【真夜中のスパルタ・トレーニング!】『Lilith’s 月夜のミッドナイト・チェンジ!🌙』 第2夜★小悪魔スポーツウェアで大暴れ♡
私と一緒に体を鍛える準備はできてる?
アタシについてこられるか、試してあげる!

――そして曲が終わっても、今夜のリリスは終わらない。
曲の激しいラストスパートが終わり、ジムのスピーカーからアウトロが静かに消えていく。
「ふぅ……今夜のミッドナイト・チェンジも、最高に激しかったねっ!」
スポーティーなパーカーを脱ぎ捨て、首に巻いたタオルで汗を拭うリリス。
その視線の先には――

漆黒のレザーと鎖をまとったまま、息一つ乱さずに立つ凄腕ギタリスト・OYAKATA。

そして、両手にスティックを握りしめた孤高のドラマー・Valcus。
「……なぁリリス。曲が終わったなら、俺はそろそろ地下の秘密基地に戻るぞ」
重厚なギターを背負い直し、クールに立ち去ろうとするOYAKATA。
「オレもだ。次のライブに向けてドラムの調整がある」
Valcusも踵を返す。
その瞬間――
「ちょっと待ったぁぁぁーーーっ!!!」
キーーーン!
リリスの叫び声が深夜のジムいっぱいに響き渡り、2人の足がぴたりと止まった。
リリスは両手を腰に当て、ちっちゃな体をいっぱいに使って2人の前に立ちはだかる。
「まだ帰さないんだから♡……って、曲の最後に歌ったでしょ!?」
ニヤリ。
小悪魔の笑みが浮かぶ。
「今夜のミッドナイト・チェンジは、スポーツウェア!」
ビシッ! と2人を指差した。
「つまり――トレーニングの時間なの!」
「……は?」
Valcusがポカンとする。
「リリス。俺たちはいつでもステージの上で完璧な肉体を作り上げている。今さらこのような場所で――」
困惑気味に胸筋を誇示するOYAKATA。
だが。
リリスは首から下げたホイッスルを口にくわえ――
「ピーーーッ!!」
容赦なく鳴らした。
「甘〜い! 音楽のキレは、普段使わない筋肉の体幹から!」
「はい、そこ! ステージ衣装の革パンツが重いとか言い訳しない!」
「OYAKATA! まずはスクワット100回!」
そして満面の笑みで付け加える。
「フォームを崩したら最初からやり直しだからね♡」
「100回だと……?」
OYAKATAの眉がぴくりと動いた。
しかし、やる。
真面目にやる。
重厚なトゲトゲの衣装を着たまま、ゆっくり腰を落としていく。
「……1……2……3……」
ジャラ……。
ジャラ……。
スクワットのたびにチェーンが揺れる。
「くっ……! この革とチェーンの装飾が地味に重い……!」
「ほらOYAKATA! 胸張って! 膝だけで動かない! ちゃんとお尻も使う!」
「……待て」
OYAKATAがスクワットを止めた。
「なんでお前は急に指導だけ妙に具体的なんだ?」
「鬼コーチだから♡」
「そんな理由があるか!」
その横でValcusが鼻で笑った。
「フッ……情けないな、OYAKATA」
その瞬間。
リリスの視線がギラリと光った。
「……Valcus?」
「…………」
「人のこと笑ってる暇、あるんだ?」
「…………しまった」
ピーーーッ!!
「Valcus! スティックを持ったままジャブ&フック!」
「手首のスナップをきかせて――ハイ! 1、2! 1、2!」
「……クソっ、なぜオレがこんな小娘の指示に従わねばならんのだ……!」
シュッ!
シュッ!
文句とは裏腹に、空気を切り裂く鋭いパンチ。
「速っ!」
一瞬驚いたリリスだったが、すぐに鬼コーチの顔へ戻る。
「でもまだまだぁ!」
「1、2!」
シュッ! シュッ!
「1、2!」
シュッ! シュッ!
「もっと速く!」
「無茶を言うな!」
「口動かす元気があるなら、あと10回追加ね♡」
「なっ――!?」
その横では、OYAKATAのチェーンがまだジャラジャラ鳴っている。
「……47……48……」
「OYAKATA! 止まってる!」
「止まっていない!」
「はい! 2人ともラストスパート!」
リリスは満足そうに腰へ手を当てた。
「よしよしっ、いい感じ♡」
そして――ニヤリ。
「サボったら、リリスの激しい重低音ベースをお見舞いしちゃうぞ!」
「それはトレーニングなのか……?」
「知らん。もう考えるな、OYAKATA」
満月が輝く深夜のトレーニングルーム。
スポーティーでキュートな「鬼コーチ・リリス」のホイッスルが鳴り響く。
ピーーーッ!
「ほらほら! ラスト1セット!」
汗だくの2人へ、リリスは満面の笑みを向けた。
「頑張ったご褒美に、あとで特製プロテイン作ってあげるからねっ♡」
「……本当にこれで最後なんだろうな?」
OYAKATAが疑いの目を向ける。
「もちろん♡」
リリスは笑った。
とびっきり可愛く。
そして、とびっきり怪しく。
漆黒の戦士2人は、まだ知らない。
「ラスト1セット」という言葉を、この小悪魔が本当に守るはずなどないことを――。
「……よくできました♡」
「じゃあ――」
「もう1セット♪」
こうして漆黒の戦士2人の熱い真夜中トレは、朝まで続くのであった――。

See you next Saturday, 23:00.
