アプリを作る前に、「ユーザーが何もしなかったらどうなる?」を考えるようになった。
プロダクトを考える時、以前は理想的なユーザーを想像していた。
初期設定をしてくれる。
通知を許可してくれる。
必要な情報を登録してくれる。
毎日アプリを開いてくれる。
記録も忘れない。
そういう前提なら、多くのアプリは便利になる。
でも最近は、逆から考えるようになった。
ユーザーが何もしなかったら、このアプリはどうなるのか。
初期設定を途中でやめる。
記録を忘れる。
通知を見ない。
数日アプリを開かない。
これは特殊なユーザーではなく、むしろ普通だと思う。
ユーザーには仕事がある。
家事がある。
遊びもある。
アプリのために生活しているわけではない。
だから、
「きちんと使えば便利です」
という設計には弱さがある。
ユーザーが頑張らなくなった瞬間に価値も消えるからだ。
そこで最近は、何もしないユーザーでも価値が残る方法を考える。
入力を忘れても、可能な範囲でアプリが推測する。
毎日開かなくても、必要な時だけ知らせる。
設定しなくても、まず使える状態にする。
過去の行動があれば、それを次の提案に利用する。
理想は、ユーザーの習慣にアプリを合わせることだ。
これはAIとの相性も良い。
以前はユーザー自身に分類や整理をしてもらう必要があった。
今はアプリ側がある程度判断できる。
だからUXを考える時、
「どうやって入力してもらうか」
だけではなく、
「入力されなかったらどうするか」
まで設計できる。
私は最近、この視点がかなり重要だと思っている。
継続率を上げるためにユーザーを教育する。
毎日使ってもらうために通知を増やす。
それより先に、
毎日使わなくても役立つ方法はないか考える。
良いプロダクトは、真面目なユーザーだけを助けるものではない。
忘れる。
面倒になる。
サボる。
それでも価値が残る。
人間をアプリに合わせるのではなく、
アプリを人間に合わせる。
これから作るプロダクトでは、できるだけこちらを選びたい。
