もし、大切な人が認知症になったら…
先日、テレビで若年性認知症の特集をしていた。
50代の夫婦が紹介された。
奥さんが50歳の時に発症し、以来、約5年間、旦那さんが奥さんの面倒を見ているのだそうだ。
若年性認知症、特にアルツハイマー型はアミロイドβという物質が原因らしい。
この物質が脳内に溜まり、神経細胞を壊していくのだそうだ。
完全な治療法は確立されてないらしい。
でも、進行を遅らせる薬物療法や回想療法、運動療法などがあるようだ。
単なる物忘れとの違いはいくつかある。
物忘れは「経験の一部」を忘れる。たとえば、夕食のおかずを忘れる。
一方で認知症は「経験そのもの」を忘れる。つまり、夕食を食べたこと自体を忘れてしまう。
ヒントを出せば思い出せるのが物忘れ。ヒントを出しても思い出せないのが認知症。
生活に支障が出るのが認知症で、本人の自覚が乏しいことも多い。
希望を持てる点もあって、最近の研究では、
「早期発見+生活習慣の改善」で進行を遅らせられることも報告されている。
運動・睡眠・社会活動・脳トレなどが予防に役立つとも言われている。
もし、自分の奥さんが認知症になったら、どうなるだろう。
もし、ガチで自分を忘れられたら——。「あんた、誰?」と本気で訊かれたら…
名前を呼ばれなくなり、思い出を共有できなくなっても、
それでも手を握り続けられるだろうか。
きっと、そのときに試されるのは「愛」そのものなんだろう。
はじめに紹介した夫婦の場合、旦那さんが、はじめは死のうとしたけど、奥さん本人が生きたいといったらしい。
そして、旦那さんが「奥さんを愛しているから、ずっと一緒にいたい」と言っていた。
素晴らしい旦那さんだと思った。
思わず、朝から病院の待合室で泣いてしまった。
家族として大切なこととして、“好きだから一緒にいたい”という気持ちは最大の支えになっているだろう。
どうか希望を捨てずに生きてほしいと願う。
記憶は消えても、愛は消えない。
そんな希望を胸に、生きていけたらと思う。

