MECE(ミーシー)で文章生成AIの品質が改善!モレなくダブりなくの整理術!
タカヒロは現在、システム運用保守業務でPMの役割を担っているのですが、以前、顧客から痛烈な一言をいただきました。
「ドキュメントの品質が低下していますよ。MECEを意識してください」
正直、その瞬間は「MECE(ミーシー)?あ、PM研修でなんか言ってたな…」という状態でした。
恥ずかしながら、システム運用保守のPMをやっていて、この基本的なフレームワークを忘れていたのです。
そこからタカヒロはあせあせしながら調べ、実践し、ようやく顧客が何を求めていたのか理解できるようになりました。
同じように「MECE」という言葉に戸惑っている方のために、タカヒロが学んだことを共有したいと思います。
MECEとは「モレなくダブりなく」
MECEとは、「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字をとったもので、日本語では「モレなくダブりなく」という意味です。
タカヒロはこの言葉を覚えるために、「モレなくダブりなく」と頭の中で10回ほど唱えました。
すると、「ミーシー」という音が「モレなくダブりなく」にリンクして、自然と頭に植え付けることができました。
なぜMECEが重要なのか
ドキュメント作成において、MECEが重要な理由は2つあります。
①モレがあると情報不足になる
必要な情報が抜け落ちていると、読み手は判断ができません。特にシステム運用保守では、モレた情報が後々の障害やトラブルにつながることもあります。
②ダブりがあると混同を招く
同じ内容が複数箇所に記載されていると、読み手は混乱します。また、不要な文章量が増えることで、本当に重要な情報が埋もれてしまいます。
つまり、モレもダブりも、ドキュメントの品質を著しく低下させる要因なのです。
実は日常生活でもMECEは重要だった
MECEと聞くと、なんだか難しいビジネス用語のように感じるかもしれません。
しかし、実は日常生活でもMECEが破られると、予定外の事態が起こります。
ちょうど今日、妻が買い物から帰ってきて、こう言いました。
「あ、卵がダブった」
「あ、スライスチーズを忘れた」
冷蔵庫を開けると、確かに卵が2パックあります。
一方で、明日の朝食用に買う予定だったスライスチーズは買い忘れていました。
これはまさに、MECEが破られた状態です。
ダブり: 卵が2パック(必要以上に購入=無駄なコスト)
モレ: スライスチーズを買い忘れ(必要なものが欠けている)
結果としてどうなったかというと、
「明日はカニタマかな」
「朝のトーストはチーズなしだけど我慢してね」
と、予定外の献立になったということになります。
※まあカニタマ好きだからよいのですけど…
本来であれば、買い物リストを「モレなくダブりなく」作成し、そのリストに従って買い物をすれば、こうした事態は防げたはずです。
日常生活でもビジネスでも同じことが起こる
この買い物の例は、実はビジネスの世界でも全く同じことが起こります。
ダブり ⇒ 同じ情報が何度も記載され、読み手が混乱する
モレ ⇒必要な情報が欠けていて、読み手が判断できない
結果 ⇒予定外の事態が発生し、プロジェクトが遅延したり、顧客の信頼を失ったりする
タカヒロは、妻の買い物の失敗を見て、改めてMECEの重要性を実感しました。
「モレなくダブりなく」は、ドキュメント作成だけでなく、あらゆる計画や整理に必要な考え方なのです。
タカヒロがMECEを意識しなければならなくなった理由
タカヒロが指摘を受けたのは、議事録でした。
現在タカヒロが携わっている業務は、いわゆる「お堅いところ」の案件で、議事録の提出は必須となっています。
しかも、指定フォーマットがあり、様式に合わせて書かなければならないため、毎回かなり大変な作業でした。
そこでタカヒロは、議事録の要約作業をAI(会社で契約しているGemini)に任せることにしました。
会議の音声をテキスト化し、AIに「議事録フォーマットに合わせて要約してください」と依頼したのです。
確かに作業時間は大幅に短縮されました。
会議後1~2時間かけて書いていた議事録が、AIを使えば5分程度で完成します。
しかし、ここに落とし穴がありました。
AIが生み出した「ダブり」の問題
AIが作成した議事録には、ダブりが多く発生していました。
具体的には、議事録のフォーマットに「決定事項」と「Todo」という項目があったのですが、同じ内容が両方に記載されてしまっていたのです。
例:AIが作成した議事録の問題点
決定事項:
次回リリースまでに、ユーザー認証機能の脆弱性対応を実施する
