写真発明200周年
目の前にある風景を切り取る「写真」。デジカメだけでなく、スマホにも高品質なカメラが搭載される現代は、誰もがいつでも、どこでも、自由に写真撮影を楽しめます。
そんな写真ですが、実は発明から200年を迎えたことをご存じでしょうか?
今回は、そんな写真の起源について、触れてみたいと思います。
■風景を「とどめたい」という思い
初めての「写真」は、フランスの科学者であるジョセフ・ニセフォール・ニエプスによって撮影されました。現存する最も古い写真は、1825年に撮影された『Un cheval et son conducteur』(馬引く男)というもので、版画を撮影したものとされています。
ニエプスは当時流行していた化学反応を利用したリトグラフ(石版印刷)という技術に目を付け、「光によって描かれた風景を化学的に定着させることができるのではないか」と考えました。そして、アスファルトの一種・土瀝青を使って、銀板に画像を定着させる方法を生み出します。これを「ヘリオグラフィ(太陽刻写法)」と呼びました。
ヘリオグラフィを発明する以前にも、ニエプスは紙に光が映す風景を描くいくつかの方法を開発したそうですが、それらは定着されず、すぐに消えてしまったそうです。現代の写真フィルムも、現像前に光にさらされると撮影された画像(潜像)が消えてしまいますが、それと似ていますね。
■「ル・グラの窓からの眺め」
ニエプスの撮影した写真の中で、最も有名なのは、1826または1827年に自宅からの風景を撮影した「Point de vue du Gras(ル・グラの窓からの眺め)」です。露光時間は8時間とも20時間とも、数日とも言われています。この写真は、米テキサス州オースティンにあるHarry Ransom Centerで見ることができます。
そして、この写真が、カメラによって撮影された初めての写真とも言われています。
ニエプスがル・グラの窓からの眺めを撮影した場所は、ブルゴーニュ・ソーヌ・エ・ロワール県のサン・ルー・ド・ヴァレンヌという町の自宅で、ニエプスの家(ニエプスミュージアム)として一般公開されています。
写真の歴史に興味がある方は、フランスを訪れた際に訪ねてみるのもいいかもしれませんね。
■ニエプスからダゲールへ
ニエプスによって世界に産声を上げた写真。次の課題は、長すぎる露光時間を以下に短縮するか、でした。数時間~数日の露光では、実用性には程遠いですからね。
ところが、ニエプスはル・グラの窓からの眺めを撮影した6年後の1833年に亡くなってしまいます。ニエプスの死後は、1829年から共同研究をしていたルイ・ジャック・マンデ・ダゲールが引き継ぐことになります。
ダゲール。彼が発明したのが、後に写真の普及を一気に広めることになる「ダゲレオタイプ」です。
次回は、そのダゲレオタイプについて細かく触れたいと思います。
