インフレ税という日本政府の陰謀について解説
あなたの預金は、今この瞬間も政府に税金として没収され続けている。
「は?通帳の残高は減ってないけど?」と思っただろう。それがこのインフレ税の一番恐ろしいところだ。残高の数字はそのままに、中身の価値だけが棄損されていく。物価が年3%上がる世界では、預金100万円は1年で実質97万円になり、10年で74万円となる。
これは政府が意図的に設計した「税金回収プログラム」である。今日はその証拠を並べていく。読み終わる頃には、円預金だけ握りしめて安心している場合ではないことがわかるはずだ。
■ 選挙もいらない、法律もいらない、最強の徴税マシン
消費税を1%上げようとすれば国会は大荒れになり、政権が吹き飛ぶリスクを負う。だが物価を上げるだけなら、誰の許可もいらない。法案も審議もなしで、赤ん坊の貯金から年金暮らしの老人のタンス預金まで、国民全員から自動で徴収できる。
しかも取られた本人に自覚がない。だからデモも起きない。暴動も起きない。ミルトン・フリードマンはこれを「立法を経ない課税」と呼んだ。徴税コストゼロ、政治リスクゼロ、抵抗ゼロ。政府から見れば、これほど完璧な税金は存在しない。
■ インフレによって税収も勝手に増える
インフレが政府にとって美味しいのは、借金という「支出側」だけの話ではない。「収入側」も自動で膨らむのだ。
まず消費税。税率は10%のまま1ミリも動いていないが、物の値段が100円から130円になれば、税収は勝手に1.3倍になる。税率を上げれば政権が吹き飛ぶ増税が、物価上昇であればニュースにもならない。
所得税はもっとえげつない。所得税は累進課税なので、名目の給料が上がると自動的に高い税率の階段を登らされる。だが思い出してほしい。実質賃金は4年連続マイナスだ。つまり生活は1ミリも豊かになっていないのに、名目の数字が上がったという理由だけで、税率が上がってしまうのだ。おまけに基礎控除などの控除額は物価に連動して増えない。物価が3割上がっても控除は据え置き。これは「ブラケットクリープ」という名前までついた古典的な隠れ増税の手口だ。社会保険料も報酬比例だから同じ仕組みで自動的に増えていく。
その結果どうなったか。国の税収は毎年のように過去最高を更新し続けている。「不景気で生活が苦しい」と国民が言っている国で、税収だけが史上最高を更新し続ける。おかしいと思わないか。インフレとは、借金を薄めながら税収を膨らませる、政府の一人勝ちゲームなのだ。政府がインフレを本気で止めるわけがない理由が、これでわかっただろう。
■ インフレ税は陰謀論ではない。もう5年前から実行されている
「国がそんなことするわけない」と思うなら、IMFの数字を見ろ。
日本の政府債務残高の対GDP比は、2020年の258%から2025年には229%まで下がった。約30ポイントの改善だ。この間、政府は借金を返したか?1円も返していない。国債残高そのものは増え続けている。
ではなぜ比率が下がったのか。インフレで名目GDPという「分母」が水膨れしたからだ。借金を返さず、金の価値のほうを薄める。あなたが値上げに悲鳴を上げていたこの5年間は、政府の帳簿が勝手に綺麗になっていく5年間だった。
つまりこれは「これから起きるかもしれない話」ではない。もう5年間実行されていて、もう成果が出ている話だ。
■ この国には国民の預金で借金をチャラにした「前科」がある
さらに言えば、日本政府にとってこれは初犯ではない。
1946年2月16日。終戦直後、戦時国債で債務がGDP比2倍に膨らんだ政府は、何の予告もなく預金封鎖と新円切替を発表した。国民が銀行から金を引き出せなくなったのは翌日からだ。前日まで誰も知らされていなかった。その上で財産10万円超の国民に25〜90%の財産税を課し、トドメに物価約70倍のハイパーインフレで戦時国債の価値を70分の1に溶かした。国の借金は見事に帳消し。払ったのは全部、国民の預金である。
そして現在の債務残高はGDP比2倍超。終戦直後と同じ水準だ。歴史上、この水準の借金を真面目に返済して解消した国はほぼ存在しない。インフレで溶かすか、踏み倒すか。日本は前者を、今度は予告なしの一発ではなく、年3%ずつ20年かける「静かなバージョン」で再実行している。ゆっくりやれば誰も気づかないことを、前回の経験から学んでいるのだ。
■ 一番むしられるのは、何も知らない普通の人
このインフレ税、最悪なのは貧しい人ほどを損をする逆進性だ。
富裕層は資産を株や外貨や不動産に分散しているから、ほぼ無傷で済む。むしろ円の価値が下がれば下がるほど資産価格の上昇して得をする。一方、なけなしの給料を全額円預金に置いている真面目な庶民こそが満額課税されて損をするのだ。
そして政府がこの構造を変えることは絶対にないと言っていい。黙っていれば勝手に借金が減っていくのに、わざわざ止める政治家がどこにいる?「物価高対策」と言いながら給付金でさらに物価を押し上げているのは、無能なのではない。止める気がないのだ。
■ じゃあ我々はどうすればいいのか
打ち手は1つしかない。
極力日本円は持たずにNISAで株を買いまくることだ。ゆうこりんのようにNISAは国の陰謀だとか言っているやつこそがインフレ税という政府の陰謀のターゲットだ。インフレ税の課税対象は「円建ての現金・預金」だけだ。企業の売上はインフレで増えるから、株式は長期でインフレリスクをカバーできる。皮肉なことに、政府は新NISAという非課税の脱出口を自分で用意してくれた。国が「逃げたい人はどうぞ」と扉を開けてくれているのだ。その前で突っ立ってなにもしないまま、ゆうこりんのように金を没収され続けるのは、もはや自業自得でしかない。
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