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こんな素敵な人を私は知らなかったのか!?|松岡正剛氏のすべてがこの本の中にある❤️|世界とはこう見えるものなのか!?|人生で何度も読み返す本❤️


【読書回顧録 No.R00014】
タイトル: 世界のほうがおもしろすぎた
 著者 : 松岡正剛
 企画 : 松岡正剛事務所
 構成 : 松岡正剛事務所
 編集 : 松岡正剛事務所
発行者 : 株式会社 晶文社
読み方 : 通読
書籍種類: 一般書
読書回数: 2回目




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1.はじめに

松岡正剛さんの存在を知ったのはいつだったか?

 おそらく、私の記憶では、NewsPicksの番組「WEEKLY OCHIAI シーズン5」で落合陽一さんと対談していた時が、松岡正剛さんとの最初の出会いだと思う。(もちろん、直接お会いしたことはない)

一目惚れだった❤️

 一目惚れと言っても、恋愛対象が男性なわけではない。

 一人の人間として惚れたのだ!!

 正直、動画を1回見たぐらいでは、落合陽一さんと松岡正剛さんの会話には全くついていけない。

 出てくる単語や用語、表現、固有名詞などすべてがわからなかった。

 ただ、わからないのに、心を掴まれたのだ!

 松岡正剛さんが紡ぎ出す言葉の一つ一つに心を奪われたのだ。

 圧倒的な言葉の質量、ここまで言葉に質量を感じたのは、落合陽一さん以来だ。

 落合陽一さん以上に言葉の質量を感じたのだ。

 言葉の質量トップ2の対談となったら、私が簡単についていけるはずもない。

 しかし、話がすべて面白いのだ!!

 わからない言葉は出てくるが、全体像は掴める!

 これが落合陽一マジックであり、松岡正剛マジックである。

 意味と感覚は別物で、言葉の解像度が高いと、意味がわからなくても伝わるのである。

 すごい対談に巡り合ったものだ。

 そして、松岡正剛という一人の日本人に興味関心を強く持つことになった。

2.読む前の第一印象

 すでに、ここまでに松岡正剛さんの著書は何冊か読んでいる。

 なので、松岡正剛さんのひととなりはある程度把握している状態での通読になる。

 今まで読んだ本と、動画でみた松岡正剛さんから感じる印象は、何よりも深く、すべての現象、事象、歴史、文学、サブカル、科学、心理学など、ほぼ世界のすべてを知っているのではないか、と感じるほどに深い見識があることだ。

 一つ一つの情報を正確に把握し、丁寧に分解し、精密に再構築し、新しい松岡正剛さんなりの表現でアウトプットしてくれる。

 これがなんとも心地よく、明快で、最適なのだ。

 全幅の信頼で、松岡正剛さんの言葉を受け入れることができる。

 そのくらい、厳しい視点で物事を理解している人だ。

 それが、私の松岡正剛さんに対する認識である。

 そんな松岡正剛さんが生前に書いた最後の書籍ということで、私も少々センチメンタルな感情になっているのは確かだ。

 もう、松岡正剛さんの新しい書籍は読めないのだ、と一番大切な人を失ったのと同等の気持ちでこの書籍を読もうと思う。

3.概要

 ここからは書籍の内容に触れる。

 読んでない方は、自分自身で書籍を読んでから、この記事を読むことをお勧めする。


第1章

 冒頭のインタビュー内容から、インタビューアーの繊細な配慮を感じる始まり方だ。

できるだけ松岡さんには自由に語っていただければと思っています。

第1章 インタビュー記事より引用

 この言葉から、松岡正剛さんのひととなりと魅力についてよく存じているインタビューアーなのであろう。

 いちばん松岡正剛さんが光り輝くように、インタビューの方向性を決めている。

 松岡正剛という人間の正体がわからないので、その正体から聞いていこうという、なんとも直球な質問に対し、松岡正剛さんも真摯に答えていく。

 松岡正剛さんの生い立ちから、興味関心、どう松岡正剛が形成されてきたのかについて書かれている。

 松岡正剛さん自身が自分をゴーストと表現している。

 そのことについて、押井守が監督した『攻殻機動隊』や、大友克洋の『AKIRA』や、マックスウェルのデーモンや、レオナルド・ダ・ヴィンチの『手記』などを例に出して説明している。

