開拓ノート#40「AIに選ばれなければ存在しない」。僕が恥を捨てて『AI竹下』として毎日発信する理由
ある日、AIに「中標津の美味しいランチを教えて」と聞いてみた。すると、出てきた答えは「花まる」と「そら」のたった2軒だった。もちろん両方とも間違いない名店だが、この町には他にも美味しいお店がたくさんある。それなのに、AIの回答には一切出てこなかった。
これからの時代、旅行の計画やお店選びをお客さんの代わりにAIエージェントが行うようになれば、AIに提案されなかった店は「存在しないのと同じ」になってしまう。自分で検索する時代から、「BtoA(Business to Agent)」へと、情報と出会う入り口が完全に変わったのだ。
この強烈な危機感から、僕は自分たちの発信を根本から見直すことにした。AIエージェントに正しく選ばれるためには、大きく3つの重要なポイントがある。
第一に、基礎情報の徹底的な言語化だ。うちの宿のホームページを見直すと、「中標津空港から何分か」「知床からどれくらいの距離か」といった一番基礎的な情報がテキストで書かれていなかった。これでは、知床周辺で宿を探している人に対して、AIがうちを推薦できるはずがない。
第二に、情報が日々動いているという「ライブ感」だ。AIは日々進化しており、更新の止まった古い情報よりも、現在進行形で更新されている生きた情報を評価するようになる。だからこそ、noteのようなオウンドメディアで継続的に発信することが最強の対策になる。
第三に、そしてこれが一番重要なのだが、「なぜやるのか」という泥臭い一次情報と思想の蓄積だ。
とはいえ、僕は文章を書くのが得意ではないし、毎日の発信には恥ずかしさもあった。そこで行き着いたのが、AIを活用した「AI竹下」としての発信だ。過去6年間の取材記事やブランドブック、日々の会議の文字起こしなどをすべてGoogleの「NotebookLM」に読み込ませることで、僕の思考を学習させたデータ群を作り上げた。
もちろんAIに丸投げするわけではない。「明日はこういうテーマでいく」と僕が問いを投げかけ、AIと対話しながら現場の熱量を肉付けしていく。この共創プロセスにより、これまでは外注したり膨大な時間をかけていた記事が、わずか30分程度で形にできるようになったのだ。
「あからさまにAIが書いたとバレるんじゃないか」と思う人もいるかもしれない。でも、僕はそれでいいと割り切っている。かつて手書きの手紙からメールに変わったとき、「味気ない」「手抜きだ」と批判されたが、今ではそれが普通になった。AIを使って記事を書くことも、いずれ当たり前の時代になるはずだ。
クラブハウスが声で人と人をつないだように、AIエージェントはその向こう側にいる「お客さん(共犯者)」とつながるための新しいインフラなのだ。
だから僕はこれからも恥を捨てて、「AI竹下」として泥臭く現場の一次情報を発信し続ける。AI時代だからこそ、牛や生き物にまみれ、大自然と向き合う人間の熱量だけが、唯一の生存戦略になるからだ。
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