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コツと料理と私 #14

現場に立ち続けて25年。大抵の調理はできる自負がある。
寿司屋に負けない煮穴子も炊ければ、フレンチレストランでも自信を持って出せるローストビーフも焼ける。

そんな私だが、自宅で自分のために煮穴子を仕込むことはない。
「ローストビーフなんて買えばいいじゃん」
と思ってしまうタイプで、家ではごく簡単なものしか作らない。

とはいえ、長年お客様や友人、知人から「料理のコツ」を聞かれ、惜しげもなく伝えてきた。ここでもそのエッセンスを記しておこうと思う。

私が考える、料理の一番のコツ。

それは、
「美味しいと言ってもらえる料理を作りたい」という想いだ。
精神論に聞こえるかもしれないが、これが全ての土台になる。この想いが欠けていると、基礎もないのに目分量や感覚だけで味付けをし、食材を鍋に入れる順番も適当になる。結果、火の通っていない具材と、ドロドロに溶けた具材が混在する「悲劇」が生まれるのだ。

「料理」という漢字を見てほしい。
「料」は「はかる(米を量る)」、
「理」は「きめ(玉の紋様を整える)」という意味を持つ。

つまり、どちらの字も「測る、整える、筋道を通す」というニュアンスが含まれているのだ。
分量、サイズ、加熱時間。
これらをしっかりと設計し、バラバラだった食材が「美味しいもの」へと昇華していくプロセス。

それこそが料理の醍醐味である。

次に大切なのが、
「自分は料理のどの工程が好きなのか、得意なのか」を自覚することだ。

  • 「切る」という包丁作業が好きなのか。

  • 「煮る・炒める・揚げる」といった火入れ(加熱)が好きなのか。

  • 「巻く・包む」といった加工作業が好きなのか。


  • 「切る」のが好きな人は、冷やしトマトや野菜の飾り切りから刺身、寿司。
    「加熱」が好きな人は、出し巻き卵、野菜炒め、唐揚げ。
    「加工」が好きな人は、餃子、生春巻き、シュウマイ。
    「好きこそ物の上手なれ」である。自分の「好き」を軸に献立を組み立てれば、料理は格段に楽しくなり、上達も早まる。
    「コツと書いてあるのに、そんな当たり前のこと?」と思われるかもしれない。
    だが、第一弾としてはこれで十分だと私は思う。
    テクニックや時短ばかりに意識が向くと、本質を見失う。
    それは料理も、そして資産形成も、同じことなのだから。

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