脱成長社会と炭素税、BRICS
豪雨や洪水にある程度は対応する力のある日本社会でも、水の被害は絶えませんね。先日の台風しかり、線状降水帯しかり・・。水の被害を増幅させているのは温暖化だとする考えがあります。
さて、こうなってくると、温暖化の原因となる二酸化炭素は諸悪の根源のように見えてきます、聞こえてきます。
「お前さえいなければこんなことにならなかったのに・・」
「二酸化炭素さえ減れば・・」
なんて思いからか、炭素税や排出量取引制度(ETS)という考えが拡まってきています。二酸化炭素を排出した場合、お金を徴収する制度です。

EUでは2005年から始まり、少しずつ強化してきたそうです。で、これを国際的な枠組みでも用いて、地球全体の二酸化炭素排出を減らす動きにつなげて、地球温暖化を防ごうという、なんともすてきな話にもなっていきそうです。
この話が進めば、日本の水の被害は減るかもしれませんし、南極の氷も増えるかもしれませんし、海水温が下がって珊瑚礁が蘇るかもしれません。
ただ、「ちょっと待ってください」という国々があります。自国の状況に追いつかない速さで、二酸化炭素の排出とお金の徴収をつなげる(カーボンプライシング)制度を、構築されると困る国々があるのです。
EUやアメリカ、日本などは技術力が高く、二酸化炭素をあまり排出しないやり方で工業を今後も発展させていけるかもしれませんが、技術力がまだ低く、石炭や石油を使い、国際的には遅まきながらも工業化を図っていきたい国々もたくさんあります。
これまでの先進国が資源やエネルギーを途上国から安く買い、自国の工場で作ったものを途上国に高く売るという構図ではなくなっていくものの、見方を変えると炭素税や排出量取引制度(ETS)の導入・拡大は、二酸化炭素の排出量を通して、途上国から先進国にお金を流れやすくする新しい構図に切り替えているように見えます。格差は解消されずに温暖化対策が進んでいるように。
来週開かれるBRICS首脳会議は、そういった新しい構図に疑問を投げかけるために、各国が集まって力を合わせようとする動きなのでしょう。一つのターニングポイントになりそうです。
温暖化と経済格差を天秤にかけることは難しいです。その狭間で21世紀の前半は過ぎていくのかもしれません。
