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mido0426
習作 三題噺『秘密基地の思い出』 2025/09/25
『秘密基地の思い出』
この家には、父子だけが知る秘密基地がある。
祖父から受け継がれてきた、屋根裏の小さな図書館だ。
親子三代、それぞれお気に入りの本をコツコツと持ち寄り、少しずつ大きくなっていった。
子どもの頃は毎日のように、大人になってからも時折この図書館にやってきて、懐かしい思い出や新しい仲間に挨拶している。
ついつい長居してしまう場所だが、忘れんぼうの時計が時たま時間を教えてくれる。
昔はきっといつも時間を教えてくれていたのだろうが、最近は彼も気まぐれになったようだ。
子どもの頃にはお菓子やジュースを持ち込んで、自分だけの賑やかなパーティを催したこともあった。あの頃から気まぐれだっただろうか。
そういえば近頃はもっぱらアルコールを持ち込んでいる。彼も自分と共に酔っているのかもしれない。
そんなことを考えながら、そっとページを捲りつつハイボールを傾ける。
割り材として持ってきたソーダ水のなかの月が、窓辺で静かに微笑んでいた。
本日のお題
🍊第15回 3つのお題
🎈お題①:「忘れんぼうの時計」
🐾お題②:「ソーダ水のなかの月」
⏳お題③:「屋根裏の小さな図書館」
