*手向山八幡宮と手掻会(転害会)について2002年に奈良国立博物館で行われた展示の解説が分かり易かったので以下にリンクを貼っておきます。
https://www.narahaku.go.jp/exhibition/special/200202_tamukeyama/
○七支刀/奈良・石上神宮
こちらも教科書でお馴染みの古墳時代(4世紀)の国宝。
掘られた文字が見えるように展示されており、人垣もさほどではなかったため必死で文字と翻刻文を見比べてみました。こういうものが現代に残っているところがまた凄い!
*七支刀についての解説は、再び奈良ガイドの忠内香織さんのYouTube動画を貼ります。
実は他にも感動した展示品があるのですがキリがないので、これくらいにとどめておきたいと思います。
興味を持たれた方は、ぜひ、観に行かれることをお勧めします!
ちなみに、特設ショップには色んなグッズがありましたが、記念に図録が欲しくて購入。しかし重い!!
しばらくリュックに入れて歩きましたがとにかく重いので、大阪方面へ移動する途中のコンビニで自宅あてに送りました。
本当は近鉄奈良駅前のコンビニで送るつもりが、コンビニ内に外国人があまりに多く並んでおり断念(泣)お水のペットボトル1本買うにも行列で、ヘトヘトになりました。近鉄奈良駅~奈良公園周辺はとにかくインバウンド客でごった返しなので、それなりの覚悟が必要です。
全体の感想
本展示を観て思ったのは「日本人は古来よりこうして神や仏に祈ってきたのだなぁ」という、静かな感動でした。キラキラしたものもありましたが、それらは全て神や仏に捧げるため・・古代から現代へと続く神や仏への崇拝と祈りの気持ちに日本人の心を見た思いでした。
前評判にはなかった清凉寺式釈迦像のシンプルな美しさや、まるで引き寄せられたかのように観た唐鞍。私自身、新鮮な驚きと感動がありました。
とにかく仏像や仏教美術が好きな人は必見!と言っていいくらいの展示です。後期は特に中宮寺の菩薩半跏像が出品されるので混雑するのではないかと思います。早めに行かれることをお勧めします。
(私も機会あれば後期展示も行きたいのですが・・)
では、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
同日に訪問した大阪中之島美術館で開催中の「上村松園展」のレポートも後ほど記事にしたいと思います。
**********************************
仏像も日本美術も西洋美術も大好きな私!
メンバーシップでお世話になっている灯火さんのGW企画に参加させていただきます!
*お読みいただきましてありがとうございました。
普段は「肥前歴史研究家」(自称)という肩書で歴史活動をしております。肥前というのは現在の長崎県・佐賀県です。https://note.com/tai_yuka/n/n6c0dfe86f004
*【kindle発刊しました!】
*2025年2月にkindle『長崎マイナー人物伝』発刊しました。
kindle Unlimiedご加入の方は無料で読むことができますので、よろしければ覗いてみてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DX7DV2HP
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければサポートお願いします!いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます。