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弁護士は問題を解決する。私は、問題が起きない構造をつくる


問題を抱えたとき、人はどこを見るか

人は、大きな問題を抱えているときほど、目の前のことしか見えなくなります。

それは仕方のないことです。 痛みがあれば、その痛みをどうにかしたい。 トラブルがあれば、そのトラブルを収めたい。 火事が起きていれば、まず消すことだけを考える。

これは人間として自然な反応です。

ただ、「目の前の問題を解決すること」と「同じ問題が起きない構造をつくること」は、まったく別の仕事です。

そしてほとんどの人は、前者しかやっていない。

弁護士の仕事から考える

弁護士の仕事は、目の前で起きている問題を解決することです。

トラブルを整理し、法律に基づいて判断し、依頼者を守る。 とても大切な、社会に必要な仕事です。

依頼者が求めているのも「今困っていることを何とかしてほしい」ということです。 だから弁護士は、その問題に集中します。それが正しい。

ただ、弁護士が解決するのは「起きてしまったこと」です。

その問題がなぜ起きたのか。 同じ問題を繰り返さないためにはどうすればいいのか。 そもそも、その人の意思決定の構造やリスク管理の習慣に問題はなかったか。

そこは、弁護士の仕事の範囲外です。 依頼者も求めていないし、弁護士も踏み込まない。

これは弁護士が悪いわけではなく、役割の話です。

時間の世界も、まったく同じ構造になっている

時間の問題も、これとまったく同じです。

多くの人が抱えている悩みは、こんなものです。

  • 「忙しくて時間がない」

  • 「やることが終わらない」

  • 「仕事に追われて、自分の時間が持てない」

  • 「がんばっているのに、売上が上がらない」

これらは「症状」です。

そして、多くの時間管理の手法は、この症状に対処します。

タスクの整理術、スケジュールの組み方、優先順位のつけ方、ToDoリストの活用法。 これらはすべて、「目の前の忙しさをどう処理するか」という話です。

つまり、時間管理は「弁護士の仕事」と同じ構造です。 起きている問題を、今この瞬間に解決する。

それ自体は必要なことです。

ただ、根本の問題はそこではない。

なぜ、同じ問題が繰り返されるのか

時間管理のスキルを学んでも、なぜかまた忙しくなる。 手帳を変えても、ツールを使っても、何かが変わらない。

それには理由があります。

時間の使い方は、構造によって決まっているからです。

なぜ忙しくなったのか。 なぜ未来のための時間が取れないのか。 なぜ「大事だとわかっていること」に時間を使えないのか。

これらの答えは、スキルの中にはありません。 その人の時間の構造の中にあります。

時間の構造とは何か。

どんな仕事を、どんな順番で、どんな判断基準で引き受けているか。 誰に、どれだけの時間を使っているか。 1日の中で、どのカテゴリに時間が流れているか。

これを「設計」として見ると、ほとんどの人の時間構造には、明確なパターンがあります。

消費時間(目の前の対応・反応)が多すぎる。 未来投資時間(集客・学習・発信・関係構築)が少なすぎる。 回復時間(睡眠・休息・余白)が削られている。

この構造を変えない限り、スキルをいくら身につけても、また同じ状態に戻ります。

時間管理と時間工学の違い

ここで、私が専門にしている「時間工学」の話をします。

時間管理は、目の前の問題を解決します。 「今の忙しさをどう処理するか」がテーマです。

時間工学は、構造を見ます。 「なぜそうなっているのか」「どう設計し直すか」がテーマです。

弁護士が「起きたトラブルを解決する」なら、 時間工学は「そのトラブルが起きない体質をつくる」に近い。

医療で言えば、時間管理は対症療法で、時間工学は根本治療です。

症状を抑えることも大切です。 ただ、体質が変わらなければ、また同じ症状が出ます。

「気づいていない問題」を見ることが仕事

私が行っている仕事は、答えを与えることではありません。

本人がまだ気づいていない問題を見つけ、 考えを整理し、 視野を広げ、 一緒に時間の構造を設計し直す。

これが「人生整え業」という言葉に込めた意味です。

目の前の問題を解決するだけでなく、3年後・5年後に同じ問題で困らないための構造をつくる。

依頼者が「今すぐ何とかしたい」と思っている問題の背後に、もっと根本的な構造の問題があることが多い。

それを一緒に見る。

「目の前だけ」を解決し続けると、何が起きるか

時間の問題を、目の前の処理だけで対処し続けるとどうなるか。

毎日がタスクの消化で終わります。 いつも何かに追われている感覚が続きます。 「大事なこと」に手をつける余裕が生まれません。

5年後も、同じことをやっています。

これは能力の問題ではありません。構造の問題です。

時間の構造が変わらない限り、どれだけ努力しても、どれだけスキルを身につけても、同じパターンが繰り返されます。

構造を変えると、何が変わるか

時間の構造を設計し直した人に、共通して起きることがあります。

「なぜかやることが減った気がする」 「焦りが減って、考える時間が増えた」 「同じ仕事量なのに、売上が上がり始めた」

これは偶然ではありません。

未来投資時間が増えると、仕事の質が変わります。 回復時間が確保されると、判断の精度が上がります。 消費時間の構造が変わると、反応ではなく設計で動けるようになります。

時間の使い方が変わると、出る結果が変わる。 それが時間工学の基本です。

まとめ

人は問題を抱えると、目の前の解決策を求めます。 それは正しい。

ただ、同じ問題を繰り返さないためには、構造を変える必要があります。

弁護士が「起きたこと」を解決するように、 時間管理は「今の忙しさ」を処理します。

時間工学は、そこから一歩引いて、構造そのものを見ます。

なぜそうなったのか。 どう設計し直せば、同じことが起きなくなるのか。 3年後・5年後に、どんな時間の使い方をしていたいのか。

目の前を解決しながら、未来を設計する。 それが、私の考える時間工学の仕事です。

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