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私の春分の日とおばあの彼岸「中日さん」

3月って1日から神経尖ってるなぁ、と終わってからいつも思う。

学生時代。別れの季節。異動の季節。そわそわからのさみしいよーとか、フツーに。

受験の年。合格発表まで気が抜けない。発表後、結果がどうであれ次の進路先の指示になんとか喰らいつく。

仕事に就いたとき。年度締めを経験。納品予定のものが全然届かないし、書類は山積みだし、終わるの?これ。

そんな3月を繰り返して生きてきた。

でもいつも「ほぇ(へ)?」と拍子抜けするのも3月あるあるだなぁとその日を迎えて思う。

「ほぇ?」となるのは3月20日ごろ。春分の日、前後。

「ほれ、食べな。」

いきなり、つまようじを渡される。

おばあの顔を思わず見つめ、つまようじの先にあるもの「彼岸団子 砂糖醤油味」に目線を移す。

「ほぇ? あぁ。 ありがとう。」

とりあえず1個、食べる。

で、この味この味。とやめられなくて、もう1個手を伸ばす。

精神的に多忙な3月の中で、唯一、ほっとする1週間だと思う。


私は生まれたときからおばあと同居している。

で、おばあは早くにおじいを病気で亡くしている、とも知っている。

だから、お盆とかお正月とか、祖先を大事にする行事に熱心なのも理解している。

春分の日前後1週間も、その対象だと知識で理解したのは随分大きくなってからだった。

「彼岸の入り」という日があって、彼岸団子を供える。
通称「中日さん」という春分の日には、ぼたもちを供える。
締めくくりに「お彼岸明け」に、彼岸団子をまた供える。

お供え後の品「お下がり」は私たちでいただくわけで、律儀なおばあのおかげでお餅(砂糖醤油味の団子とぼたもち)をせっせと食べる1週間が訪れる。

1回目の彼岸団子を砂糖醤油で煮いたものを渡されるときは、いつもびっくりしてしまう。

私の生活圏ではせわしなくて、申し訳ないけどお彼岸を忘れている。

でもおばあは毎年かならず、近所の和菓子屋へ行って用意する。

おばあってすごいな。

普段は物忘れを題材に喧嘩するけど、こればかりは尊敬している。

私だったらできない。

先祖や亡くなったおじいをどのくらい大切にしているか、答え合わせさせられているようなものだ。

「春分の日は昼と夜の時間が等しい日です」

教科書はこれ。

それだけじゃないよ。

せめて、砂糖醤油味の団子とぼたもちを「ほれ。」と渡されたときは、感謝しよう。

働けていない今、ぼたもち作り、やってみようかな。

今年は「中日さん」を忘れないぞっ!


(994字)




この度、三條凛花さんのエッセイ企画に参加させていただきました😊

ご縁あって、この企画を目にしたので、挑戦してみました。
日々の暮らしを振り返るいい機会になりました。
企画だけでなく、気持ち面も清々しくなり、本当に感謝しています。

プロフィール

たななこんぶ/発達障害ASD
自閉症スペクトラム当事者。普段は自身の精神科の体験談をnoteで公開中。旅行&トムとジェリー好き。

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