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北極圏で人生初のキャンプをしたおはなし

1ヶ月前の東京は猛暑だった。そんな暑さから逃げるように飛行機に乗り込み、8月5日にノルウェーの北部、トロムソで始まった留学生活。着いた日に家のオーナーから言われたのは、夏のシーズンは7月下旬で終わったよということ。留学生活1-2週目に心地よい秋の風を感じていたのも束の間、いつのまにかヒートテックとダウンを着ていて、8月30日の夜、私はついにオーロラを見ました。

オーロラが最初に見える日、現地の方々は“She is back”と叫ぶそう

いくつもの季節を足早に過ぎて、いくつものかけがいのない瞬間を経験して、人生最高の景色がどんどん更新されていくたびに、これを日本にいる家族や友人と共有できたらどんなに幸せだろうかと思います。直接見せることはできないぶん、このnoteには、読んでくれた皆さんへの日頃の感謝を詰め込んでお届けしたいと思います💌

笑いと汗と涙(?)いっぱいのキャンプ編のスタートです!

遡ること5日前

私が人生の中でバックパックを背負うなんて!の顔

トロムソには、ノルウェーの電話番号を持っているとアウトドア用品が1週間無料で借りられるレンタル屋さんが公立図書館の中に入っています。大自然と隣り合わせの街がこんなに嬉しいサービスを提供しているなんて!
まずはコンビニで電話番号だけのSIMカードを買い(半年で700円くらいだった気がする)、電話番号を入手、その後レンタル屋さんのメンバー登録を行い(これは無料!)、借りたいものを伝えます。

寝袋、寝袋のシーツ、マット、バックパックを入手。
無料レンタルじゃなかったら絶対手を出していなかっただろうなあ。

初めて背負ってみたけど、てこの原理(知らんけど)で意外と軽い。企業努力ですなあ

私はアウトドアとはかけ離れた人間で、中学校から大学までずーっと文化系の部活とサークルに所属していました。キャンプも、友達の運転でキャンピングカーに宿泊したのみで、テント泊の経験もなし。さらに小学校の頃に学校行事で登山した時は、滑ってこけて泥だらけになり、半べそで先生に付き添ってもらった記憶。何をするにもどんくさくて、超インドアタイプとして生きてきました。

そんな私がバックパックを背負って、異国の地でキャンプをするなんて!

今回はオリエンテーション初日に仲良くなったスペインからの交換留学生のグループに混ぜてもらい、必要なものなども全部彼らがリストにしてくれて、おんぶに抱っこな感じではありますが、スーパーで必要なものを買い出し、テンションがぐんぐん上がっていきました。

1日目は昼過ぎに出発、丸一日分の食料と水をスーパーで調達

キャンプ1日目、“We have two choices......”

トロムソを13時半に出発し、途中乗り換えもしながら2時間半のバスの旅。
私と、はじめましてのドイツ人の子は他のメンバーと別のバスに乗っていたのですが(同じ時間同じ方向に2本バスが出ていたため)、途中で無事合流。なんと総勢18人の大キャンプが始まりました!

世界地図で見るとこんな感じ。北極圏でキャンプします
バスから見える景色で充分満足レベルに美しい
 この街で乗り換えます。次にこのロゴを思いもよらない展開で見ることも知らずに、、
今回は半分近くの人と初対面でした

目的地、Furuflatenに着いて「これからハイキングだー!」というテンションも、バスの運転手の一言で一気に事件へと発展します。

明日はバス出ていないよ

そんなこと、ある??

