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【教科書に載っていない世界一周】〜2-11 4WD車でエベレストへ出発!

🌄 夜明け前の出発

いよいよ出発の朝。夜明け前、仲良くなった日本人旅行者の方々が、見送りのために起きてきてくれ、僕達はラサを出発した

4日間の予定を説明すると。初日に火山湖、二日目に温泉、三日目にエベレスト・ベースキャンプ(BC)をまわり、四日目でネパール国境。見所満載のコースだ。

中国を周遊(約50日間)した後はインドを目指した

ラサを離れると風景は一変。荒涼とした山々に囲まれたチベット最大の大河(ヤルツァンボ川)に沿って車は走る。その後”日光いろは坂”のように曲がりくねった道を上る。

4800mの峠を越えると、チベット4大聖湖の一つ、真っ青な”ヤムドク湖”が眼下に広がっていた。海面から4000m以上も上がったこんな場所に、こんな大きな湖があるのは不思議な感じがする。火山性のカルデラ湖であるため湖面がスカイブルーに輝き、とても美しい。標高が高いせいか、景色を見ているだけで頭がクラクラする。

再び平地(といっても標高4000mもあるのだが)に戻り、今度は大峡谷の中を数時間走る。このあたりの風景は、さながらアフガニスタンパキスタン北部のようだ(当時はまだ想像上のものだったが)。荒涼とした岩と砂の山々が周りを取り囲む。

この日はシガツェというチベット第二の町に宿泊。一見すると人の住めないような荒涼とした高原の奥地にどうしてこんな町ができたのか、不思議に思えるほど大きな町だった(人口5万人)。ただ夜の寒さは格別で、人一倍寒がりの僕はほとんど眠れず、高地特有の頭痛と寒気に襲われた。

チベット高原を貫く大河

♨️ 二日目は待ちに待った温泉へ

二日目は待ちに待った温泉。ラツェという村の郊外にこの温泉はあった。日本を出てから初めて湯につかる。お湯は白骨温泉のような白濁色で、外国では珍しく日本人にぴったりの湯加減。男性限定の露天の湯船は中くらいのプールくらいに広く、地元の数人の修行僧が入浴中。彼らは下着をつけたまま浸かっており、裸で入る習慣はあまりないらしい。

僕らは久しぶりの汗を流し、体中についた埃を落とした。チベット人には入浴の習慣はほとんどないらしい。乾燥しているため汗をかくことがないためだそうだ。確かにチベットへ来て以来、シャワーを浴びたいと思ったことはそれほどなかった。

この日の晩は家屋が数件あるだけの村(ニューティンリー)に泊まった。荒涼とした原野にポツンとたたずむ一軒宿。絵になるほどに周りには何もない。この日は5100m超の峠を通過したためか、僕は再び高山病にかかってしまった。といっても我慢して普段通り行動するしかない。ジンジンする頭を抱えながら、寒さと闘い、ベットに横になった。

夜中にふと目が覚め、外に出て夜空を見上げると、天の川が目の前に迫っている。宇宙に近い場所だけあって、これまで見たことがないほどの星の数が目に入る。天の川が“大氾濫”しているかのようだった。

愛車とともにヒマラヤ山脈に向け旅は高度を上げる

🏔 そして、エベレストに

三日目はいよいよヒマラヤ越えのハイライト、エベレストに迫った。僕らのランドクルーザーはいくつかのチェックポイント(むしろ関所)を越え、入山料を払って進むとそこには、道のない荒涼とした灰色がかった丘がヒマラヤ山脈まで伸びていた

あらためて僕らの乗っているランドクルーザー(トヨタ)という車は、世界最高品質の車だということを実感した。以前アラビア半島の砂漠をランドクルーザーで横断したことがあるが、崖のような急斜面をものともせずに、突き進んでいったのには驚いた。ここでも日産車やベンツ、米国車のジープがあちこちで立ち往生するなか、僕らの愛車はゴツゴツした岩だらけの道なき道をなんでもないかの如く、我が物顔で進んでいった

しばらく行くと、目の前にヒマラヤ連峰が立ちはだかった。その峰々の間に白く尖った山が見える。それこそがエベレスト、中国名:チョモランマだった!生まれてはじめて見たエベレストは8850mの天空に雄々しくそびえ、雲一つない青空にくっきりと白く映えていた。遠い道のりを苦労してやってきただけあって、離れて見ても感無量だ。素人が頂上まで登るのは非常に難しい山だが、5200mのベースキャンプまでは誰でも簡単に行くことができる。雪も植物も全く無いが、岩と砂でゴツゴツしたベースキャンプ。車を降り、そこからは歩いた。

中央正面に見えるのがエベレスト

20日前、チベット高原に初めて入ったときに標高5000mを体験し頭が割れる思いだったが、それもここへきてようやく慣れてきた。

5200mのベースキャンプに向かって、岩肌を2時間かけて登った。空気が薄いため、5〜6歩歩くともう息があがる。数歩歩いては休む・・・の連続だった。

快晴で天候もよく、エベレストのすぐ目の前まで登ることができた。青い空を背にしたごつごつしたその山肌はものすごい迫力だ。美しい景色を楽しみながら、気分よく登ることができた。

すぐ近くに氷河から流れ出ている川が流れていた。清流であるはずの川が白く濁っていたので、不思議に思い近づくと、川底はすべて氷結しており、その氷が反射していたのだった。手を入れると痺れるほどの冷たさだった。

この晩は、近くの村(オールドティンリー)の宿に泊まったが、標高が高いだけあり寒さも極まれりという感じだった。部屋の中でも吐く息は白い。あらんかぎりの防寒具をすべて着込み、軍手をはめて、厚手の布団に潜り込んだ。だが、いっこうに体は温まることなく、うとうとするうちに朝を迎えていた。枕の脇に置いたペットボトルに手を伸ばすと、凍っていて飲めなかったことを覚えている。

🚨 次回予告

ネパール国境まで、あとほんの一歩。だが待っていたのは、まさかの公安による拘束だった。旅の仲間との最後の試練が始まる。

(トップの写真はエベレストBCからのもの)

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