見出し画像

パタゴニアへ行きたい衝動と、チーズリゾットの日曜日

「ああ、早くでかいリュックを背負って飛行機に乗り込みたい。
そして、離陸とともに小さくなっていく日本の夜景を、
ワクワクの燃料としてこの目に焼き付けたい。」

休日の昼前11時。カーテンの隙間から差し込む光から逃げるように布団にくるまりながら、
そんな衝動を包み込んでいた。

これまでの人生で、数は多くはないが冒険に魂を掴まれてきた。
国内ではヒッチハイクを移動手段として常用し、
国外では一人でグリーンランドへ転がり込んだりした。

私は冒険が好きだ。
特に冒険が始まる時の情景全てが大好きだ。
玄関を開ける瞬間の空気。夜明け前の静けさの中で響くスーツケースのキャスター音。
そのすべてが、生きている実感を全身に膨らませていく。

しかし—そんな勇ましい衝動とは裏腹に、
昼まで寝ている情けない現実が目の前にある。
すると来た、いつもの罪悪感。

「やりたいことができていない今は一体なんなんだ!
行きたくもない会社のゴルフで金は飛び、
節約のため外出も控えて家に籠る。嫌になっちまうね、まったく。」

そんな時、何気なく開いたサブスクで「ひらやすみ」というドラマを見つけた。
29歳のフリーターが、いとこと阿佐ヶ谷の古い平家で暮らす、
ゆるくて、あたたかくて、人間味のある日常の物語。

気づけば夢中で見入っていた。ニヤニヤして、ほかほかして、胸が柔らかくなる感覚になった。
そうだ。冒険は好きだけど、こういう日常の中のあたたかさも同じくらい好きなのだ。

真反対の場所にあるようで、実はどこかでつながっている。
どちらも、今この瞬間を真剣に生きようとしている人間の姿。

そんなことを思いながら、
今日は家の中で、昨日のキムチ鍋の残りをチーズリゾットにして食べるという、後者の楽しみ方で1日をスタートさせた。

このキムチ鍋チーズリゾットがきっと、次の冒険へと繋がっている
多分ね。。


いいなと思ったら応援しよう!