宿主なのに8月の週末に長野へ旅してきた
8月の週末なのに予約無し・・
宿泊業界では8月の夏休み時期といえばかき入れ時です。
しかし先週末(8/22-24)は一件の予約も入りませんでした・・・
お盆休みの翌週ということもありますし、暑すぎるので当宿の6割を占める荒島岳登山客が来ないのは仕方がありません。それでもこの時期は、白山に登ったついでに荒島岳も、というお客さんがいるものですが、白山は2本あるルートのうち観光新道が現在通行止め、敢えてこんな年に行く人は多くはないでしょう。
一応8/22(金)の昼までは予約が入るのを待っていたのですが、あるかどうかわからない予約を待つのは苦痛です。
8/23(土)に昔の山仲間のイベントが信州・戸隠であったので、思い切って旅に出ました。(※結局、その後もこの週末の予約打診の連絡はありませんでした。)
初日:福井→富山・ゲストハウス岩瀬
昼に福井を出発、国道8号線を経由して、17時頃富山市の海沿いにある「ゲストハウス岩瀬」に着きました。

金曜ということもあり客は私ともう一人だけ、ドミトリー部屋は貸切状態です。
宿のある岩瀬浜はむかし北前船の寄港地だったようで、少し歩くと古い町並みが残ってるようで、早速散策に出ました。

岩瀬浜も観光地ではあるのですが、この宿、富山市内で用事がある人や立山登山の人が結構泊まりにくるそうです。
いま富山は宿泊施設が足りてなくて、安い宿があまり無いですし、街中だと駐車料金がかかるので、少し離れていてもここに泊まるというのはリーズナブルです。徒歩数分のところに駅があるライトレールを使えば富山駅まで20分で出れますし。意外なとこにニーズがあるものです。

平日ということもあり、古い建物が残る地区は閑散としてました。有名な「満寿泉」という酒蔵で試飲もできるようですが、17時までだそうです。。
このあたりは「孤独のグルメ」の舞台にもなっています。
ミシュランの星がつくようなレストランが数件あり、数万円するそうですが、そこで食事する人も結構泊まりに来るそうです。

何となく敷居が高く感じたので、近くのスーパーで惣菜を買ってきて宿で食べました。宿主さんとも話をしました。やはりこの世界というのは「儲からないけど楽しい」ですね・・
2日目:富山→信州戸隠→飯縄高原・ライダーハウスhayate
宿でカップラーメン食べて8時に出発。

国道8号線を東に走ります。

新潟との県境、親不知に差し掛かるとあちこちで片側対面通行になっていました。道路を補修しているのです。今のようなハイシーズンでも工事しないといけないくらいなので、かなり深刻なのだと思います。ここに限った話ではないと思いますが。高度経済成長時代に作ったインフラがあちこちでほころんできているように感じます。

長い海岸線の道を走り、上越市で右折し、黒姫山の麓を通り、13時半ごろに戸隠にある大学のワンダーフォーゲル部の山小屋に着きました。ここで、山で亡くなった方の慰霊祭があるのです。今回、週末なのに意を決して旅に出たのはこれに参加するためです。

最初に来たのが1989年の夏で、いつ来ても真夏で20℃そこそこでしたが、この日はうっすらと暑さを感じました。むかしは夜は窓を閉めて寝ていたのですが、今は網戸をつけているようです。

16時に慰霊祭が終わり、飯綱高原にある「ライダーハウスhayate」まで移動します。
金曜日に長野市周辺のゲストハウスを予約しようとしたのですが、どこも満員でした。「日本ライハ連合」のことを思い出し、電話したら空いているとのことでした。
17時過ぎに着いたのですが、宿主さんは福島県(!)まで日帰りツーリングに行って帰ってきたばかりとのことで、先にスーパーに買い出しです。

戻ってきてチェックインしたのですが、、、ライハとしては有り得ないくらい立派な建物で、客室もほぼリゾートホテルという感じです。

食事しながら話を聞きました。オーナーさん夫妻は大阪で会社を経営していたそうですが、田舎暮らしがしたくなってこの地に来たとのことです。
建物の条件が、バイクを収容するためのシャッター付きのバイクガレージがあることだったので、かなり大ぶりだったのですがこの建物にしたとのことでした。13年間空き家だったので、リフォームが大変だったそうです。