私たちは1泊2日の予定で全ての荷物を調達していて、Googleマップ先生も明日のバスの予定を提示してくれていたのですが、乗り換え地点までのバスが出ていないことが判明。乗り換えて20分くらいバス乗ってたはずなんやけど。みんなに激震が走りました。

We have two choices

ここで、今回のキャンプの計画者であるスペイン人のラファからみんなにこう呼びかけられました。私たちに残されている選択肢は二つ。

①2泊3日ここでキャンプする。水とブルーベリーは無限にあるし、みんなで物品や食料をシェアすれば3日間は大丈夫。
②明日早朝に出発し、乗り換え地点まで約16キロ歩く。乗り換え地点「Lyngseidet ferjekai」までいけばトロムソまでのバスが出ている。

実は私、キャンプの翌日に借りていた家を出ていかなければいかず(どうして引越しの直前にキャンプの予定なんて入れたんだ!)、選択を迫られた時には電波が届かない場所にいたのでオーナーにも連絡できず、どう足掻いても②しか選択の余地はなかったのです。私だけだったらどうしよう、、と思っていましたが、他の多くのメンバーも2泊3日は無理、という感じだったので、6対12で2日目の予定は別れることになりました。

そんな感じで始まったキャンプ、まずは1日目の寝床に向かいます。

キャンプ経験者の心強さよ、今度ちゃんとお礼しよう

どうしたってiPhoneで撮る写真の限界があるのですが、道中の美しさといったら!
何度も足を止めて深呼吸して、自然の美しさを話しました。
木の一つ生えていないごつごつした山肌を見て、私は地球が何でできているのかを思い知った気がします。

ハイキングコースの序盤はかなり整備されていました。晴れていたので最高のキャンプ日和!

ブルーベリーを見つけては食べる、もう慣れたものです。友達から他の食べられるベリー類を教えてもらったり、松の葉を煮出したパインティーを飲んだり。普段、正直にいうとこういうことに抵抗があるのですが、人がほとんど立ち入らない大自然を見ていると、少し挑戦したい気持ちが湧いてきます。

ミルキーブルーの川。この水が海に流れた時に見えるまた違う深い青もまた美しかった。一生忘れないと思います。
どんどん奥に入っていきます
わかりづらいですが結構な高低差の道なき道を進みました
おとぎ話のような風景
放牧されている羊を発見!

テントを張ったのは、目の前に雪山が見えるロケーション。ちなみに(当然ですが)めっちゃ寒い!この日の夜の気温は4度ほどです。大学のある富山県の1月平均気温と同じくらい。そんな日の初心者キャンプ、しぬて!

火打石みたいなもので火おこしをしてくれました
少しずつ日が沈んでいきます。これは21時半ごろ
火とのコントラストが美しい。私は寒くてずっと火の近くにいたため、何度かシャンプーをした今でも髪の毛が焚き火くさいです🥹

この日のオーロラ観測可能性は80%近く。「何だかあれ、雲にしては不自然じゃない?」という誰からともなく上がった声により、みんなが一斉にスマホを向けます。

これが正真正銘人生初のオーロラでした!

肉眼では光を貯められず淡く見えるのに対して、スマホのカメラは長時間露光と画像処理で光をためて強調するため、写真の方がよりオーロラっぽさが出ます。ちなみにオーロラと意味は同じですが、ノーザンライツという表現の方がこちらではよく聞きます。

これから、きっと何度となく見られる(贅沢だ)オーロラの最初が、こんな適した場所で迎えられて本当に幸せでした。

ちなみにテントは本当に簡易的なもので、写真のタイプのものを2人でシェアしました。
マットと寝袋を使っても、やはりありえないほど寒い&痛くて、翌朝は頭がガンガンして起きました。これから7時間に及ぶハイキングが待っているというのに......。

朝の景色。本当にどこまでも美しい

急にめちゃくちゃ脱線しますが、私は広告観察が趣味で、立山黒部アルペンルートは以下のような広告を打ち出しているんですが

大変な思いをしないと感動できないと思っていませんか?

