三国志(六) 2
続きです。
龐統が戦死してしまう一方で、本隊は孔明と張飛の二手に分かれ、張飛は厳顔と対峙します。張飛は厳顔の堅固な守りに攻めあぐねますが、珍しく計を用いて厳顔を誘き出し、見事に生け捕ってしまいます。厳顔にしてやられてしまうのではないかと心配してごめんなさい。この張飛の活躍で、ここから先の城の城主を厳顔が説き伏せ、三十以上の城を無血開城させました。
黄忠と魏延の活躍も目覚ましいものがありました。魏延に老将扱いされる黄忠ですが、戦場では魏延のピンチにカッコよく登場します。このコンビは、この後もいくつか戦を共にしていますが、なんともいい感じでした。黄忠は、夏侯淵を仕留める手柄を上げました。
戦が目まぐるしい中で、呉の計も絡んできます。荊州の返却を蜀に迫りますが、こちらも一筋縄では行きません。孫権の息子と関羽の娘の婚姻を勧めようと、関羽に遣いを送りますが、こちらもけんもほろろに断られてしまいました。
また、曹操の下には奇妙な人物が登場します。呉が温州みかんを魏に献上するために運んでいる途中で現れた眇でびっこの老人・左慈は、「手伝ってくれ」という一人の人夫の荷を担うと風のように走り出します。盗まれては大変と他の人夫は慌てて追いかけますが、そこから荷物は少しの重さも感じられなかったとありました。この後、曹操が届いたみかんを食べようとすると中身は空、他に三つ、四つと裂いてみてもすべて空でした。この後も、酒五斗に羊の丸焼きをペロッと食べてしまう、拷問にかけても笑っている、牢屋に立て縛りにして立たせておいても高鼾で眠ってしまう、水も食べ物も与えず十日経っても返って元気になると何ともめちゃくちゃです。左慈の件だけSFの世界でしたが、とうとう曹操は左慈の首を刎ねますが、その後、曹操は体調不良に陥ります。
そこで曹操が頼ったのが占師の管路です。曹操が管路に呉と蜀の情勢を聴くと「呉では、誰か有力な重臣が死ぬと思われます。」、「蜀は兵気さかんです。察するに、近日、界を侵して、他を犯すこと必然です。」といい、その後、魯粛が病で亡くなったという知らせと、馬超、張飛の二軍が漢中に侵攻するとの知らせが来ました。曹操も自ら漢中に兵を差し向けようとしますが、管路が「来春早々、都のうちに、かならず火の禍いがありましょう。」というと、自ら戦地に赴くことは避けて、火の禍に備えていました。
先述した黄忠、魏延に加え張飛、馬超、趙雲らの活躍によって蜀は漢中を制し、劉備は漢中王に即位します。本書の序盤まではまだまだギリギリな感じの劉備でしたが、一気に勢力を伸ばして来ました。そうした中でのMVPは、こちらも迷いましたが、再度劉備の子を救い、漢中侵攻でも大活躍、二巻連続二回目の趙雲にしたいと思います。