 読者を世界の隅々まで引っ張り回すように話が続いていく。

 そして、松岡正剛さんの面影のようなものはちょっと見えてくる。

第2章

 松岡正剛さんのルーツの一つでもあるが、メディアへのあこがれと経緯が書かれている。

 子どもの頃、大学生の頃の自分にふれながら、自分のルーツを辿っていく。

 雑誌「遊(ゆう)」を制作した時のことや、イシス編集学校を作った時のことにふれながら、メディアと自分との関係性について話していく。

 大学時代、大学新聞の取材のことが強く印象に残っている。

記事のほうは、埴谷雄高とか安岡章太郎とか川端康成、それから暴力団の組長とか岸田今日子とかいろんな人にインタビューしたり、いまならテレビがみんなやっているような中華料理の特集をしたり、キャバレーとかストリップとかいった風俗を取り上げたりもしました。

第2章 インタビュー記事より引用

 大学生が通常取り上げる内容ではない!

 変わり者ということばでは足らない、本気と覚悟がなければできない所業である。

 ただものではないぞ、松岡正剛!!

第3章

 広告代理店で働いている頃の話から、「遊(ゆう)」にも触れて、さらに深く紐解いて話す。

 桑沢デザイン研究所時代のことにも触れる。

 写真を教えていたようだ。

ぼくの授業というのは、たとえば生徒たちが撮影してきた写真を伏せて、そこに何が写っているのかをしゃべらせる。次に「写真で撮れないものは何か」ということをみんなに考えてもらう。

第3章 インタビュー記事より引用

 なんと、面白い授業を考えるのだろう!?

 私もデザインスクールで13年ほどグラフィックデザインの講師を勤めているが、そんな面白い発想は出てこない。

 若かりし頃の松岡正剛もただものではないぞ!

第4章

 「工作舎」時代のことが書いてある。

「遊」が出ると非常に世間で驚かれて、いろんな雑誌にも取り上げられて、「松岡正剛がやることは変わっている、他にはない」というふうに思われていたようです。

第4章 インタビュー記事より引用

 残念ながら「遊」はもう出版されてないため、読むことができない。

 読みたいと思うのだが、中古で出回っているだけだが、非常にレアで、高値で出回っているものだけだ。

 個人的にはもう一度、電子版でも、書籍版でも良いので、再出版して欲しい。

 そのくらい、「遊」は伝説となっている。

改めていろいろ認知科学や脳科学なんかも学習して、それと同時に、じゃあプラトンはどうしていたのか、空海はどうしていたのか、これまでロジックだと考えられてきたものを検討したりしましたが、それで確信したことは、世界史上の哲学や思想というものも、本来アナロジーでできているということです。

第4章 インタビュー記事より引用

 ロジックですべては説明できないから、アナロジーが必要だと説いている。

 フラジャイルという言葉が出てくるが、言葉や情報はフラジャイル(壊れやすもの)である、と認識しているのであろう。

 ありのままの情報をありのままの状態で理解するためには、曖昧なままの方が良いこともある、そういうことなのだと私は解釈した。

第5章

 いよいよ、編集工学について語り始める。

いま大谷翔平のことをみんな騒いでいるけれども、彼が二刀流だったことによってメジャーのルールを変えましたよね。大谷を語るなら、ぼくだったら、両刀使い、二刀流というものの全歴史を使いながら、大谷を語ってみたいですね。そうすることで大谷をもっと歴史化すべきだと思うんですね。

第5章 インタビュー記事より引用

 深く掘り下げて理解しようと務める、松岡正剛さんらしい言葉だ。

 その後、編集工学のルーツが語られていく。

ぼくはじつはアメリカのTED(テクノロジー、エンターテインメント、デザインの頭文字をとった有名なカンファレンス)に最初期に呼ばれた日本人だったんです。

第5章 インタビュー記事より引用

 この記事には、非常に驚かされた!

 なんと、TED日本人第1号は松岡正剛さんだったのだ!!

 そのときの動画が残っていれば見てみたいものだ!!

