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NovelJam2025に参加しました!

 南国の福岡から北海道に帰ると、一気に季節が進んでいましたね。
 気温30度の世界から15度の世界へ。気温の変化に身体がついていかないまま、10月の三連休にNovelJamに参加してきました!


Novel Jamとは?

 開催当日に集まったメンバー、著者・編集者・デザイナーで班を作り、開会式で発表されたお題をもとに3000字~10000字の短編小説を作るというもの。
 3日間でプロット提出やデザイナーさんとの打ち合わせを経て、最終日には電子書籍として発行するというスピーディーさ。執筆と並行してデザイナーさんの装丁作業。徹夜で仕上がった原稿を受け取った編集さんが、電子書籍で発行すべくソフトと格闘という激動の3日間を過ごします。

1日目~開会式&お題発表・プロット作成

 開会式は11時から。東京会場・札幌会場・沖縄会場の3か所をZOOMなどで繋ぎながらスタート。
 チーム構成は、編集1人・デザイナー1人・著者2人の4人で1チーム。札幌と沖縄は1チームずつでしたが、東京会場は6チームをくじ引きで結成。
 リモートでの参加者もいましたが、なんと4人中3人がリモートという班があったそうです。
 開会式が終わり、12時ころに今年のお題を発表。私は事前オリエンテーションのときから、お題をもとに3000字くらいのショートショートを書こうと思っていました。
 今回発表されたテーマは『移住』。
 ……移住?
 自分が移住する話、誰かが移住してくる話……いや、もっと奇をてらってインパクトのあるものを選びたい。編集さんからヤドカリというアイデアが出て、移住といってもいろんなネタがあるなと思ったのでした。
 ネタ出しのために会場周辺をお散歩。移住……移住……だめだビビッとくるものがない。これだと3000字のショートショート作戦は難しそうだ。
 となると、上限10000字に合わせた物語を考えるか。ベタだけどリモートワークなんてどうだろう。
 10000字を400字詰め原稿用紙に換算すると25枚。改行や余白を考えると28~30枚くらい? 
 原稿用紙30枚だと、投稿時代に挑戦していたコバルト短編小説新人賞を思い出す。2ヶ月に1回の〆切に合わせ毎回投稿していた10代~20代。限られた枚数の中で物語を展開することの大変さは嫌というほど身に染みていました。
 3000字なら原稿用紙8~9枚くらい? でも、散歩しながら出てきたアイデアは間違いなく10000字コース。
 私は3日間でコバ短投稿時代の原稿を書き上げなければならないのです。
 一人で執筆していた投稿時代と違い、今回はノベルジャムというイベントでの執筆。編集さんと物語を共有し、デザイナーさんに表紙のイメージを伝えるため18時までにプロットを完成させ提出しなければなりません。
 プロットといえど物語の結末まで書かなければ。新人賞投稿時代に、30枚・50枚・100枚・200枚・300枚と様々な規定に合わせて書いていたため、プロットの時点で仕上がりの目測ができます。提出したプロットは80枚~100枚くらいのエピソード量。明らかに10000字でおさまる文量ではありません。
 かといって今から3000字の掌編を考え直すのは時間のロス。もうこの話でいくしかない。
 初日は20時で解散だけど、帰宅してからだと疲れて寝てしまいそう。かといって初日から徹夜しては翌日のクオリティーに影響するため、その日は23時までカフェで原稿を書き、帰宅してすぐ布団に入ったのでした。

