無性に食べたくなる、素朴で美味しいあのコロッケ
肉屋のコロッケはなぜ美味しいのか。ジャガイモ本来の味しかしないからだ。スナック感覚のサックリ厚い衣もいい。近くに肉屋がないから、この味わいは稀少もの。遠出をしても求めてしまう、そんなことを綴ってみた。
肉屋のコロッケ、それはナチュラルなジャガイモの味しかしない素朴なコロッケ。ガッシリしていて衣はそこそこ厚く、かじりつきたくなるサクッと感。この単純な味と食感が、スーパーの総菜売り場コロッケにはない魅力である。
肉屋のコロッケはおかずであり、おやつでもある。思い出せば部活の帰り、頬張りながら歩いたものだ。女子高生が大口開けて、包み袋が油で滲む前に食べきっていた。
あのときの美味しさが、今も変わらず継承されている素晴らしさ。素朴なコロッケは不変である。
たかがコロッケと言う勿れ。肉屋ごとに味も違う。玉ねぎを混ぜている店、ジャガイモだけの店、ジャガイモのゴロゴロ感を残している店。基本を守りながらも個性が光る。値段は80円~120円くらい。
不幸なことに、我が町には肉屋がない。スーパーの肉売り場ではなく、いわゆる昔ながらの肉屋のことだ。だから噂のコロッケを求めて、わざわざ遠出することになる。とは言え、嬉しいイベントの一つなのだが。
今日行った店は、家からバスで15分ほどのところにある。隣町だが一番近場の肉屋である。昼時で揚げ物の前は行列だ。もうちょっと早く来るべきだった……と思ったのも束の間、常に揚げたてが補充される時間帯でもあった。ああ、ラッキー。
実はこの店、メンチカツも絶品だ。形はコロッケよりもひとまわり小さなボール状で肉厚。ふわりとした肉だねは、噛むと肉汁を感じるほどのジューシーさ。お値段たったの120円。素朴なコロッケと1つずつおかずにすれば満腹だ。ちなみにコロッケ100円也。
もっと食べたいと思うあたりでやめておく。これが一番幸せだ。
そしてもう一件、お気に入りの肉屋がある。こちらは電車2本乗り継ぐこと30分。店の周りの会社員らが11時半くらいから並び出す。材料出尽くせばシャットアウトされる激戦肉屋だ。だから11時20分に店に着くことは必至。気合いを入れて出掛けるのもまた楽しい。
悔しいかな、揚げ物は買いだめができない。その日のうちに食べてこその美味しさだ。この店はコロッケがでかい。コショウが効いて衣のサクサク感が絶品なのだ。
私は思う。多分、日本全国の肉屋のコロッケにはそれぞれディープなファンがいると。だからコロッケはすたれない。でも肉屋がなくなればおしまいだ。コロッケだけじゃなく、牛肉や豚肉も買おうと思う。
