愛は時々サッカーゴールの形をしている | 創作大賞エッセイ感想
創作大賞2026エッセイ部門の感想を書いています。
今回読んだのは空原ゆにさんのエッセイ。
ネタバレするのでお先に本編をお読みください。
「結婚式」という一本の軸で書き切られた本エッセイ。読みやすく、かつ読者を迷わせない文章で、一気に最後まで読みました。ご本人も書かれていますが、結婚式でPK戦やる人なんている?という純粋な好奇心が、読みたい気持ちを加速しました。
面白かったのは、実は
「本当に式をやめてしまいそうなぐらい落ち込んでいたから、せめて好きなサッカーを取り入れて笑ってほしかった。」
ここに辿り着くまで、このエッセイがどんな着地を迎えるのか見えなかったんです。でもこの一文で、「ああそういえばジュビロ磐田が好きって言ってた?!」となり、そこで途端に「結婚式」エッセイから、「(夫の)愛情表現」エッセイに昇華するのがとても良かったです。
そういう意味で、ちゃんと全て回収されはするものの、前半の
結婚が決まったら、幸せになると思っていた。
でも、私の場合は自由が回収された。
という割と強烈な序文から、
自由がなくなった、結婚は怖い、披露宴は公開処刑、式なんてやらなくていい
と、割と重めに積み上がっていくので、個人的な好みなのですが、もう少し早くPK戦の意味がわかると、物語の「動」の部分に感情移入する時間が増えて、さらにワクワクしながら読めたように思いました。
結婚式に乗り気ではなかった著者が、なんだかんだと当日までを過ごし、結果、この突拍子もないPK戦こそが、これから一生涯を共にする人が示してくれた愛の形なのだと受け取る。とても心温まるお話でした。
お寄せくださりありがとうございました :)
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