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第1話:動物と僕の距離ができた日

僕は、もともと動物嫌いじゃなかった。
子供の頃はアパート暮らしで、父が動物嫌いだったから飼うことはできなかったけれど、触れ合う機会があれば嫌がらずに接していた。
でも、いつの間にか僕は“動物嫌い”になっていた。

大人になるにつれて、僕の興味は完全に車やバイクに向かっていた。
家族と過ごす時間も大切だったが、
車やバイクへの興味も強く、休日は愛車の手入れやドライブを楽しんでいた。
動物よりも機械。生き物と暮らすことなんて、考えたこともなかった。

そんな僕に、ある日、娘が言った。

「猫、飼いたい」

正直、耳を疑った。僕が動物嫌いだと知っているはずなのに。
でも、勇気を振り絞って言ってきたのだろう。
娘の真剣な顔を見て、僕はこう返した。
「世話は全部お前がやる。それならいい」

そうして我が家にやってきたのは、元気すぎる子猫だった。
小さな体で家中を走り回り、カウンターに置いてあったお土産の酒瓶を落とし、扉や壁紙をガリガリと削る。

※当時の暴れん坊子ねこのイメージ図です🐾(AI生成)
当時の写真が残ってないので、イメージ図でお届けしました😅

まだ新築から2年ほどしか経っていないマンションの被害は、見るたびに僕の眉間にしわを寄せた。

イライラが募り、僕は猫に長めのリードをつけて、和室一部屋に行動範囲を制限した。
猫好きからすれば当たり前じゃないことでも、僕にはその感覚がなかった。
ある日、母が遊びに来て、その姿を見て眉をひそめた。
「こんな窮屈な思いをさせるなんて!」
その言葉に、僕も少しカッとなった。
結局、話し合いの末、猫は嫁の実家に預けることになった。

こうして僕の中の“動物嫌い”は、さらに色濃くなった。

──『猫との暮らしは、まだ手探り』全10話のうちの第1話でした。
次回も、思いがけず犬に振り回される僕をのぞいてくださいね🐕

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