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上司と部下の板挟み。40代中間管理職のジレンマは相手軸の考え方になってませんか?

2024年8月よりトラストコーチングを学んで日常に活かすための実験と検証を繰り返しています。
「怒る」ことが極端に減った経験を踏まえて、自分の心に「凪」を創るヒントや気づきに繋がる視点をお届けしています

今日も、誰かの代わりに謝った

朝イチで部長から呼ばれました。

「あなたが率いるチームの進捗、
なんで遅れてるんだ」

あなたは
「現場が想定より工数を取られていて……」
と説明しようとしたけど、途中で遮られた。

「言い訳はいい。来週までに巻き返せ」

デスクに戻る足が重かった。

午後、その「巻き返せ」を
部下に伝えなければならない。
自分は既に残業続きで、
顔に疲労が滲んでいる。

「また無茶言われましたよね」

と部下に苦笑いされたとき、
あなたは何と返しましたか。

「まあ……うまくやろう」

とだけ言って、それ以上は何も言えなかった。
そういうことではありませんか。

上には逆らえない。
部下には本音を言えない。

その夜、帰りの電車で
ぼんやりスマホを見ながら、
「俺、何やってんだろ」
と思った。

怒りなのか、
虚しさなのか、
自分でもよくわからない感情が、
胸の奥でくすぶっていた。

この感覚、心当たりがありませんか。

一歩引いて気づいてほしいこと

「板挟み」という言葉を、
あなたはどんな感覚で使っていますか。

上が押してくる。
下が押し返す。
自分はその間に挟まれている。

そう感じているとき、
あなたの視点は
「上司」と「部下」の
両方に向いています。

上は何を言うか。
部下はどう反応するか。
常に相手の出方を読みながら、
自分の立ち位置を決めている。

これは極めて相手軸の状態です。

「板挟みにされている」
という感覚そのものが、
既に主観です。

客観的に見れば、
あなたは上司でも部下でもない、
一人の人間としてその場に存在しているだけです。
でも、「板挟み」という
フィルターをかけた瞬間に、
あなたは受け身の構造の中に
自分を閉じ込めてしまっています。

感情が消耗するのは、
状況が理不尽だからではなく、
自分の視点が常に外側に
向いているから
かもしれません。

あなたの「当たり前」を、一度疑ってみてください

ここで3つ、問いを投げさせてください。

問い①(自分軸を取り戻す問い)
今この場面で、
「上司でも部下でもない、自分」
として判断するとしたら、
あなたは何を一番大切にしたいですか。

問い②(「逆らえない」を解体する問い)
あなたが「逆らえない」と感じているとき、
それは本当に「逆らえない状況」なのでしょうか。
それとも、「逆らったら何かを失う」
という自分自身の判断が、
そう感じさせているのでしょうか。

問い③(聴き方のフィルターを問う問い)
部下の不満を聞いているとき、
あなたは
「この状況を何とかしなければ」
と考えていますか。
それとも、
「この人はいま、何を一番大切にしているから、
そう感じているのか」を知ろうとしていますか。

フィルターが変わると、同じ場面が別の場面になる

問い①の意図——「自分」を主語に戻す

「板挟み」という感覚の正体は、
自分が主語になっていないことにあります。
上司の顔色、
部下の反応、
場の空気。
すべて他者が主語になっていて、
あなた自身の
「何を大切にしたいか」は、
後回しになっている。

「自分として、何を大切にしたいか」
という問いを持った瞬間、
視点が外側から内側に戻ってきます。
これが自分軸を取り戻す起点です。
答えが出なくても構いません。
その問いを持てたかどうかが、
すでに変化の始まりです。

問い②の意図——主体の所在を確認する

「逆らえない」という言葉を使うとき、
あなたはすでに自分を"従う側"に置いています。
そのフィルターのまま場に立つと、
上司の言葉はすべて「命令」に見え、
自分の言葉はすべて「言い訳」になります。

でも「これは自分の判断だ」
というフィルターに切り替えると、
何かが変わります。
「無理です」ではなく
「この工数なら、この期日が現実的です」
と数字で話せる。
主体が自分の内側に戻ってくるのです。

自らの手で静寂をたぐり寄せるというのは、
外の嵐を止めることではありません。
自分がどこに立つかを、自分で選ぶことです。
それだけで、内面と外界の摩擦は確実に減ります。

問い③の意図——聴き方が変わると、相手が変わって見える

「何とかしなければ」
という思いで話を聞くとき、
あなたの頭は解決策を探すことに向いています。
相手の言葉は「処理すべき問題」
として入ってくるため、
聞いている間もずっと焦っている。

「この人が大切にしているものは何か」
という問いを持って聞くと、
まったく違うものが見えてきます。
不満を言い続けている部下が、
実は誰よりも仕事の品質に
こだわっているとか、
チームへの責任感が人一倍強いとか。
そういう事実が、言葉の奥から出てきます。

感情をぶつけてくる相手が、
急に「一番まじめに働いている人」
に見える瞬間があります。
そのとき、あなたの中の余計な摩擦は、
音を立てずに消えていきます。

「何とかしなければ」から抜けた先にある日常

フィルターが変わると、
こういうことが起きます。

部長から無理な指示が来たとき、
胃が痛くなる前に
「自分として何を大切にするか」
を先に決められる。
田村さんが不満を言っているとき、
その奥にある
「品質へのこだわり」を受け取って、
「あなたのその感覚、正しいと思う」
と言える。
帰りの電車で
「俺、何やってんだろ」ではなく、
「今日、自分の言葉で話せた」と思える。

「板挟み」という構造は、
外からは変わらないように見えます。
でも、その構造に主観的に
閉じ込められていた自分に気づいた瞬間、
あなたはもうその構造の外に出ています。

トラストコーチングを学ぶとは、
人を動かすテクニックを
得ることではありません。
自分の視点がどこに向いているかを、
自分でモニタリングできるようになること
です。
それが、相手軸から自分軸へ戻る、最初の一歩です。

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