「東大ですら赤字、日本の大学は大丈夫?」と聞かれたら―過去最高益の大学ファンドは救世主になれるか
日銀出身・東大数学博士・元野村チーフ金利ストラテジスト。日経ヴェリタスのアナリストランキングで、史上初の2部門3位(債券・証券化)。銀行員・証券マンが顧客トークや社内プレゼンでそのまま使える「金融の本質」を、機関投資家への年400回の提案経験をもとに噛み砕いてお届けします。過去記事はメンバーシップ限定で全公開中(無料記事は公開2日後にメンバー限定に移行)。
「東大ですら赤字、日本の大学は大丈夫でしょうか?」
もし顧客にこう聞かれたら、あなたは何と答えますか。
日本経済新聞は8月7日、東京大学が2026年度に2年連続の最終赤字になる見通しだと報じました。
2年連続の赤字は2004年の国立大学法人化以降で初めて。人件費や実験機器の価格上昇が響き、繰越金は数年で枯渇する見込みだといいます(出所:日本経済新聞)。
日本の頂点である東大でこの状況です。運営費交付金は法人化以降ずっと減り続け、収入の大半を国費に頼る構造は多くの国立大学に共通します。物価高と人件費上昇が、その脆さを一気に表面化させました。
ただ、諦める話ではありません。この構造的な財源不足を埋めるために作られた仕組みがあります。「10兆円大学ファンド」です。
そして2025年度、大学ファンドは運用開始以来の最高益を出しました。
この記事では、大学ファンドがこの赤字を埋める支えになり得るのかを、GPIFと比べながら、原資・成績・資金用途の面から整理します。
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