忙しい士業が抜け出せない「頑張れば何とかなる」という罠
先日、ある社労士の方とお話ししました。
開業して20年。
スタッフは一人。
長く事務所を続けてこられた、経験豊富な先生です。
ところが、話を聞いてみると、平日は終電近くまで仕事をしている。
土日もゆっくり休めるわけではありません。
家庭のことがあり、所属している団体の世話役もあり、そこに仕事まで入ってくる。
ほとんど、休む時間がありません。
「大変ですね」
そう言うと、ご本人も疲れていることは分かっています。
でも、どこかに、
「頑張れば何とかなる」
という感覚があるのです。
本人も、そうおっしゃっていました。
これが、私は一番危ないと思っています。
20年間、頑張って何とかしてきた
なぜ「頑張れば何とかなる」と思うのでしょうか。
理由は簡単です。
これまで、本当に頑張って何とかしてきたからです。
仕事が増えたら、自分が働く。
急ぎの仕事が入ったら、夜までやる。
人に任せて思うようにいかなければ、自分でやる。
頼まれたら、断らずに引き受ける。
そうやって20年間、事務所を守ってきた。
だから、
「今回も自分が頑張ればいい」
となるのです。
これは、ある意味では成功体験です。
しかし、その成功体験が、次のステージに進む邪魔をすることがあります。
忙しいのは、仕事が多いからだけではない
こういう方を見ると、
「仕事が多いから忙しい」
と思われがちです。
私は、そうは考えません。
問題は、仕事量だけではありません。
仕事が自分に集まる構造になっていることです。
スタッフがいても、最後は自分が確認する。
判断が必要な仕事は、自分に戻ってくる。
お客様から直接連絡が来る。
頼まれると断れない。
所属団体から頼まれれば、それも引き受ける。
こうなると、仕事をいくら効率化しても、なかなか楽になりません。
仕事そのものではなく、
仕事の流れを変えなければならないからです。
「自分でやった方が早い」が続いていないか
経験を積んだ人ほど、自分でやった方が早いと考えます。
これは事実です。
スタッフに説明する。
やり方を教える。
途中で確認する。
間違っていれば修正する。
そんなことをするくらいなら、
「自分でやった方が早い」
となります。
今日だけ考えれば、その通りです。
しかし、それを5年、10年続けるとどうなるでしょう。
いつまでも、自分に仕事が集中します。
そして、
経営者や所長本人だけが忙しい事務所
が出来上がります。
慢性的な疲労は、本人だけの問題ではない
長時間働いていると、
「体力の問題」
「年齢の問題」
として考えがちです。
でも私は、慢性的な疲労は、事務所経営の問題だと思っています。
疲れた状態で重要な判断をする。
細かなミスが増える。
人に対して余裕がなくなる。
新しいことを考える時間がなくなる。
そして何より、
未来について考える時間がなくなります。
忙しいから未来を考えられない。
未来を考えないから、今の仕事を全部引き受ける。
全部引き受けるから、さらに忙しくなる。
この悪循環です。
まさに、慢性疲労です。
「3年後、どうなっていたいですか?」
私は、その先生に聞きました。
「3年後、どんな働き方をしていたいですか?」
ところが、明確な答えが出てきませんでした。
私は、ここが非常に重要だと思っています。
3年後の姿が決まっていないと、
今日、何を断るべきなのかが決まりません。
何をスタッフに任せるのか。
どんな顧客と付き合うのか。
どんな仕事を増やすのか。
何をやめるのか。
すべての判断基準が曖昧になります。
だから、目の前に来た仕事を、
「とりあえずやる」
ことになるのです。
そして、とりあえず頑張った先に、同じような未来が続くだけです。
必要なのは、さらに頑張ることではない
こういう方に、
「もっと効率よく仕事をしましょう」
と言っても、あまり意味がありません。
すでに十分頑張っています。
仕事もできます。
責任感もあります。
だからこそ、仕事が集まっているのです。
必要なのは、
頑張り方を変えることです。
仕事を分解する。
自分しかできない仕事を決める。
スタッフに渡す仕事を決める。
どこまで任せるかを決める。
受ける依頼と受けない依頼を決める。
断る基準を持つ。
そして、
3年後の働き方から、今の時間の使い方を逆算する。
働き方、稼ぎ方の構造を変える。
これが時間戦略です。
「頑張れば何とかなる」は、いつまでも続かない
責任感の強い人ほど、頑張ります。
頼られる人ほど、断れません。
能力の高い人ほど、自分で処理できます。
だからこそ、気をつけなければなりません。
今まで頑張って何とかしてきた人ほど、
これからも同じ方法で何とかしようとします。
しかし、年齢も変わります。
体力も変わります。
家庭環境も変わります。
事務所の状況も変わります。
20年前と同じ働き方を、これから10年続けることはできません。
問うべきなのは、
「あと何年、この働き方を続けられるか」
ではありません。
「3年後、どんな働き方をしていたいのか」
です。
その未来を決めてから、今の仕事を見直す。
忙しい人ほど、そのための時間を最初に取る必要があります。
頑張ることをやめるのではありません。
頑張らなくても回る仕組みをつくるために、頑張る。
私は、その方向に時間を使った方がいいと思っています。
もし、あなたが今の働き方を変えて方がいいと思ったのであれば。
こちらのセミナーにお越しください。
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