【教科書に載っていない世界一周】〜2-4中国長江沿岸編(ついに旅先で倒れました)〜
🏛 南京大虐殺 ― 戦争の真実に触れる
中国最大の景勝地、黄山を後にし、次に向かったのは南京。
南京と言えば、真っ先に浮かぶのは「南京大虐殺」という言葉だろう。
日中戦争で日本軍が南京に侵攻し
30万人もの民間人が犠牲になったといわれている。
しかし、一方で証拠が不十分だという声もあり
「そんな事件はなかった」という学者もいる。
真実はどうだったのだろうか?
南京での目的地は、まさにその「南京大虐殺記念館」。
ここで展示されている証拠を、自分の目で確かめたかった。
🏛 【虐殺記念館】 驚きの展示と政治的背景
「南京大虐殺記念館」は広い敷地にあり
建物には「300,000」の文字が大きく掲げられている。
館内には、当時の戦闘写真や、食器、兵士の日記などの資料が展示。
さらに別館には、現場から掘り出されたという数十体の人骨が
ガラスケースに収められ展示されている。
展示物からは、戦争の悲惨さ、そして日本兵の残虐さが強調されていた。
しかし、一通り見た後、二周目で展示物を見返していると
不思議なことに気づいた。
詳細すぎる状況説明や、
不自然な姿勢での処刑シーンなど
これらには、事実として捉えるには少し無理があるのでは?
と感じられるものもあった。
そしてそれらの展示物からは、事実の展示というよりは
むしろ中国政府の政治的な意図が見え隠れしている気がした。
⚖ 【戦争の本質】 戦争はどちら側にも痛みがある
資料の信憑性はさておき、何より感じたのは
戦争や虐殺がもたらす「むごさ」。
死体が転がる写真
日本兵の苦悩に満ちた日記
これらから、戦争の悲惨さと無意味さが心に突き刺さる。
中国政府の報道にはいくらか誇張が含まれているかもしれないが
戦争がいかに残酷であるかだけは、痛いほど感じることができた。
🌏 「強い国」を目指すメッセージ
そして、最も衝撃的だったのは、記念館の出口に掲げられていた
以下のメッセージ。
「これらの虐殺が行われたのは、当時の中国の国力が弱かったからです。
二度とこのようなことが起こらないよう、国民が一致団結し強い国家を作りましょう。」
実はこの記念館は、日本を非難しているわけではなかった。
また、「戦争反対」というメッセージなども見られず
「国力強化」を訴えるメッセージが目立っていた。
日本では「戦争を無くそう」といったメッセージが多いが
ここ中国では、戦争の背景を弱い国力に結びつけていたのだ。
日本と中国の政治体制の違いを痛感した。
💣 【戦争と虐殺の歴史】 世界でも貴重な記念館
南京大虐殺は、非常に衝撃的な出来事だが
世界では同様の虐殺がこれまで何度か行われている。
ルワンダ・ブルンジ内戦での80万人
スターリンの大粛清での2000万人
中国の文化大革命やカンボジア内戦での数百万、数千万人
これらの虐殺も歴史の一部。
これらの負の歴史を強調する記念館は世界でも少なく
ここは貴重な記念館だった。
🤒 中国のかまどに突入
中国には三大釜戸(かまど)と呼ばれる盆地があり
夏の蒸し暑さは灼熱地獄といわれる。
重慶、武漢、そしてもう一つが南京。
どれも長江の中流に位置する盆地で、湿度が高く、空気がこもるのだ。
とにかく空気がまずい。
気温が高いだけでなく、町は車が溢れ、排気ガスが充満。
道を歩くだけで鼻の奥が痛くなり
ねっとりとした空気が喉と肺にまとわりつくような感覚。
その暑さと煙霧をかき分け、
南京の街をなんとか歩き回った。

🚌 バスの中の幸せな空気
南京の観光をひと通り終え、夜行バスに乗り込む。
クーラーの効いた車内の空気はめちゃくちゃ美味かった!
「空気ってこんなにおいしいものだったのか!」
心地よく感じる空気に感動しながらバスで一晩を過ごす。
だが翌朝、終点の武漢に到着すると…
💉 突然の発熱
バスで目覚めた瞬間から、体に寒気(さむけ)が走った。
最初はクーラーのせいと思ったが、周りの乗客たちは元気そう。
何枚重ね着しても、寒気は一向に治まらず、頭痛とともに発熱。
連日の移動で疲労が蓄積したところに
南京の汚染された空気で肺と喉をやられ、免疫力が低下したようだった。
「これはヤバい…」
そう感じて、近くの高級なホテル(ホリデイ・イン)を探し
チェックインしてベッドに倒れ込んだ瞬間、全身が動かなくなった。
今回の世界一周では倒れて動けなくなることが3回あったが、これが一度目。振り返ると最も軽い症状だったが、それでも寝返りすら打てず、高熱、寒気、頭痛で体は限界を迎えていた。
💊 抗生剤の力
風邪薬を服用し二日間部屋で安静にしたが、熱は一向に下がらず。
関節や筋肉がしびれてくる。食べ物もほとんど喉を通らない。ホテルの部屋が豪華で清潔なことだけが、気を紛らわせてくれる、
これ以上の悪化はまずい。
そこで、旅立ちのときに薬局の人に「特別だよ」と餞別にもらった抗生剤を飲んでみた。
抗生剤は体内に入り込んだ菌を根こそぎ退治する強力な薬。
一方で体内の善玉菌まで殺してしまい
中途半端な服用ではタチの悪い耐性菌まで発生してしまう危険な薬。
ここぞという時のために取っておいたが、その時が来たようだ。
これは思いのほか効いた。あれほど苦しんだ症状が、コロッと改善し、翌日には歩けるようになったのだ。
抗生剤はものすごい劇薬のようだが(副作用も大きい)、一人旅の必需品であることを痛感した。
🚢 病み上がりに最適な三峡クルーズ
武漢から乗ったのは長江を"豪華客船"で5日間かけて遡る三峡クルーズ。
三国志の舞台(赤壁)などを通るので、かなり期待していたものの
黄山の壮大さを見た後では正直物足りなかった。
ただ、微熱が続く病み上がりの身としては、
客船で横になりながら景色を楽しめることが何よりありがたかった。

🌍 三峡ダム建設現場で感じた国家プロジェクトの大迫力
クルーズの途中、三峡ダムの建設現場を見学するチャンスがあった。
地平線まで果てしなく続く現場には、多くの重機が動き回っており
その圧倒的な規模に驚いた。
中国の国家プロジェクトはどれも桁外れだ。ため息が出るほど。
(残念なことにこのダムは2009年に完成し、この三峡下りクルーズを楽しむことはもはやできない。)
🚢 三峡クルーズを終えて
中国の広大さと、その圧倒的な国力を目の当たりにして
改めてこの国の成長速度と底力を感じずにはいられなかった。
戦争や歴史が刻み込んだ場所もあれば、
未来へと進む都市開発や国家プロジェクトに驚かされる瞬間も多い。
目の前に広がるのは、ただの観光地ではない。
過去の痛みと未来への希望が交錯し、深い学びと気づきが詰まった場所。
まだ中国での旅路は道半ばだけど、中国の人々の力強さを感じ
この国の成長と進化を実感した。
9/12 12黄山(ホアンシャン):バス7時間
9/14 13南京:バス4時間
9/15 14武漢:高速夜行バス10時間
9/17 15宣昌(イーチャン):バス4時間
9/21 16重慶:“三峡クルーズ”(船)4泊5日
次回は重慶で船を降り、成都へ。チベット目指して内陸へと向かいます。

