人間の価値をデザインする役割を持つ人材「Human Value Designer[H V D]」
私が独自の人工知能(以下AI)研究をスタートさせたのが2006年〜2008年の大学院1年生の時でした。
研究といっても、エンジニアはまずAIに代替される職能だし、技術論や仕組みの研究をするには情報が乏しかったため、まずは人工知能が社会実装された世界を想定した時に起こりうる現象や人間が置かれる状況について、自分自身がAIになってみる試み(建築修士論文・修士制作提出)や有識者との議論の中で、人間がどのように生き残っていけるのか、AIと共存していけるのかを検証し続けてきました。
2016年に開催された若手建築家の展覧会では「無意識へのシナリオ-人間とテクノロジーの共存方法を考えるための思考-」という論考を発表。
極論、AIは人間を超えることは間違いありませんし、よく言われるシンギュラリティ、AIが人間の知能を超える変革点、またはその変革点によって起こる変化の時代を迎えれば、人間の可能性を模索すること自体がバカバカしいことなのかもしれません。
しかし、このままAIに自分自身や次世代の人生を預けてしまうことがいいことなのか、今でも悩み続けています。
ソフトバンクの孫正義氏やAI研究に携わる方々は、AIは人間に幸せをもたらすと考えています。
そうかもしれません。
しかし、人間が幸せを願って作り出してきたモノたちが、ただ単純に幸せだけを運んできてくれた例を私は知りません。
車、ダイナマイト、原子力や核融合、確かに人間に幸せをもたらせてはいますが、不幸もまた表裏一体です。
AIがもたらす幸せはなんとなく想像できますが、不幸に関して想像してみると、それは人間の存在価値の喪失にまで及びます。
であれば、馬鹿馬鹿しくても、今からAIへのリスクヘッジをしておくのも重要なことだと考えています。
私たちはこの100年の間に、制御不能な価値に対して、どのような準備が必要なのかを学んできたはずなのです。
Human Value Designer[H V D]という職能
Human Value Designer、ChatGPTによれば「人間の価値をデザインする役割を持つ人材」と訳せるそうです。悪くはありません。
しかし、私はAIの存在や価値を否定して、人間の価値をデザインしたいという思想を持っているわけではありません。私自身もそうですし、関連企業などではどんどん生成AIを活用し、業務に組み込んでいます。
AIの進化や人間社会への介入は誰にも止められないものだと確信もしています。
しかし、その中でも人間の価値をどう残していくのか。AIに多くが代替され、やれることがなくなって、なぜ人は生きているのかなど禅問答をしたり、不安になるような世界をただ待つのではなく、AIがさらなる進化を遂げるまでにできる「人間投資」を進めていきたいと考え、2008年から活動を続けてきました。
そして本当にAIが人間を超えた時(すでに超えている領域もあるはずです)、AIから頼み事をされたり、時にはAIが介入できない領域を創造しておくことを目指す人材をHuman Value Designerと呼ぶことにしました。
そんなことが可能なのか。もしかしたらかなり難しいことかもしれませんが、いくつかその可能性について言及したnoteも開設しています。
AIにできないことを実行しておく
この記事は、タイムスリップはAIにもできないと想定し、過去には戻れないとするならば、いくらAIが素晴らしい100年前の陶器を作っても、それはレプリカだったり、復刻版となり、100年という時間を内包した価値はAIにも代替できない、という考え方を示したものです。
これはもしかすると物だけでなく、サービスや人間関係にも代用できるかもしれません。
例えば、将棋のように人間はAIに勝てないけれど、将棋人気はなくなりませんでした(将棋はAIに勝った)。将棋という、競技を超えた人間模様や歴史、伝統にも価値があり、"人間による将棋"を人が選んだ事実のような、人間だからこそ生み出せる価値をどんどん作っていくことを模索しています。
その他にも2018年に書いた記事にもそのヒントはあります。
私は2006年から大切にしている言葉があります。
人間とテクノロジーに境界線を意識する
次世代に何を残すか
人間とテクノロジーに境界線を意識する、はここまでテクノロジーが介入したら人間には何もできない領域をビジネスにしておくことです。
2006年から研究を続けてきたことで、AIとの共存を可能にする可能性のある考え方や行動結果を弊社の資産とし、その知見と現在の生成AIを駆使したビジネスを、Human Value Designerとして今後も展開したいと考えています。
お問い合わせ先
yoshifumi.takehana@crazytank2022.com
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