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2日分の記録(長いかも)

なつやすみ始まる

七月某日
遅番が続く。灰色の疲れが雪のように内側に積もっている。
膝がパンパンに腫れ上がってきた。少し動かすと内側から押されている感じがする。つんと針を刺すと、たくさんの小さなわたしが「わー」と叫びながら出てきそう。
夏休みが始まった。

(きょうの素敵なしつもん)
・サメには心臓があるのかな?
残念ながらすぐに出せる子どもの本には「心臓」が掲載されているものがない。大人用の本を開く。
サメは二心房だということがわかる。

・うさぎの骨格がのってるほん
・関東の海苔巻きと関西の海苔巻きは具がちがうのか

午後ずっと同じ席で、ドリルのマスを埋めている子がいる。少し傾いだうなじの毛がくるんと丸まっていた。

近所にできた新築の家にはカーテンがかかっていない。
モデルルームみたいなリビングの真ん中に座卓があって、その奥に対面式のキッチンがある。壁は真っ白で、床の木材はテカテカと光っている。左側の小窓の上には黒くて丸い時計がかけてある。反対側の壁に大きなテレビが設置してある。
何度もそこを通るので家の間取りを覚えてしまう。
今日は、明々と電気がついていて、テカテカした床にテレビの残像が映り込んでいる。住人はトイレにでも行ったのだろうか?ひとりもいなかった。

K氏は繁忙期に突入したらしい。また帰宅していなかった。家に明かりがついていなかった。
猫は降りてこない。エアコンをつけっぱなしの二階にあがると、一番いい風があたる場所に猫は寝そべっていて「なんだよ…」という顔をされる。
足がむくみと腫れが重なって歩くたびにひっぱられている感じがする。
明日は病院に行くことと自分に言い聞かせて、枕の上に足を乗せて寝る。

御免被りたい

七月某日
足の腫れ具合は昨日と同じ。

初回に行った、話し方に特徴のある先生のいる近所の整形外科に行く。
「えええと、その後いかがですか?MRI、ととりましたか?」
「異常はなかったんですけど、腫れが(と膝を見せる)」
「お水ぬきましょうかね」
ベッドに寝ると、先生はMRIを撮ったときに水を抜くべきだった、痛かろうに、その時処置するべきだとぶつぶつぶつぶつ話す。誰も相槌を打たない。お経のように診察室にもにゃもにゃが響く。
かなり痛い。ひたいの際から脂みたいな搾り滓がじわっじわと出てくる感じがする。「はい、息して〜、はいて〜すって〜」という看護婦さんの声が頭の上の方から聞こえる。お経はまだ続いている。
「はいいい、おわりました。立ってよろしいですよお」と言われたが、全く膝に力が入らない。両手でいろんなところを掴んでやっと診察室を出る。
しばらく待合いで休んでから帰宅。「なんか、しおしおになってるよ。痛かった?大丈夫?」とK氏が言う。

昼 K氏が卵の焼き飯を作ってくれた、白菜スープ残り。

午後はエアコンの効いた部屋で、泥に潜るムツゴロウになった気分で寝る。

夜 エリンギを焼いた、トマトを切る、イカの唐揚げ、トマトのパスタ(モッツァレラチーズ)

先日ひとりで美味しいものを食べてきた話をした。鹿肉を食べに行ったと言うまでは「えーずるいぃ」という表情だったのに「鹿肉」という単語が入った途端「へぇぇ」に変わる。その顔を見ながらエリンギをガシガシと噛んだ。
水を抜いて二回りほど小さくなった右の膝に黒いサポーターをゆっくりゆっくり巻く。

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