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AIスロップがYouTubeを汚染中!AI動画クリエイターはどう対応すべきか?

こんにちは、タナベです。

最近YouTubeやTikTokのショート動画を見ていて、
「似たようなAI動画ばかり流れてくるな…」
と感じたことはありませんか?
その動画、「AI Slop(AIスロップ)」かもしれません。

AIスロップは、いま海外を中心に広がっている言葉。
これは、AIで大量生産された低品質・量産型コンテンツが、動画プラットフォームを埋め尽くしていく現象を指します。
そしてこの流れはすでに始まっていて、今後AIクリエイターに様々な影響を与えるでしょう。

この記事では、

  • そもそもAIスロップとは何なのか?

  • なぜ今、世界中で問題視されているのか?

  • AIスロップ対策として、AIクリエイターは何をすべきか?

などを、実例を交えながらわかりやすく解説します。

AIスロップ(AI Slop)とは何なのかを解説

はじめに、AIスロップ(AI Slop)とは何なのかを、以下の3つに分けて解説します。

  • AIスロップ(AI Slop)の意味

  • どんな動画が「AIスロップ」に該当するか

  • AIスロップが脳に与える悪影響

AIスロップ(AI Slop)の意味

まずはAIスロップの意味を解説します。

英語のSlopには「残飯」「食べ残しの屑」「泥水・汚物」「価値がないもの」みたいな意味があります。
なので「AI Slop」とは直訳すると「AIによる価値がない屑」のような意味となります。
すごい表現ですね・・・。

この「AI Slop」、じつは世界中で注目度が上がっている言葉です。
2025年には、アメリカのメリアム=ウェブスター辞典が毎年発表している
「今年の単語」
に選ばれています(参考記事:CNN)。

Googleでの検索回数も増加しており、2024年頃から登場し、現在までだいたい右肩上がりで増えています。
まだ日本ではそれほど使われていませんが、ネットスラングとして2026年中にかなり定着するでしょう。

「AI Slop」の検索回数の推移

どんな動画が「AIスロップ」と呼ばれるのか?

では、具体的にどんな動画が「AIスロップ」に該当するのでしょうか。

AIスロップは主に動画コンテンツに対して使われ、人の企画・意図・編集がほとんど介在していない、低品質な量産型AI動画を指します。
代表的な特徴は以下。

  • 同じ構成・同じ演出・同じフォーマットの動画が大量に量産されている

  • サムネやタイトルは刺激的だが、内容は薄い

  • 情報・物語・制作者の視点が乏しく、「AIが作った感」だけが強く残る

要するにAIスロップとは
「栄養はないのに、やたらカロリーだけ高いファストフードのようなAI動画」
のことです。

一瞬は目を引くけれど、記憶にも残らず、信頼も積み上がらない。
今、こうした動画がプラットフォーム上に急増しています。

AIスロップで脳が腐る(ブレインロット)?

みなさんファストフードは好きですか?
体に良くないと思っていても、無性に食べたくなるときってありますよね。
AIスロップも同じで、見る価値がないとわかっていても、視聴をやめられない人が多いです(特に若者)。

たとえば

  • 赤ちゃんや動物が人助けするような、現実世界ではありえないストーリー

  • わかりきった完全懲悪のストーリー

こんなAIスロップ的な動画でも、つい見てしまうことがありますよね。
以下の動画を見てください。

この動画は中身が乏しいですが、600万回も再生されています。
AIスロップがファストフード的に消費されていることがわかりますね。

このように、AIスロップにはある種の中毒性と拡散性があります。
その中毒性は人の脳に悪影響があり、

  • 記憶力の低下

  • 注意力・集中力の低下

  • 問題解決能力の低下

などを引き起こす恐れがあります(参考論文はこちら)。
要は短くて刺激の強い動画を大量に浴び続けることで、脳が強い刺激しか受け付けなくなる状態になるのです。

このような状態は「ブレインロット(脳が腐る)」と呼ばれており、若者世代への悪影響も指摘されています。

AIスロップはどれくらいYouTubeを汚染しているのか?

次が、AIスロップがYouTubeという超巨大プラットフォームをどのくらい侵食・汚染しているのかを紹介します。

表示されるショート動画の5分の1は「AIスロップ」

動画・画像編集プラットフォームを運営するKapwingはAIスロップについての調査結果を発表しています。
レポートによると、新規アカウントでYouTubeに登録したとき、表示されるショート動画500本のうち104本がAIスロップでした。
つまり、表示されるショート動画の約20%はAIスロップなのです。

なので、もし若者がYouTubeに登録したら、いきなりAIスロップの洗礼を浴びることになります。

チャンネル登録者400万人を超えるチャンネルも多数登場

続いては、「AIスロップの生産工場」と認識されているチャンネルを見てみましょう。
先ほどと同じくKapwingが調査し、図でまとめてくれています。

画像はKapwingの記事から引用

図の中のチャンネルはすでに削除されたものが多いですが、以下のチャンネルはまだ生存しています。
※リンクをクリックするとチャンネルに飛びます

最も登録者数が多い「Imperio de jesus(イエスの王国)」で、もっとも再生されている動画がこちら↓

人気ミーム「ブレインロット」を使ったこの動画は2,400万回以上再生されています。
果たして、この動画に見る価値はあるのでしょうか?

