第1章 頑張ると、なぜ苦しくなる?〜動脈と静脈理論〜
▶ 動脈と静脈理論シリーズ 全章はこちら(目次記事) https://note.com/takashima_time/n/n22f5a502b75a
経営には、二つの流れがある
前章で、こう言いました。
「頑張っているのに苦しいのは、能力の問題ではない。構造の問題である」
では、その構造とは何か。
ここから具体的に話します。
人間の体には、二つの血管があります。
動脈と静脈です。
動脈は、心臓から酸素を全身に送り届ける。静脈は、使われた血液を心臓に戻す。この二つが休むことなく循環して、体は生きています。
どちらが大事か、という話ではありません。両方なければ、体は機能しません。
でも、ほとんどの経営者は片方しか見ていません。
動脈だけを強くし続けている。静脈を設計していない。
これが、「頑張るほど苦しくなる」の正体です。
動脈とは何か
動脈を一言で言うと、「伸ばす力」です。
前に進む。増やす。拡大する。挑戦する。
経営における動脈は、こういう時間と行動です。
売上を伸ばす。新規顧客を獲得する。案件を増やす。SNSで発信する。人脈を広げる。紹介を依頼する。新しいサービスを作る。営業に出る。
これが全部、動脈の仕事です。
動脈の特徴は、結果が見えやすいことです。
顧客が増えた。売上が上がった。案件が取れた。数字として現れるので、達成感があります。「頑張っている」という実感も得やすい。
だから、経営者はここに時間と力を集中させます。それ自体は、間違っていません。
動脈なくして、成長はありません。
問題は、動脈だけでは持続しないことです。
静脈とは何か
静脈を一言で言うと、「整える力」です。
戻す。整理する。回復する。維持する。循環させる。
経営における静脈は、こういう時間と行動です。
戦略を立てる。振り返る。顧客を選別する。断る判断をする。仕組みを整える。任せる構造を作る。休む。感情を回復させる。人間関係を整える。時間の棚卸しをする。
これが全部、静脈の仕事です。
静脈の特徴は、結果が見えにくいことです。
戦略を立てても、今日すぐに売上は上がりません。振り返りをしても、数字には出ません。断ることで、短期的には収入が減ります。
だから、後回しになります。
「やらなければ」と思いながら、「でも今は忙しいから」とまた動脈の仕事を優先する。
この繰り返しが、静脈を止めていきます。
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