見出し画像

マンカラで小1の娘に挑んだら、大人げないことになった

みなさん、マンカラって知ってますか?

、、、私は、知りませんでした。

娘に、教わりました。

40代にもなって、6歳児に手ほどきを受けるゲームがあるとは思わなかった。

我が家は共働きで娘は放課後、学童に通っている。

どうやら今、その学童でマンカラが流行っているらしい。

マンカラは、アフリカや東南アジアで昔から遊ばれている古いボードゲームだそうだ。

遊び方はいろいろあるが、娘が持ち帰ってきたのは「マンカラ・ベーシック」というルール。

めちゃくちゃ簡単に言うと、自分の陣地の石を、相手より早く空にしたら勝ち。

、、、これだけ。

シンプルすぎて、逆に不安になるくらいだ。


学童から来た、小さな刺客


娘はまず、覚えたてのルールを妻に教えて対戦を始めた。

先に言っておくと、妻はこの手のゲームがめっぽう弱い。

一方の私は、こういうカードやボードゲームが、そこそこ強い。

、、、昔、そのせいで性格が悪いと言われた気もするが、今は関係ない。


料理をしながら、二人の対戦を遠くから眺めていた。

すると、娘の声が響いてくる。

「よっしゃー!!!!」

「おっしゃー!!!!」

「ひひひひははははははははは!!!!」



、、、喜び方が、尋常ではない。

見なくても娘が勝ち続けているのがわかった。

妻も「めっちゃ強いやん」と、嬉しそうに褒めている。


夕食の食卓でも、話題はマンカラ一色だった。

勝ったり負けたりしながら、楽しんでいるらしい。

ただ、娘は負けるのが本当に嫌いだ。

あの歓喜の声を聞けば、それはよくわかる。

妻に勝って、娘は完全に調子に乗っていた。

「次は、パパとやるで」

、、、来た。


「負けても怒らんといてや」


勝負の前に、私は娘に釘を刺した。

「負けても、怒らんといてや」

なぜなら、私が勝つからだ。

娘が悔し泣きするのは、目に見えている。

父として、心の準備をさせておかねばならない。

ルールを教わる。

やはり単純だ。

これは、負けようがない。

父親としての経験値が、違う。

そう思って、勝負が始まった。


結果。





3連敗。



「よっしゃー!!!!」

「よっしゃーーーーー!!!!」

「よっしゃーーーーーーーーーー!!!!」



部屋中に、娘の勝ちどきが響き渡る。

、、、こんなはずでは。

足し算も引き算も、まだあやしい小学1年生に、私は完敗した。

どうやら娘は、いくつか勝ちパターンを持っているらしい。

完全に、舐めていた。


私は、大人の力を使った


その日から、毎日1回以上マンカラをする日々が始まった。

そして、勝てない。

来る日も来る日も、負ける。

これはマズい。

父の威厳が、音を立てて崩れていく。

そこで私は、大人の力を使うことにした。

ネットで、必勝法を調べたのだ。

「絶対に勝てる」なんて魔法は、書いていなかった。

ただ、当たり前のことが書いてあった。

ちゃんと考えて、戦略を持って真剣に向き合いなさい、と。

、、、向き合っていなかったのは、私の方だった。


翌日、私はさりげなく娘を誘う。

「今日も、マンカラやる?」

「やろっか!」

嬉々として準備を始める娘。

その笑顔を見ながら、私は静かに闘志を燃やしていた。


結果。



私の、3連勝。



「えーーーー!!」

「負けたーーーー!!」


今度は、娘の悲鳴が響く。

対する私は、ニンマリだ。

、、、大人の威厳、回復。


勝ち方を教えた、その瞬間


負けなしの日々が続いた。

娘は、かなり悔しそうだった。

「ママには勝てたのに、パパには勝てへん」と、ぶうぶう言っている。

そしてある日、娘が、ぽつりと聞いてきた。

「どうやったら、勝てるん?」


、、、ここだ。

私は、自分が使っている戦略をいくつか教えた。

驚いたのは、娘の様子だ。


いつもは、人の話を途中で聞かなくなるのに。

この時ばかりは、目をまん丸にして、じっと聞いていた。

「じゃあ、もう1回」

そう言われて、もう一勝負。


私は、負ける気はなかった。

ここで世の中の厳しさを教えるのも、親の務めだ。




結果。




私の、負け。


「よっしゃーーー!!!!」


久しぶりに聞いた、あの歓喜の声だった。

、、、そう。

私は、自分を倒す方法を自分の手で娘に渡してしまったのだ。

でも、考えてみれば親のやっていることは、だいたいこれだ。

自分の知っていることを、全部教える。

その子が、いつか自分を追い抜いていくために。

勝ち方を教えるというのは、つまり、負ける準備をすることらしい。

「じゃあ、もう1回」

今度は、私が言った。


、、、次も、負けた。


「ちょ、待てよ」

つい、キムタクが出た。

私はもう、勝てなくなっていた。

#なんのはなしですか


P.S.マンカラの日々は、今も続いている。

勝ったり、負けたり、いい勝負だ。

ちなみに妻は、あれから一度も勝っていない。

娘にも、私にも、全敗。

、、、この人にだけは、私はまだ勝てるらしい。

戦略を教えてあげようかとも思ったが、やめておいた。

負ける準備は、一人分でもう十分だ。


いいなと思ったら応援しよう!

Takacchi_P 読者の皆様、いつもありがとうございます!私のnoteが少しでもお役に立てていたら嬉しいです。いただいたチップは、新しいパンツに変わって画面越しに還元されます。ご感想や応援メッセージも、ぜひ一緒に送ってください。