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泣くほど感謝されたあの日のこと

朝のバイト帰り、お台場を歩いている時のことだった。

「どうしよう」

心の中で迷う。

歩道橋を歩いていると、階段下の案内板の前で6人の外国人が立っていた。

明らかに迷っている。

だいぶ歳もとっているように見えたのでスマホの地図じゃ難しいのかもしれない。

話しかけて、道案内をするか?
いやでも、そもそも自分の英語が通じるのか?

なんて言えばいいんだろう。

知らない人に話しかけるのも緊張するのに。

でも・・・


ここで勇気を出せなかったら、なんか負ける気がした。

階段を降りて、一人の女性に話しかける。

Can I help you? (何か困ってますか)
You look lost. (道に迷ってるように見えます)

すると、英語で返してくれたのだが、速すぎてなに言ってるか全然聞き取れなかったが、「station」という単語だけ聞こえたので、駅に行きたいんだなとわかった。

自分も駅に行くから、一緒に来るように言うと、ついてきてくれた。


駅に着くまで、わからないなりに英語で会話をした。

話によると、彼らはアメリカから来たらしく、それもクルーズ船で世界中を旅行している最中だという。

船でやってきたからお台場にいたのかと納得がいった。


駅に着くと、今度は切符の買い方がわからないと思ったので、行き先を聞いて、代わりに切符を買ってあげた。

自分の家と方面が同じだったため、一緒に電車に乗る。

この調子だと乗り換えでも苦労しそうだなと思った。

特に予定もない日だったので、「今日一日空いてるから付き合わせてよ」と言うと、喜んでくれた。


まずは銀座で買い物したいとのことだったので銀座へ向かう。

初めて銀座に行ったけど、ハイブランドの店が多くて手を出せる価格帯じゃなかった。

そのことを伝えると、「私にとっても高すぎよ」と言われ、

てっきり爆買いしていくものかと思っていたからホッとした。


次に向かったのは皇居。銀座から20分ほど歩いて行ったので、みんなヘトヘトだった。それでも年齢の割に体力はかなりある方だ。

皇居の外までは来たことがあったけれど、中には入ったことがなかった。一緒に入ろうと言われたので、1時間ほど外で待つことに。

真夏日だったこともあり、とても暑い。


待っている間に一人の女性から、

「あなたはツアーガイドが向いている」と言われた。

「自分は英語もできないし、向いてないと思う。」

そう返すと、「あなたの英語はグッドだし、案内もちゃんとできてるわ」と励ましてくれた。

あのときから、英語に少しだけ自信が持てるようになった。


仕事の話の一環でみんなの職業を聞いたが、一人は弁護士事務所をやっていて、他の人の内容は忘れてしまった。


色々話してるうちに時間が経ち、やっと自分たちが皇居に入れる番になった。

最初は室内で皇居の歴史や見どころの解説を日本語と英語でされた。

そのとき、一緒にいた2人の女性からメアドと住所を書かれた紙を渡され、

「アメリカ来るときは、連絡してね!歓迎するわ!」

みたいなことを言われた。

結局、文字がよく読めなくて連絡はできなかったのだけれど笑


その後、外に出て、実際に皇居の建物をいくつか見た。

二重橋

1時間ほどの皇居ツアーが終わると、次は渋谷に行くことになった。

半蔵門線で向かい、電車の中で話をする。

やはり言ってることの4分の1くらいしか聞き取れない。

会話の流れは掴めなかったが、みんなが急に財布からお金を取り出し、

Thank you!

とみんなが言ってくれ、お札と小銭をいただいた。

声が大きかったから車内で少し注目を浴びた。

ちょっぴり恥ずかしかった。

はじめてチップをもらえたこと、そして感謝されたことが何より嬉しかった。


渋谷駅に着くと、お腹が空いていたので飲食店を探すことになった。でも、彼らは外国人だし、好みやアレルギーなどわからなかった。

どの店を提案しても、誰かしらが反対していたので、なかなか決まらない。

一人だけ鳥が食べられない人がいたけれど、鳥貴族へ行くことに。

そこで驚いたことがあった。

彼らが箸をちゃんと使えていたのだ。自分なんて正しい箸の持ち方をするのに数年かかったというのに、自然に使えていてすごい・・。

それだけでなく、ご飯に箸を縦に突き刺すことがマナー違反であることを他の人にも説明していた。ちゃんと文化を知っているんだと感心した。


鳥貴族を出ると、そろそろ帰りの船の出発時間が迫っているから別れることになった。タクシーを停めて、運転手に行き先を告げる。

一緒にいたうちの一人の女性が泣きながらお礼を言ってくれた。自分のしたことで人が嬉し泣きをしてくれるなんて初めての経験だ。

「やってよかったな」

そう思えた。


帰り際に、渋谷駅の外貨両替ができるところで、さっきもらったお金を渡したら、1万3000円を受け取った。

え、そんなにもらってよかったの!?

と舞い上がり、自分の働きが認められたのが嬉しくてたまらなかった。


得たお金は大金だったけど、この経験の方がずっと価値が高いと思った。

一生語れる財産だし、何より外国人と話せる自信がついた。

はじめはどうなるか予想もつかなかった。たった一声かけたのがきっかけで、感謝をされ、お金もいただいた。

いつかまたどこかで出会ったら、「ありがとう」と言いたい。



今回はレンタル無職ズボラさんと瀬戸内note研究所さんの、noteコンテスト「#はじめてのお金」に挑戦させていただきました。

人生ではじめて手にしたお金にまつわる話が今回のテーマとなっています。5/17 23:59締切なので、チャレンジしたい方はお早めに!

テーマを聞いたとき、真っ先に浮かんだのがこの思い出でした。自分の力でゼロからお金を稼いだ感覚があり、終わった時にとても達成感があったのを覚えています。

良い思い出を振り返るきっかけを与えてくださり、ありがとうございます!


読んでくださりありがとうございました。
たけち(@takecheee_)でした!

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