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【2030年 すべてが加速する世界に備えよ】「それは出来るのか?」から「それは"いつ"できるのか?」へ

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆☆

〜コンバージェンスにより世界は加速する〜

1990年から2000年、2000年から2010年、2010年から2020年、、、。10年ごとのテクノロジーの進化を見ていくと、加速度的に発展していっている。ほんの10数年前までは携帯電話でインターネットに繋がる事に驚いていたのに、今ではスマートフォンが当たり前で、日常のほとんどの事がスマホひとつで済んでしまう。
そして、2020年から本のタイトルとなっている2030年までの10年間で、テクノロジーはさらに進化し、世界は一変してしまう。というのが、本書の主張である。

キーワードが「コンバージェンス(融合)」である。

ある強力なテクノロジー(例えばAI)とある強力なテクノロジー(例えばAR、VR)が組み合わさる事で、世界に破壊的な変化を起こしてしまう、と言う事である。

例えば、AIとVRが組み合わさる事で、ショッピングの形が大きく変わる。仮想空間に置かれた店舗を自宅にいながら楽しむ事が出来ると同時に、AIが商品を見る人物の感情の変化を読み取り学習することで、その人物の好みに合った商品を紹介してくれる。店舗が無くなるだけでは無い。もはや、人々は自分の欲求を満たすために"選ぶ"時間さえ使わなくなるのだ。
さらにそこに3Dプリンタの技術が加われば、製品を即座に作り、ドローンで自宅まで送り届ける、なんて事も起こりうる。企業は在庫を抱える必要は無くなるし、宅配業者もいらない。

それぞれのテクノロジーがただでさえ強力なのに、それらがコンバージェンスされた時、世界は一変する。そして、それは2030年までに起こる、というのである。

〜驚きの技術が"既にある"という事実〜

さて、そんなSFのような世界がたった10年で実現するはずがない、と思う人も多いだろう。しかし、本書において「サイエンス・フィクションはサイエンス・ファクトになった」というフレーズが語られている通り、驚きのテクノロジーの数々が既に実在している、または開発され始めている、というのである。

驚きのテクノロジーは本書では「エクスポネンシャル(指数関数的)テクノロジー」と呼ばれており、それらはまさに加速度的に進化しているテクノロジーである。

例えば、2013年にイーロン・マスクがコンセプトを発表した「ハイパーループ」。磁気浮上技術を使い、筒状の真空チューブ内で乗客を乗せたポッドを時速約1200キロで走行させる交通ネットワークだ。2018年の春には、ニューヨーク〜フィラデルフィア〜ボルチモア〜DCを結ぶ地下ハイパーループを建設する認可を政府から受け、採掘が始まっている。計画の第一段階では約240キロの列車が通る見込みだ。

また、SF映画などでは定番のホログラムも、現実のものとなりつつある。数兆個の光子を正しい角度と強度で投射出来れば、スクリーンやディスプレイが無くとも、空間に仮想現実を再現する事ができ、小ぶりなもの(10×15センチほど)であれば、カリフォルニアのスタートアップ企業ライトフィールド・ラボは既に開発済みだという。このキューブを拡大していけば、ホログラムの部屋を作ることは夢ではない。また、ライトフィールドはこのホログラムの技術をさらに前進させており、超音波により物理的存在感を与え、投影されたホログラムに触感を与えるようにしている。

今紹介した2つはほんの一端であり、驚くべきテクノロジー実現の数々が本書では紹介されている。驚きの連続で、読んでいる間は興奮しっぱなしだろう。


〜それはテクノユートピアか、ディストピアか〜

さて、様々なテクノロジーが紹介されて、それに伴う未来予測が語られていくのであるが、その未来予測はたった10年足らずで実現するかもしれない。現在、加速度的に進化したテクノロジーの数々を知った今、それらを夢物語とはとても思えなくなってしまう。

進化するテクノロジーの中で、多くの人が不安を覚えるかもしれない。技術の発展に伴う環境破壊、自動化に伴う失職、医療技術の発展による人口増加、、、。
技術革新による人類の破滅のシナリオは、数多くのフィクションで語られており、そんな世界が現実になるかもしれない不安に駆られてしまう。
一方で著者は、環境破壊や雇用問題はテクノロジーによって解決する、と述べている。

果たして、テクノロジーが発展した世界は、テクノユートピアかディストピアか。
それは誰にもわからない。

しかし、世界の進化は止められない。

僕らは、加速する世界に対して、焦らずに深呼吸しながら、流れにのっていくしかないのである。
進み続ける。加速する世界で生きるために、最も重要な事はそれだ。

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