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飲食人としてエースで終わるか、監督になるか――飲食店の社員に本当に必要な力とは



大前提、飲食店の仕事は、個人戦ではありません。
チーム戦だと思ってます。

これは感覚論ではなく、構造の話です。
売上が月500万円を超えたあたりから、どんな店でも必ず起きます。

一人がどれだけ優秀でも、一人ではやるには限界が出てきます。

それにもかかわらず、これまで多くの飲食店で評価されてきたのは
「一番動ける人」「一番できる人」「エース」でした。

ですが本当に、それで店は強くなっているでしょうか。


エース型社員が抱える、構造的な限界


多くの飲食店の店長は、こんな状態にあります。

  • 自分が一番動いている

  • 自分が一番できる

  • 自分でPDCAを回している

  • 料理も、サービスも、数値も、教育も全部見る

いわば、キャプテン兼4番兼ピッチャーです。

本人は本当に頑張っています。能力も高く、責任感も強いです。

ただ、この状態で必ず起きるのが、すべてが70点になるという現実です。

料理も70点
サービスも70点
教育も70点
マネジメントも70点

「そこそこの店」はできます。
しかし、「勝ち続ける店」にはなりません。


店長はキャプテンか、監督か

ここで、部活動に置き換えて考えてみます。

店長がキャプテンとして、プレーしながらチームをまとめる店。
店長が監督として、全体を見て采配を振る店。

どちらが、強いチームになるでしょうか。
答えは、ほぼ間違いなく監督型です。

キャプテンは自分もプレーしながら、下級生の面倒を見て、チームをまとめなければなりません。これは相当きつい役割です。

一方、監督は違います。

  • 全体の方向性を決める

  • 勝つための設計をする

  • 誰をどこに配置するかを考える

  • 選手が力を発揮できる環境をつくる

マネージメントに全力を注げる。飲食店も、まったく同じです。


ユーティリティー店長より役割に尖らせる

※ユーティリティー店長=オールラウンダー

ここで言いたいのは、一人ひとりが全部できる店を目指すことではありません。

大切なのは、それぞれが明確な役割を持ち、尖っていることです。

多くの店舗で起きているのは、店長と社員がいるにもかかわらず、社員が「補佐」になりアルバイトの延長線上になってしまっている状態です。

  • 店長の指示を待つ

  • 店長がいないと判断できない

  • 結果として、仕事がすべて店長に集まる

この形では、チームとしての点数は上がりません。

一方で、一人ひとりの役割がはっきりしている店舗は違います。

  • マネジメントの責任を持つ人

  • サービスの責任を持つ人

  • 料理の責任を持つ人

それぞれが自分の領域に責任を持ち、その分野で100点を取りにいきます。

例えば、店長がマネジメントに集中し、社員がサービスや料理の責任者として尖る。

それだけで、チームの総合点は一気に跳ね上がります。

ちなみにMostfunでは、サービス・料理・マネジメントの3つを部門として分け、それぞれが100点を取りにいく設計をしています。

目指しているのは、一人で70点を取る店ではなく、3人で300点を取りにいく店です。

役割が分かれているからこそ、深く考えられ、時間を使え、結果として人も育ちます。

店長がすべてを抱える店ではなく、チーム全体で勝ちにいく店
これが、強い飲食店の共通点だと思っています。


監督力の正体は「選択と集中」

監督型の社員に共通しているのは、才能やカリスマではありません。

時間の使い方です。

やらなくていい仕事を、きちんと手放しています。

  • 料理を考えなくていい

  • 初期教育を全部自分でやらなくていい

  • 現場に張り付かなくていい

だからこそ、「人を成長させる時間」が生まれます。

育成ができる人は、実は能力が高いのではなく、集中できる環境を持っているだけです。


任せると、投げるは違う


ここで、よくある勘違いがあります。

それは、
「じゃあ、今自分がやっている業務を他の社員やアルバイトに単にお願いすればいいのか」という発想です。

結論から言うと、そういう話ではありません。
「任せる」と「投げる」は、まったく違います。

任せるとは、

  • ゴールが決まっている

  • 役割がはっきりしている

  • 判断基準が共有されている

この状態をつくった上で、任せること。

一方で、

  • ゴールも曖昧

  • 誰の役割かも分からない

  • 何を期待しているのかも伝えていない

この状態で仕事を渡すのは、任せているのではなく、投げているだけです。

「これお願い」「あとはよろしく」では、人は育ちません。

任せるとは、仕事を減らすことではなく、責任と判断を渡すこと
ここを履き違えると、チームは強くならないと思っています。


監督になれない人の共通点

プレイヤーとしては優秀なのに、育成やマネジメントが苦手な人もいます。

その共通点は、とてもシンプルです。自分のためにしか働いていない

  • 自分が評価されたい

  • 自分が成果を出したい

  • 自分が気持ちよくなりたい

この状態では、人の成長に本気で向き合えません。

逆に言えば、「人の成長を自分の喜びとして捉えられる人」は、自然と監督型になっていきます。


これからの飲食社員に必要な力

これからの飲食業界で、社員に本当に求められるのは、

  • 自分が動く力
    ではなく

  • 人を活かす力

です。

一人より二人。
二人より三人。
自分が前に出なくても、チームで成果を出せる状態をつくれるか。
それが、エースで終わるか、監督になるかの分かれ目です。


プレイヤーとして優秀であることは、間違いなく価値があります。

ただその先に、「チームを勝たせる力」があるかどうか。
これからの飲食の現場では、そこが問われていくと思います。

HP:https://mostfun.jp/

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