最初期の写真技術・カロタイプ
デジタルカメラやスマートフォンが普及して、誰もがシャッターボタンさえ押せば、いつでもどこでも簡単に綺麗な写真を撮ることができる時代になりました。
キヤノンやニコン、ソニー、富士フイルムなど各社から新技術を搭載したモデルが次々と発売されていますが、
「昔の人は、どんなカメラで、どんな風に撮影していたのだろう」
そんな関心から、私の興味はどんどん古いカメラ、古い写真技術に移っていきました。
そして行き着いたのが、「カロタイプ」です。
■世界発の写真集は「カロタイプ」
カロタイプ(Calotype)は、1938年に英国のウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットが発明した写真技術です。
紙にヨウ化銀液を塗布し、没食子酸の現像液で現像してネガを得るというもので、現在の写真フィルムのネガポジ法の元祖とも言えます。
同時期には、銀板に直接ポジ画像を得るダゲレオタイプも発明されました。タルボットはダゲレオタイプの発明より前にカロタイプ(初期はフォトジェニック・ドローイングと呼んでいた)を開発していましたが、発表がダゲレオタイプよりも後だったので、一般に写真の元祖はダゲレオタイプと言われています。
カロタイプは媒体として使う紙の繊維によって、ダゲレオタイプより解像度が低いという弱点がある一方、ネガポジ法による複製ができる点が最大のポイントでした。これにより、タルボットは世界初の写真集と言われる「Pencil of Nature(自然の鉛筆)」を発行しています。
■フィルム写真の基礎に
そして、ネガポジ法。すなわち色が反転したネガティブイメージを得て、その後、焼き付け(プリント)によって正しい色の画像(ポジティブイメージ)を得る工程は、その後の写真の発展には欠かせない、現代まで続く基礎になっています。
最近でも、古典写真技術を実践しているフォトグラファーが世界各地にいますが、多くがガラス湿板やダゲレオタイプです。それらの写真の鮮明さと美しさは、非常にすばらしく、見る者を圧倒してくれます。
それに比べれば、カロタイプは鮮明さでは劣り、ガラスや銀板ではなく紙であるため印象はそこまで強くありません。正直、地味でしょう。
それでも、自己紹介の文でも書きましたが、まるでデッサンのような描写は独特で、味のあるものだと私は考えています。

