見出し画像

【各国の本質10🇺🇬ウガンダ】発展できない「アフリカで最も豊かな国」

アフリカでは稀な恵まれた国ウガンダ。だが、その本質は「恵まれた環境は人間の成長意欲を萎えさせる」ということの典型例といえる。

🌏恵まれすぎた土地

アフリカに、条件だけ見れば「もっと豊かでもおかしくない国」がある。それがこのウガンダだ。

人口は約4,800万人。🇪🇸スペインとほぼ同じで、面積も🇬🇧イギリスとさほど変わらない。首都カンパラの人口は札幌市に近く、東アフリカでは少し小さめの国。

この国は、しばしば「アフリカで最も農業に適した国」と言われる。実際、ウガンダを旅すると、その意味がよくわかる。赤道直下なのに驚くほど過ごしやすく、道沿いには濃い緑が広がり、🍌バナナや🌽トウモロコシがそこら中で育っている。アフリカでよく見るような乾いた大地のイメージとはかなり違う。

では、なぜそんな国が、韓国や東南アジアのような経済発展を遂げなかったのだろうか。その答えは「恵まれすぎていた」ことにある。

🌋 すべては巨大な地殻変動から始まった

ウガンダの運命を決めたのは、何百万年も前の地殻変動だった。

アフリカ大陸には、南北に巨大な裂け目が走っている。いわゆる大地溝帯だ。この活動によって東アフリカ一帯はゆっくりと持ち上がり、ウガンダの国土の大半は標高1,000〜1,500mほどの高原になった。

そしてその地形変化によって巨大な湖も生まれる。アフリカ最大級の湖ヴィクトリア湖だ。

この二つが、ウガンダを特別な国にした。

赤道直下というと、普通は蒸し暑い熱帯雨林を想像する。しかしウガンダは高地なので、気温が比較的穏やかだ。しかも巨大な湖が大量の水蒸気を供給するため、雨も安定して降るのだ。自然が完璧な灌漑システムを提供しているのだ。

🌱 「普通に作れば普通に育つ」国

この環境では農業が驚くほど安定する。
主食のバナナ、トウモロコシ、さつまいも、キャッサバなどは、比較的簡単に育つ。地域によっては年に複数回収穫できる場所さえある。

これはアフリカではかなり珍しい。

たとえばサヘル地域(サハラ砂漠の南方)では、雨が来なければ一気に飢餓に近づく。🇰🇪ケニアでも乾燥地帯は広く、水不足が大きな制約になる。だがウガンダでは、「とりあえず作れば何かは収穫できる」土地が広い。

その結果、この国では人口が多くなる。現在の人口密度は約260人/㎢。アフリカ全体の人口密度の約50人/㎢と比べても、かなり多いことがわかるだろう。しかも人口は今も急増中。過去20年で人口は倍増した。

ウガンダの農場

🏠 生きやすい社会は変化を急がない

一般に経済発展というのは「生きるための必要性」から始まることが多い。土地が狭い、食べ物が足りない、仕事がない。そうした状況が、人々を都市へ向かわせ、工業化を進め、海外との競争へ駆り立てる

しかしウガンダでは、地方でもある程度生活できてしまう。食料は比較的確保しやすく、農村でも暮らせる。だから都市へ押し寄せる圧力が強くならない。

つまり、この国では「生きること」が比較的容易なので、「変わらなければならない」という圧力も弱いのである。

これは国民性にも少し影響しているように見える。ウガンダ人は東アフリカの中でも比較的穏やかで、おっとりしていると言われることが多い。もちろん単純化はできないが、厳しい環境で常に競争を強いられる社会とは、空気感がかなり違う。

🚢 「海」がないということ

もう一つ重要なのが、ウガンダが内陸国だということ。
輸出入は、隣国🇰🇪ケニアのモンバサ港に大きく依存している。つまり、海外へ物を売るにも、まず長距離をトラックで運ばなければならない。これは工業化にとって非常に不利なことだ。

スマホや自動車部品を輸出しようとしても、輸送コストが高い。結果として農産物や原材料中心の経済から抜け出しにくくなる。

つまりウガンダは、「国内では生きやすいが、外へ出て稼ぐ力は弱い国」なのだ。

🪖 独裁がもたらした「安定」

さらに興味深いのが政治。1986年以降、ムセベニ政権が約40年にわたり続いている。民主主義としては問題も多いが、🇸🇸南スーダン、🇨🇩コンゴ民主共和国、🇧🇮ブルンジ、🇷🇼ルワンダなどの周辺国が内戦や政変を繰り返す中、ウガンダは比較的安定を維持してきた。その結果、🇸🇸南スーダンや🇨🇩コンゴなどから多くの難民が流入している。

つまりこの国は、
アフリカの中では比較的住みやすく安全な場所
として位置付けられているのだ。

🎯 ウガンダの本質とは何か

ここまでをまとめると、ウガンダの本質はこう言える。
「恵まれた自然が人々を生かし続ける一方で
変化への圧力を弱めている国」

普通は、厳しい環境が人を鍛え産業を発展させる。だがウガンダでは逆に、「そこまで無理をしなくても生きていける」ことが、急激な経済変化を起こしにくくしている。

つまりこの国では、“恵まれていること”そのものが見えない制約になっていると言えるのではなかろうか。そしてそれは一般に、国家だけではなく、人間そのものにも当てはまるのかもしれない。

(もしこの記事のどこか一行でも、「なるほど」「考えさせられた」と感じたら、「いいね❤️」を押してもらえると励みになります)


いいなと思ったら応援しよう!