第6章

 「編集の国」という構想から「編集学校」へと話がシフトしていく。

 しかし、「編集の国」構想は時代より早すぎたのだろう。

 時代の方がついてこれなくて、「千夜千冊」や「編集学校」が代わりに生まれていった。

この学校は既存の教育界の仕組みやシステムからはまったく違うものにしたかったので、最初から先生や生徒といった呼び方をするのはやめて、「師範代」と「学衆」というふうにしました。コースも「守・破・離」というふうに武道とか芸事のメタファーをつかって不思議な呼び方にして、編集を学ぶために、まず最低限の「型」を学んでもらう、その「型」を守って、破って、離れるという順番でスキルアップしてもらう、というふうにしました。そのうちのまず入門的なコースの「守」と、やや専門的なコースの「破」をスタートさせました。「離」は思い切って高度なコースにしたかったので準備に時間がかかってしまって、スタートがかなり遅れた。二〇〇五年になってようやく開講しました。

第6章 インタビュー記事より引用

 なんと、斬新な発想であろう。

 この時代に、このようなことをすでに考えていたことに感嘆するしかない。

第7章

 「千夜千冊」について書かれている。

 「千夜千冊」のうち私が読んだのは「三夜三冊」ぐらいだ。

 私の人生をかけて読破したいコンテンツの一つだ!!

 「千夜千冊」を作る上での、裏ルールのようなものまで書かれていた。

 あまり公にしていないことなので、なるほど、と感嘆の声を上げる。

 「自己編集」と「他者編集」というくだりが面白かった。

それからぼくは日本文化を特色づけるコンセプトとして「もてなし・ふるまい・しつらい」という三つをいろんなところで紹介しているんですが、日本では何かをやるときに場を重視して、そこに集う人たちがその場をわきまえながら、もてなしたりしつらえたり、ふるまったりする。

第7章 インタビュー記事より引用

 この言葉が非常に印象に残っている。

「もてなし・ふるまい・しつらい」という三つ

 日本でしかあまり聞かない言葉だ。

 あまり、意味、意義、定義について考えたことがなかったので、良い機会になった。

 私が一度訪れてみたいと思っていた「角川武蔵野ミュージアム エディットタウン」の話にも触れる。

 図書館のカテゴライズに不満があるなんて、私は一度も思ったことがなかったので、正直、驚いた。

 言われてみると、確かに、と思うことがある。

 デジタルだとマルチカテゴリーって、日常になっているけど、アナログだと、マルチカテゴリーを図書館で再現するのは難しい。

第8章

 以前、「日本という方法」という名の本が出ていたが、「アート・ジャパネスク」という言葉が印象的だった。

調子が悪くなると自分の周辺意識がぼやけてきて、自分を出入りするイメージや言葉や概念もぼやけてきてしまう。そういうぼやけた状態のときにこそ、思いもよらない化学反応が起こるんですね。そういう反応が起こったときに、なんとか集中力を奮い起こしてパッとつかまえる。でもこういうことは、調子のいいときには起こりにくいんです。言葉の定義付けが効きすぎていて、どうしても意識の振れ幅が小さくなってしまう。

第8章 インタビュー記事より引用

 この書籍を読んでいると、自分にはない見方、考え方が溢れるほど出てきて、すべてが新鮮であった。

4.感想とまとめ

4-1.読み終えての感想

 なんと、言葉の情報量と言葉の質量の多い書籍なのだろう!

 これこそが、The 松岡正剛!という印象だ。

 内容が広く、深く、他ジャンルに及ぶため、1、2回読んだだけでは、全容を理解することどころか、それぞれの章の要点さえままならない!

 松岡正剛の知性、感性、品性、個性がすべて詰まっている書籍だった。

 人生の中で何度も読み返し、自分のフィルターにかけ、残ったものを掬いながら、また繰り返す。

 そんな作業を繰り返し、自分の中に残ったものが、自分にとっての本質なのだろうと思う。

 私のiPadのKindleに入っている限り、何度でも読み返せる。

 松岡正剛さんも遺作「世界のほうがおもしろすぎた」は私にとって、まさしくワンピース(ひとつなぎの秘宝)と言えるだろう!

4-2.まとめ

 松岡正剛さんの書籍は、正直、難解である。

 まあ、一度読んだくらいでは、どの本も理解することはできない。

 少なくとも、私はそうだ!!

 なので、他の書籍も含め、松岡正剛さんが未来の私たちに遺してくれた書籍を一つ一つ大切にこれからも読んでいこうを心に誓う。

 ありがとう、松岡正剛さん!

 我々、残された人類を遠くから見守って欲しい!!

 ここまで読んでくれてありがとう❤️


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