いや、観光需要があって、ルートが整備されているのも素敵だとは思うんですがね、老若男女インクルーシブに楽しめるし。それでもやっぱり大変な思いをしてみた景色は、記憶の残り方がまるで違うなと思いました。道なりはきつかったし、滑って打った太ももにはうっすら青あざが残っているけど、挑戦してたどり着いた景色には感情がこもります。

実は感動している場合ではない、2日目はただバス停を目指して

感動に浸っている場ではないのです。この日約16キロ先のバス停(最初の数キロは山道)に15:50、絶対辿り着かなければいけない12名は、朝7時半に起床。“Did you sleep well?”とそんなんNOに決まってるやないかいというお決まりのようなやりとりを(複数人と)して、8時過ぎには歩きはじめました。

きのこのかわいさすら嬉しい

とても晴れ!山と川のコントラストをどこまでも見つめていたい気持ちをグッと堪え、黙々と歩き続ける。

その甲斐あってかなり早いペースで道路に出ました
牧場を横目に、今度はアスファルトをひたすら歩く

4時間ほど歩いた時点で、ヤケになった私たちは“Just joke!!”と言いながらヒッチハイクの真似をしたのですが、なんと停まってくれる車がいるじゃありませんか!

最初の車には2人が乗り、これに味をしめた私たちは、車が通ると必死に手を👍と差し出しました。

私は実はこの日までヒッチハイクが本当に好きになれなくて。特に自分は女性だからというのもあるし、もし自分がドライバーで、乗せられないタイミングでヒッチハイカーを見かけたらきっと罪悪感が残るだろうし、全く罪はないのにそういう思いを赤の他人にさせてしまうのか、、という気持ちがあったからです。

綺麗事を言ってしまいましたが私もついにヒッチハイクに手を出してしまったわけです。世の中にはこんなに優しい人がいるのかと気づけたことと、もちろん車を出してくれた方々には本当に感謝でいっぱいです。

結局最初の車に2人、次に1人、その次に4人(私はこのタイミングで乗りました)、そして1人を乗せた車がまた戻ってきてくれて3人が乗りました。あとの2人は、、どちらもドイツ人の女の子だったのですが、歩いて帰ってきたのです!「最高の道のりだった〜」というアスリート姉さんたち、マジでかっこいいっす、、!

徒歩1時間40分、車だと5分
バスを待っている間にスーパーで買ったハンバーガーがしみる🍔物価がトロムソよりも安かった!
魚が泳いでいるのわかりますか?
疲れた足を海へ放り出す!最高!

全て歩く計算で予定を組み出発したため、2時間ほど余裕が生まれましたが、みんな疲れて直射日光の下爆睡。私もこのあと寝転がって30分ほどお昼寝したのですが、前日極寒の中キャンプし、そのあと4時間ほとんどノンストップで歩き続け、強い日差しを浴びて寝たら、それはもう頭がぐあんぐあんしてきます!風邪ひかなかっただけ奇跡です。

そしてようやくバスが来ました。
途中でバスごと船に乗り込み、海を渡ります。

こんな感じ
こちらに来てから初の船上

船の中にはコンビニもあって、ホットドッグとアイスを食べました。(つい2時間前にハンバーガーを食べたばかりなのに、、!)トロムソのコンビニよりもビッグサイズ!満足度は大きさに比例します。

そうしてバスに揺られること約1時間半。ついに戻ってきました。

やっぱり安心感のある街

この日私は橋の向こう側で最後の夜を過ごし、次の日には街の中心部に移りました。

楽しかったなあ

旅の驚きには2種類あると最近本で読みました。ひとつは全く思いもよらなかったもの、もうひとつはかつてみたことがあるもの。

大自然の冒険の中で、たくさんの新しい植物や、味や、匂い、景色に出会い、何度も感嘆しながらも、森と湖にどこか懐かしさを覚え、戻ってきたらまだ1ヶ月も経っていないこの街での平穏な日常に安堵する、そんな日々はまさに旅の中にあり、驚きの連続に満ち溢れています。

書いていたら日づけを跨いでしまいました。9月はより挑戦に溢れる月にしていきたい。これまで見たことないもの、やってこなかったこと、出会わなかったような人たちとの出会いを大切にして、心に灯る炎を絶やさず生きていきたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また次の日記でお会いしましょう☺️

留学記はこちらから▼(実は今回で20本目です!)

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