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疲れた日、しょぼいご飯でしみじみと。

腱鞘炎の右手をかばいながら夕飯を作った。盛り付けや見た目までに力が及ばず、夫から非難されるしょぼメシとなる。でも味はいけるし努力した自分も誇らしい。

腱鞘炎にかかってしまった。
夕べ、右手をマウスから放した途端、強ばりを感じた。手首を反らしたり内側に曲げると痛みが走る。
整形外科の帰り道、右手首のサポーターをぴしっと弾いた。いまいましい。

こんな日の夕飯は、お総菜を買って帰るか外食するかのどちらかだ。なのに手首の痛さと腕のだるさで、足が家へ家へと向いてしまった。

帰ってひと休みすると、急にお腹が減ってきた。残り物でなんとかするしかないか。そそくさとキッチンに向かう自分に、ちょっと元気が出て来たなと安堵する。

キュウリ発見。豚ミンチもある。やった! 強い味方を見つけて嬉しくなった。
まずは冷凍ご飯を解凍し、酢飯にする。キュウリを切って塩を振り、炒めた豚ミンチと一緒に混ぜ込んだ。10分ほどでキュウリとそぼろの混ぜ寿司の出来上りだ。

いよいよ最終難関の盛りつけだが、ここは無理をしたくない。ガバッと大きめのお椀に盛って終了。夕食はこの一品のみだ。いや上等上等。

「わー犬のご飯みたい」

失敬な夫が悪態をつく。この地味メシを一口食べて、真の威力を思い知れ。酢飯にコクのある豚ミンチとキュウリが相まって、箸が進むこと間違いなしだ。
しょぼくなったのは盛り付けのせい。キュウリ混ぜ寿司は悪くない。

「あ、いけるいける。これ、上に錦糸卵とか乗せたらいいんじゃない?

おのれ。右手が痛くてできないんだよ! ‥‥そうか、錦糸卵か。
心で怒りつつも美味しそうだなと妄想する。

「痛いんだったらやったのに。俺は気遣いとかできないんだからさ、言わない方が悪いよ」

夫よ、それはやさしさか身勝手か。
そんなことはどうでもいい。今はしょぼメシの美味しさにしみじみしてる。
頑張って作った自分に感謝。偉かった。よくやった! 

今度は錦糸卵を乗せて、オーバルの深皿にふわっときれいに盛りつけてやる。
一気に立派なご馳走になるからね。