2日目~声優朗読会・初稿提出

 2日目の開場時間は10時から。睡眠時間を確保し、朝ご飯もしっかり食べます。忙しいと食事をおろそかにして甘いものばかりとりがちだけど、それをすると後半でバテテしまうので体調管理もおろそかにできません。
 2日目は声優朗読会というイベントがあり、作中の800字ほどをプロの声優さんに読んでもらえるとのこと。初日に書いた2000字の中から、登場人物の会話多めのシーンをセレクトして提出。
 2日目は18時までに初稿を提出しなければなりませんが、その間に表紙を手掛けるデザイナーさんとの打ち合わせもあり。限られた時間では原稿からイメージを膨らませるのが難しいため、自分で資料やアイデアなどをまとめて提出。途中、ランチがてら会場から出てカフェで執筆……も、目の前の席で謎の面接が始まってしまい集中できず撤収。後で録画を見ようと思っていた声優朗読会の時間に間に合いましたが、応募殺到のため私の原稿は読まれずに終わったのでした……。
 原稿はというと、初日に書いた2000字の冒頭を大幅に削り、1000字からスタート。夕方までかけた文字数が3000字。物語の書きはじめは、書いては消し書いては消しを繰り返してキャラクター達を動かしていくのでどうしても進んでいかないのです。
 まずはプロットのとおりにお話しを書いていくけど、やはり10000字には収まらない気配。投稿時代なら枚数を増やして別の賞に出そうと方向転換できるけど、これはノベルジャム。物語の結末までたどり着かず未完で終わらせるのは論外。かといって展開を強引に変えては尻切れトンボになって物語が成立しません。
 18時の初稿提出の時点で4000字弱。編集さんに明日の入稿までに書きあげますと宣言。編集さんも2人の著者を担当しながら、デザイナーと表紙のやりとりをし、さらに入稿作業に必要な情報も集めていかなければなりません。
 これ、今日は帰れないな……と早々に判断し、21時解散の後、編集・著者3人でファミレス作業に繰り出すことに。終電を過ぎ、なんとかラストまで書き上げた時間が午前2時。終電も終わっているので、そのまま街中のスーパー銭湯に泊まることにしたのでした。
 徹夜はしません。一度頭をリセットさせて冷静な頭で推敲しなければ、徹夜のハイテンションで文章や物語が滅茶苦茶になってしまうからです。

3日目~BCCKS入稿・プレゼン・閉会式&発刊セレモニー

 3日目。スーパー銭湯で2~3時間仮眠をして、開場時間までカフェのモーニングでラストスパート。初稿をコンビニでプリントアウトしておいたので、紙面で校正も兼ね推敲していきます。
 入稿時間は午前10時。上限10000字ぴったりで入稿して、もう本文を修正することはできません。誤字脱字があっても文章にねじれがあっても展開がおかしくても直せない。それがノベルジャム。
 その後は作品のプレゼンテーションに合わせて資料集め。編集さんがプレゼンするチームが多いですが、私は自分でプレゼンすることになりました。作品に不安を抱く暇もなくパワーポイントで資料作成。ネットで参考画像を集め、編集・編集・編集。同時にどんな形で話していくかも考えなければなりません。
 デザイナーさんの表紙発表会の後、いよいよ作品プレゼンへ。今回の作品は札幌開催を記念して北海道が舞台の物語をーーでも、東京や沖縄会場の人は北海道という土地自体ピンと来ていないと思い、本州と北海道の比較画像から始めることにしました。
 ZOOM画面にパワポの画像を共有してのプレゼン。私が話し始めると、それを聞いていた札幌会場から「上手い」のざわめきが。ここ数年、会社員の仕事でZOOMを使ったグループワークや発表を繰り返していたのですが、まさかノベルジャムでそれが役立つとは思いませんでした。
 各チームのプレゼンが終わると、閉会式とともにいよいよ電子書籍の発刊です。お題発表が初日の12時。電子書籍が出来上がるのが3日目の16時。約52時間?で、全8チーム16作品の物語が世界に発信されたのでした。

十勝しあわせ工房たなごころ


 私がノベルジャムで書き上げた物語は『十勝しあわせ工房たなごころ』
 タイトル通り、舞台は北海道十勝。しあわせ=帯広市にある幸福駅が舞台です。
【あらすじ】
 母を早くに亡くし、多忙な父に代わりに祖母に育てられた高校生の幸(さち)。
 洋裁店を営んでいた祖母の背中を見て育ち、自らも服飾学校への進学を目指すも、幸は幼い頃のトラウマでミシン恐怖症を克服できずにいた。
 祖母の傘寿のお祝いに、手作りのワンピースをリクエストされた幸。祖母に拾われ十勝に移住した青年・幸士郎(こうしろう)。ものづくりをする二人がその手に抱く「幸せ」とはーー?