先ほどの図には入っていませんが、約300万人の登録者がいる「Bandar Apna Dost」の動画も見てみましょう。

この動画、なんと1億4,000万回以上再生されています。
ちなみにこのチャンネル、すでに7億円近く稼いだと言われています(参考記事:ガーディアン紙)。

ガーディアン紙の分析によると、2025年7月に急成長したチャンネル上位100のうち、9つはAI生成コンテンツであることがわかっています。
私も動画生成AIを活用して伸びているYouTubeチャンネルを調査していますが、その多くが2025年に開設されています。

2025年は動画生成AIの性能が急成長し、動画クリエイターの間で一気に普及した年です。
それと同時に、動画生成AIが「AIスロップ生産工場のエンジン」になった年とも言えそうです。

日本はAIスロップ汚染度が低いが、これから上がる可能性がある

Kapwingは国別のAIスロップ侵食度ランキングを発表しています。
もっともAIスロップをよく見る国は韓国でした。
ちょっと意外ですね。
日本は18位と、まだそれほどAIスロップの侵食度は低いです。
Kapwingの調査結果はこちら↓

画像はKapwingの記事から引用

とはいえ、日本も油断できません。
Kapwingは「韓国でAIスロップが流行している理由」として、以下の4つを挙げています。

  • スマホ普及率が高い

  • 高速インターネット回線の普及率が高い

  • 世界的にみて独自の言語を使っている(だからYouTubeがAIスロップだと判定しにくい)

  • デジタルリテラシーが低いシニア層が多い

この4つの特徴は、そのまま日本にも当てはまります。
よって、日本も韓国のようなAIスロップ大国になる可能性がゼロではありません。

AI動画クリエイターはどんな対策をとれば良いのか?

最後に、AIスロップ時代にAI動画クリエイターはどんな対策を取ればいいのかを紹介します。

ここで紹介するテクニックは、おもにSEO対策で使われるテクニックです。
私は2000年代から検索エンジン絡みの仕事をしていますが、今のYouTubeは2010年代前半のGoogleとよく似ています。
当時のGoogleでは多数の量産サイトが表示されていましたが、後から品質重視に大転換しました。

YouTubeの親会社はGoogleです。
なので、現在のSEOの知見はそのまま未来のYouTubeで使えるのではないか、と考えています。
もちろんYouTubeだけでなくInstagramやTikTokでも効果的でしょうから、参考にしてください。

動画生成AIを使うのはOK!ただし「高品質」の動画を作る

YouTubeに動画生成AIで作った動画をアップするのはOKです。
ただし、AIスロップのような低品質の動画をアップするのはリスキーです。
たとえば、以下のような動画は低品質だと言えます。

  • テンプレートを使い回しており独自性がない

  • 他者の著作権や肖像権を侵害する動画

  • ファクトチェックがされておらず誤情報を含む動画

  • 視聴者ではなく、アルゴリズムだけを意識して作られた動画

2026年の年始に多くのショート系チャンネルが収益化停止の措置を受けています(参考記事:オタク総研)。
その多くが量産型の低品質コンテンツのようです。
もし動画生成AIを使うなら「高品質」の動画を作りましょう。

高品質の動画の例はこちらです↓

  • 動画のコンテンツの独自性がある

  • ユーザーの悩みや問題を解決する動画

  • ユーザーが動画視聴後に感謝のコメントをしたくなるような動画

  • ファクトやデータに基づき、独自の視点で語られている動画

このような、人の役に立ったり参考になる動画であれば、AIを使っていても何も問題がありません。

動画内の情報やチャンネルの信頼性を高める

次に紹介するテクニックは
「動画内の情報やチャンネルの信頼性を高める」
です。

現在のYouTubeではチャンネル運営者の情報があまり重要視されていません。
けれど、将来的には
「どんな人や組織によって運営されているのか」
が重要視されるかもしれません。
心理的な抵抗や問題がない範囲で、運営者の名前や組織名を入れておきましょう。

動画内の情報の信頼性を高くすることも大事です。
たとえば、医療や健康など、人の人生に大きな影響を与える内容の動画を公開するなら、情報の根拠となる論文等の引用元を表示した方が良いです。
ちなみに、このようなジャンルはSEOでは
「YMYL(Your Money or Your Life)」
と呼ばれ、身元の分からない人の記事が検索エンジンで上位表示されることはありません。
近い将来、YouTubeもこうなると思います。

人生に多大な影響を与える「お金」に関する動画も同様です。
動画内で主張する内容は、公的機関等が発表したデータ等に基づくことが望ましいです。
もちろん、引用した場合はそのデータの引用元も表示しましょう。

チャンネルや個別の動画の監修者をつける、という方法もおすすめです。
専門知識がある外部の人物に監修してもらうことで、コンテンツのファクトチェックをしてもらえます。
きちんと監修してもらうことで、動画のクオリティが上がるなどのメリットもあります。

ここで紹介した手法は、正直どれも面倒です。
しかし、チャンネルや動画の信頼性を高めるために有効な方法ですので、ぜひ検討してください。

短期間で大量の動画をアップロードしない

3つ目は
「短期間で大量の動画をアップロードしない」
です。

真面目に活動している動画クリエイターには関係ないと思いますが、世の中にはn8nやDifyなどのツールを使って動画を大量生産する人たちがいます。
このような人たちは1日に20個の動画を上げるなど、普通では考えられない量の動画をアップします。
プラットフォーム側でも、このような異常行動は察知しやすいです。
なので、短期間で大量の動画をアップロードするのはやめましょう。

今後重要になるのは量よりも質です。
10個の低品質動画をアップするよりも1個の高品質動画をアップした方が報われる時代が来るはずです。
その時に備え、今のうちから準備しておくと後で楽だと思います。

今回の記事は以上となります。
それでは、また別のnoteでお会いしましょう!

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