そしてコロナの3年間は完全に宿を閉めていたそうです。でも常連さんたちが、宿泊費先払いでもいいから宿を続けてほしいと後押しして、今も営業できているとのことでした。
旅人宿というのは、人情で持っているのだとしみじみ思います。
3日目:飯縄→佐久・三輪舎→韮崎→八ヶ岳・ヤツクルベース
朝は6時過ぎに出ましたが、オーナーさんがサイフォンで淹れたコーヒーをふるまってくれました。

高原の世界から、「七曲り」と呼ばれる急坂を下り長野市内に降り、千曲川沿いに走りました。山の中!という感じです。私の宿がある大野市もたいがい山の中ですが、このあたりは本当に海から遠くて内陸という感じです。

長野新幹線の佐久平駅に降ります。ここは「北斗の拳」の原作者・武論尊先生の出身地で、同作に出てくる「ジャギ」の銅像がありました。

主人公のケンシロウや、最大の敵だったラオウの銅像のほうが相応しいように思いますが、作中にジャギの銅像が出てくることと、作者と性格が似ている(笑)という理由でジャギになったそうです。
佐久の郊外にある、とほ宿「三輪舎」にお邪魔しました。

2008年頃だったと思いますが、この宿が開業したころに泊まった知り合いがいて、「すごくいい宿ができた!」という評判を聞いていました。それからさらに17、8年経ちます。時の経つのは早いですね。。
当宿も普通の一軒家ですが、観光地とは全然関係の無い場所にある宿でした。旅人宿らしいといえば旅人宿らしいですが。
宿の前にはコスモスが咲き、トウモロコシ畑が裏手に広がり、「カントリーロード」の歌が似合いそうな場所でした。外は30℃を越えてましたが、中は扇風機もいらないくらいひんやりしてました。

それから小海線沿いに南下して八ケ岳山麓の別荘地まで行きました。近代まで人が住んでいなかった土地のようで、日本離れした洒落た家屋が広い庭と一緒に整然と並んでいます。この日の宿に車を置いて小淵沢まで歩き、中央線で韮崎まで歩き、そこで地方移住支援をしている玉利さんと、その知り合いの人たちと落ちあいました。


みんな、以前は東京で働いてきて八ヶ岳に移住してきたとのことでした。自分もそうですが、、、東京に近いこともあり、同じような境遇の人が多いようです。そのかわり、移住希望者が多くて中古物件はなかなかでてこないようですが。。
自分が住んでいる大野は、どのような形で移住者を呼び込めるかということを考えながら飲んでました。いつもは宿で飲んでるので、外呑みは久しぶりでした。
4日目:八ヶ岳→諏訪大社→伊那→ねこばやし
この日は玉利さんが経営するコワーキングスペース「ヤツクルベース」に泊まりました。民泊もやっているのです。

築20年の物件とのことですが、中は建てたばかりのように綺麗でした。やはり人が住まないとだめですね。

玉利さんは地方移住ビジネスだけでなく、ITコンサルティング業もしていて、ユーチューバーでもあります。能力の高い人ですが、やはり行動力が大事ですね。自分もいろいろ動かなきゃと思いました。
自分も日ごろからビジネスについて色々考えてます。しかし、こうやって色んな人に会うと色んな刺激を受けます。深く考えているつもりでも、自分ひとりだと狭い世界の中で足掻いているだけですね。
宿を休みにしてでも、旅に出てよかったと思います。
帰路につきました。


諏訪を経て伊那へ。
「ドキュメント72時間」に出てくる産直市場はかなりインパクトがありました。売る側も買う側も自然志向の人たちにとって居心地がいい場所なんだろうなあと思います。首振り機能が使えない扇風機とか、北京ダック焼き機とか色んなものを売ってます。捨てるものなんてないんだなあと思いました。


そして中央アルプスを貫く長い長いトンネルを通り、木曽谷を中央西線沿いに走り、中津川で右折し、下呂市、郡上市と走り、九頭竜湖に着いた頃にはもう夕暮れでした。19時過ぎに宿に戻ってきました。


地方移住ビジネスをがんばりたい
日々宿を運営していますが、それだけでは食ってけないし、本業のFPをもっとがんばらねばと思うのですが、今回はインスパイアされる要素が多かったです。
今回、半分くらいは長野県内を走りましたが、人びとを惹きつける要素が多い土地だと思います。東京から近いという地の利がある一方、海から離れているし、各町村が山によって隔絶されていて自治体の数が多いし、ポジティブでない要因も多々あるのですが、それも非日常性を感じさせていると思います。
その場所場所によって状況は違うのですが、今の時代、地方で生きたほうがハッピーな人は少なくないと思います。自分もそのあと押しができればと思います。
