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塩がふく、そして、ただよう青春の香り。ウッ!

毎日、毎日、暑い日が続いている。
ちょっと動くと汗が滝のように流れてくる。
シャツを絞るとぞうきんの水のように流れ落ちる。
そんな様子を見ると中学生のころを思い出した。

小学生のころから中学3年間、剣道をしていた。
たいして強くはなかったが、それなりに一生懸命やっていた。
中学での部活となったとたん、小学生の時のそれとは異なり、練習は毎日になり、激しく、きつくなった。

体育館の冬は寒く、床は冷たく、はだしの足は凍り付いた。
夏は灼熱のなか、防具を付けた体には、サウナに入っているかのように、汗が噴き出していた。

道着は、木綿の藍染、厚くて重い。
袴は、紐やらが出ていて洗濯は、結構大変であった。
さらに、藍染なので紺色が出て、他の洗濯物と一緒には洗えなかった。洗ったらみんな紺色に染まってしまう。
それに何枚も道着を持っているわけではないので毎日は洗濯できなかった。結果、体育館の2階通路(ギャラリー)の手すりに道着と袴を干しては使っていた。

昭和の田舎の中学生。
水洗いもするわけではなく、汗を乾かすだけ。なので、乾くと紺色の道着に白く塩がふいた。そして発酵がすすんで得も言われぬ、かぐわしいにおいをまとうことになる。

今はどうか知らないが、昭和の時代、防具を洗うことはなかった。少なくともわたしの中学校の部活では洗ったことはなかった。
汗を拭きとって、日陰干しして乾かして使っていたので、年季がたつほどに、臭った。
小手の中は、汗の発酵とカビが相まって、とにかく臭くなっていた。友達同士、においをかいで「あー!いいにおい」なんて言ってはいたが、練習が終わって、手を洗ってもしばらくは手ににおいが残るくらいであった。
自分の手のにおいをかいで「くさっ」。

そんな道着と防具が置かれている通路は、におった。

立ち込めるにおいは、青春の香りだ。
でも、臭すぎる!
今、思い出すだけで「ウッ」となる。


あくまでも昭和の田舎の中学部活での話。
今は、きっとこんなことはなく、きれいで臭くないはず。



わたしのエッセイ

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