Todo:
ユーザー認証機能の脆弱性対応を実施する(担当:開発チーム、期限:次回リリースまで)
確かに、AIの解釈は間違っていません。
決定したから「決定事項」に入れ、それは実行しなければいけないタスクだから「Todo」にも入れる。
論理的には完全に正しいのです。
しかし、顧客からすると「同じ内容が2回書かれている」と感じてしまいます。
これがまさに、**MECEの「ダブり」**だったのです。
AIは精度がよいがゆえに「親切すぎる」
タカヒロがAIを使って感じたのは、AIは精度がよいというか、余計な親切が多いということです。
AIは「モレ」をなくすために、あらゆる情報を盛り込もうとします。
その結果、同じ情報を異なる角度から何度も記載してしまい、「ダブり」が多くなる傾向があります。
つまり、AIを活用したがために、MECEの指摘が生じてしまったというわけです。
これは決してAIが悪いわけではありません。
タカヒロがMECEを意識せずに、AIに丸投げしてしまったことが問題だったのです。
MECEを意識した議事録作成の改善策
顧客からの指摘を受けて、タカヒロは議事録作成のプロセスを以下のように改善しました。
①各項目の役割を明確に定義する
まず、議事録フォーマットの各項目が「何のために存在するのか」を明確にしました。
決定事項: 会議で決まったことの結論だけを記載
Todo: 誰が、いつまでに、何をするのかを具体的に記載
協議事項: 会議で話し合った内容で、まだ結論が出ていないものを記載
報告事項: 情報共有のみで、アクションが不要なものを記載
このように役割を定義することで、「どの情報をどこに書くべきか」が明確になります。
②情報を分類する際のルールを決める
次に、同じ内容が複数の項目に該当しそうな場合のルールを決めました。
ルール1: 決定事項に書いた内容で、アクションが必要な場合はTodoに書く。ただし、Todoには「誰が、いつまでに、何をするか」という実行情報のみを記載し、背景や理由は省く。
ルール2: 協議事項で話し合った結果、決定したものは決定事項に移動し、協議事項には「決定済み」などの記載をして重複を避ける。
ルール3: 報告事項は情報共有のみなので、そこからTodoが発生することはない。
③AIへの指示を具体化する
最後に、AIへの指示を改善しました。
改善前:
「以下の会議内容を議事録フォーマットに合わせて要約してください」
改善後:
「以下の会議内容を議事録フォーマットに合わせて要約してください。ただし、以下のルールを厳守してください。
決定事項とTodoで同じ内容を繰り返さない
Todoには『誰が、いつまでに、何をするか』のみを記載し、背景は書かない
各項目はMECE(モレなくダブりなく)を意識してください」
このように具体的な指示を出すことで、AIが生成する議事録の品質が格段に向上しました。
さらに関係者間にもMECEを意識せよと伝え、その意識でレビューをしてもらうことにしました。
MECEを意識するようになって変わったこと
MECEを意識するようになってから、タカヒロのドキュメント作成は大きく変わりました。
①顧客からの信頼が回復した
何よりも、顧客から「最近の議事録は読みやすくなりましたね」と言っていただけるようになりました。
一度失った信頼を取り戻すのは大変でしたが、MECEをAIや携わっている人たちに対して徹底することで品質が安定したのだと思います。
②自分自身の思考が整理されるようになった
MECEを意識すると、情報を整理する癖がつきます。
「これはどこに分類すべきか?」「ダブっていないか?」と常に考えるようになり、会議中のメモの取り方も変わりました。
③AIを「使いこなす」スキルが向上した
AIは便利ですが、丸投げしてはいけないということを学びました。
AIに適切な指示を出し、出力をMECEの視点でチェックすることで、初めてAIを活用できるのだと実感しました。
まとめ:MECEは「思考の整理術」
タカヒロが学んだのは、MECEは単なるドキュメント作成のルールではなく、思考を整理するためのフレームワークでした。
「モレなくダブりなく」という言葉を頭の中で10回唱えるだけで、情報の整理の仕方が変わりました。
タカヒロもまだまだ完璧ではありませんが、MECEを意識することで少しずつ改善し、無駄が減っていることを実感しています。
この記事が、同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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