まだ名前を持たないものへ
——絵になったもの、言葉になれなかったもの

1000×788mm 紙にアクリル
詩:
『まだ名前を持たないものへ』
わたしは
輪郭のないまま、色に溶けていった。
沈黙はいつも、最初の音だった。
躊躇の青、
はじまりかけた赤、
風のように描かれた紫の記憶。
うねるように、
軋むように、
それでも内側から——生きていた。
叫びでもない、言葉でもない。
ただこの、
**“かたちにならなかった感情”**が
紙の上で、
あの日のわたしに手を伸ばしている。
はじめに
この詩は、まだ“何か”と名づけられる前の衝動に向けた言葉です。
絵を描くとき、わたしは言葉から離れます。
しかし、筆跡のあとに残ったものに、どうしても言葉を重ねたくなることがあるのです。
このあとに続く文章では、この作品を描いたときに起きていた心の動き、
そして「描けているのに書けない」という、表現のズレについて語ります。
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