 同じ札幌チームのもう一人の著者・仲町百瀬さんの『ノボとちぎれたふたつの世界』
 プロットを聞いていた時から、面白そう~とワクワクしていた児童文学の雰囲気を感じる物語です。
【あらすじ】
「なみだ淵の森」を境に、ふたつの街が存在する。
自然と共に昔ながらの生活を送る「オールドシティ」と、すべてが管理された「ニューシティ」。
ある日、オールドシティに住むノボは自分そっくりのテシに出会い、好奇心から24時間の交換生活を提案する。
その出会いはふたつの街の未来を大きく変えることにーー。

 今回、NovelJamでは各審査員による物語への審査のほか、チームごとのBCCKS販売で一番売上額の高かったチームにグランプリが与えられるそうです。
 審査&集計期間は贈呈式前日の11/15(土)まで。個性豊かな全16作品とともに、このお祭りに参加していただけると嬉しいです!


感想

 大好きな漫画家・かずはしともさんの参加レポで知ったNovelJam。

 いつか参加してみたいと思いつつ、東京の会場に行くにはスケジュールが……と思っていたら、今回初めて札幌会場ができると聞き喜び勇んで参加しました。
 日程は3日間とはいえ、お題が発表されてから原稿を書き上げ入稿するまでの時間は34時間。その中ですべてを原稿に集中できるわけではなく、編集さんとの打ち合わせや朗読会などのイベントもあり、食事と睡眠時間も確保しなければなりません。
 睡眠や食事を削れば頭が回らなくなるし、かといって甘いものばかりを食べていても身体に疲労が溜まっていきます。限られた時間に物語を完成させる以上、自己管理は必須。栄養のあるものを食べるためあえて定食屋さんに行ってみたり、コンビニで買う時も必ず野菜やお味噌汁を加えてみたり。
 徹夜は作品のクオリティーが落ちるから必ず睡眠時間も確保する。ノベルジャム翌日から普通に仕事があるわけで、社会人としてガタガタの体調で勤務するわけにはいきませんよね。
 原稿を書く時間も推敲時間も限られるため、自分の中でスケジュールを決め、その目標にたどり着けるよう執筆しながらも脳内で推敲案や様々なパターンを考えていく……こんなに頭をフル回転させて原稿を書いたのは初めてかもしれません。
 34時間で10000字書いたのか自分。長編の終盤ならまだしも、起承転結のある短編を10000字で書くのって大変だぞ。しかも34時間の中で推敲と校正までやったのか。
 他の参加者さんの作品はまだ読めていませんが、プロットやプレゼンでどれもエンタメ要素が強く面白そうだなと思う反面、自分の作品は地味だな~と早くも諦めモードに入っています。
「面白い」が求められるノベルジャムの中で、読後あたたかな気持ちになれるような物語は違うかな~と早くも消極的な気持ちですが、あの3日間で書ききった自分を褒めてあげたいです。
 怒涛の3日間を終え、現在の率直な気持ちは『もう二度と参加したくない』。……富士山とか屋久島の縄文杉とか、ハードなことをやり遂げると毎回言っている気がします。そして、時間が経つにつれ辛さの記憶が薄れ、喉元過ぎれば熱さを忘れるでケロっと『また挑戦したい』と言い出すので、今回もそうなることと思います(笑)

 みなさんなら『移住』をテーマにどんな物語を書きますか?

 考えているそこのあなた! ぜひ来年のNovelJamに参加してみてください!


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