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windowおじさん、AIを育てる

最近、会社でもAIを使う人が増えてきた。

議事録の要約。

資料作成。

文章のたたき台。

少し前まで「AIって何ができるの?」と言っていた人たちも、気づけば普通に使っている。

そんな中、

windowおじさんがAIを使っているという噂を聞いた。

私は少し驚いた。

あのwindowおじさんである。

TCPのwindowサイズの話になると、ホワイトボードを埋め尽くす人だ。

正直、AIとは一番遠い場所にいる人だと思っていた。

興味本位で席をのぞいてみると、確かに画面にはAIチャットが開かれていた。

windowおじさんは真剣な顔で何かを入力している。

「何してるんですか?」

と聞くと、

「教育」

と答えた。

「いや、こいつ適当なんだよ」

どうやら、うまくいっていないらしい。

AIを使っているという噂は、少し正確ではなかった。

どうやらAIと格闘しているらしい。

少し画面を見せてもらうと、

『ネットワーク性能改善のポイントを教えてください』

という質問に対して、AIはきれいな回答を並べていた。

帯域確認。

遅延確認。

ボトルネック分析。

たぶん正しい。

でもwindowおじさんは納得していない。

「浅いんだよ」

そして再び入力する。

『RTT20ms
100Gbps
TCP16セッション
windowサイズ7MBの場合』

AIが回答する。

windowおじさんが首をかしげる。

「違う違う違う」

また入力する。

AIが回答する。

「だから理論値だけ見ても意味ないんだよ」

また入力する。

AIが回答する。

「実機触ったことないだろ、お前」

私は思った。

この人、AIと揉めてる……。

しかも一方的に。

しばらくすると、

「おっ」

と声が聞こえた。

「やっと分かったか」

windowおじさんは満足そうにつぶやく。

画面を見ると、さっきまでの一般論ではなく、かなり細かい前提条件を踏まえた回答になっていた。

AIもたぶん、

windowおじさんだと気づいて回答を寄せたのだろう……。

数日後。

またwindowおじさんがAIと話していた。

いや、

話しているというより、

指導しているように見えた。

みんなAIを使っているが
AIに指導的立場で接している人は、

たぶんwindowおじさんだけだろう。

AI時代になっても、

windowおじさんは変わらない。

新しい技術が出てきても、

まず疑い、

本気で向き合い、

納得するまで付き合う。

教育されているのがAIなのか、

windowおじさんなのか、

もう誰にも分からないだろう。

きっと本人も含めて。

ゆるっと診断士視点

新しい技術が出ると、

すぐ使いこなす人が注目される。

でも組織には、

納得するまで質問をやめない人もいる。

正直、少し面倒だ。

会議も長くなる。

話も脱線する。

それでも、

そういう人がいるおかげで、

曖昧なまま進まずに済むことがある。

AIが賢くなる時代でも、

「それで本当に大丈夫?」

と聞く人は、

案外いなくならないのかもしれない。

むしろAIが賢くなるほど、

そういう人の価値は少しだけ上がるのかもしれない。

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