見出し画像

2026年3月上旬桃園機場、帰らずのエミレーツ機・エティハド機


◆はじめに

私が2年ぶりに台湾の地を踏んだのは、先月3月6日(金)のこと。
すでにお気づきの方も多いかと思いますが、この時世界の空では未曽有の大異変が起きていました。
遡ること6日前の2月28日(土)、アメリカ・イスラエル両軍はイランへの空爆を開始。対するイランは報復措置として、アラブ首長国連邦(UAE)やカタール、バーレーンといったペルシャ湾岸諸国の米軍基地や周辺市街地をミサイルやドローンで攻撃しました。
その結果、ペルシャ湾岸諸国の空域は封鎖され、このエリアに拠点空港を置き、世界各国へ広大なネットワークを張り巡らせているエミレーツ航空・エティハド航空(いずれもUAE)、そしてカタール航空といった航空会社は全便運休を強いられることになりました。
本稿では、台湾で見た中東諸国の航空会社の旅客機の写真を通じて、中東の紛争が極東アジアの空にもたらした影響を振り返ってみようと思います。

◆台湾桃園国際空港で見たエミレーツ航空機・エティハド航空機

■1.3月6日(金)

待ちに待った台湾旅行の初日。
3月6日の15時過ぎ、関西国際空港からのスターラックス航空JX821便で桃園国際空港第1ターミナルの北側サテライトに降り立った私は、思いがけず2機の旅客機を目にしました。
第1ターミナルから北側滑走路(05L/23R)を挟んで向かい側にある貨物エリアに、エミレーツ航空のB777-200LRエティハド航空のB787-10が駐機していたのです。

桃園国際空港に並ぶエミレーツ航空のB777-200LRとエティハド航空のB787-10

所定のダイヤでは、15時台にエミレーツ航空のB777-200LRは桃園国際空港に駐機していない(注1)はずです。
おそらく2月28日にドバイから到着して以降折り返し便が欠航になった関係でずっと駐機したままなのか、ドバイ~台北線の運航は再開されたものの、毎日運航に戻っていないため桃園国際空港で長時間滞泊するかのどちらかのようです。
エティハド航空についても、アブダビ~台北線の運航再開はアブダビ3月6日21時20分発のEY898便からだったそうなので、おそらくこの日見た機体は2月28日の朝に桃園国際空港に到着してから6日間もアブダビに帰れない状態だったものと思われます。
(注1)ドバイ発台北行きEK386便が20時40分着、折り返しの台北発ドバイ行きEK387便が翌日0時20分発。

■2.3月9日(月)

3日後の3月9日桃園国際空港9時20分発のスターラックス航空JX822便で帰国の途に就いた朝のことです。
8時少し前に搭乗便のチェックインを済ませた後、第1ターミナルから第2ターミナルに移動。第2ターミナルの増築部分に近年オープンした展望デッキで数分間スポッティングを楽しんだのですが、北側の貨物エリアにはエティハド航空のB787(-9もしくは-10)エミレーツ航空のA380が駐機していました。

朝の桃園国際空港に佇むエティハド航空のB787とエミレーツ航空のA380

所定のダイヤだと、アブダビからのエティハド航空EY898便が桃園国際空港第2ターミナルに到着するのは8時30分、ドバイからのエミレーツ航空EK366便(A380運航便)が桃園国際空港第2ターミナルに到着するのは15時35分です。
そのため、朝8時前後に両社の機体が貨物エリアに駐機しているのはどう考えてもイレギュラーなわけで、おそらく両社とも中東有事による空域制限などを理由に、発着時間の変更や減便を伴う暫定ダイヤを取っていたものと思われます。
そのため、台北に到着後通常は数時間でアブダビ・ドバイに向け折り返すはずの機体を、一昼夜以上にわたり桃園国際空港の貨物エリアに駐機するという運用体制になっていたのではと考えられます。

◆中東勢の穴を埋めたターキッシュエアラインズ

桃園国際空港の滑走路05Lに着陸したターキッシュエアラインズのB777-300ER

UAEの2大キャリアが空域閉鎖に手足を縛られていたなか、トルコはペルシャ湾岸諸国とは異なり中東有事に伴う空域閉鎖の影響をさほど受けなかったため、ターキッシュエアラインズの長距離便は通常通り運航が続けられていました。
また、一部のフライトについてはエミレーツ航空、エティハド航空、カタール航空の大規模運休で影響を受けた乗客を救済する意味合いもあり、通常より大型の機材が投入されていました。
写真は3月5日イスタンブール発、同6日台北着のターキッシュエアラインズTK124便。このフライトも所定ではB787-9での運航となっていますが、この日は大型のB777-300ERに機材変更され、暫定ダイヤのエティハド航空機・エミレーツ航空機を横目に第2ターミナルへとタキシングして行きました。

◆おわりに

台湾に滞在していた4日間。テレビのニュース専門チャンネルはリアルタイムで露店のプロパンガスの高騰、台湾~中東間の航空便の運休など生活に直結する話題を中心に、中東有事に関する情報を24時間休みなく放映していました。
ホルムズ海峡危機に直面しているにもかかわらず、WBCやバラエティ番組、旅番組、グルメ番組にかまけていた日本の既存メディアも、台湾メディアの姿勢を見習うべきなのでは、そして日本にも既存のメディアや政党から独立したニュース専門テレビ局が必要なのではとつくづく思った次第です。

話がやや脱線しましたが、今回の中東有事においては潤沢なオイルマネーを元手に中東諸国のハブ空港を拠点に世界各地を結び、さまざまな旅行者を支えてきた中東のメガキャリアが抱えていた潜在的なリスクが浮き彫りになったと思います。
そのなかで、中東と日本や台湾を結ぶ航空便が運休を強いられ、多くの旅行者が足止めを強いられた現実を目にし、改めて「海外旅行には一定のリスクや自己責任が伴うものなのだ」という現実を思い知らされた人も少なくなかったはずです。加えて、ホルムズ海峡危機による原油不足に起因する航空運賃の高騰や航空便の減便の話題も相次いで出始めているといいます。
最後に、今回の中東有事が一日も早く終結し、関連各国の人々に平和な生活が戻ること、そして中東の航空各社の運航が正常に戻り、航空運賃の高騰にも歯止めがかかることを願って結びとさせていただきます。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集