今年こそ、年賀状終い。ずっと躊躇していたあなたへ贈る、心が軽くなる最後の一枚の書き方
師走が近づくと、あなたの心にも浮かんでくるのではないでしょうか。「今年こそ、年賀状をやめようかな」という思いが。
11月になると年賀はがきの販売が始まり、12月に入ると「やっぱり出さなきゃ」という義務感に駆られて、また今年も筆を取ってしまう。そんな繰り返しをしている方は、決してあなただけではありません。
実は今、年賀状を取り巻く状況は大きく変わっています。日本郵便のデータによると、年賀はがきの発行枚数は2003年の44億5,936万枚をピークに減少を続け、2025年には約10億枚にまで落ち込んでいます。つまり、ピーク時の4分の1以下です。
さらに、2024年の調査では6割以上の人が「年賀状を出さない」と回答しています。特に20代では77.7%、30代でも68.6%が送らない選択をしているのです。もはや年賀状は「送るのが当たり前」ではなく、「送らないのが普通」という時代に入りつつあります。
それでも、私たちの心には「やめることへの罪悪感」や「関係が壊れるのではないか」という不安が残っています。この記事は、そんな心理的なハードルを超えて、自分らしい選択をするための道しるべです。今年こそ、心を軽くして新年を迎えませんか?

なぜ私たちは「年賀状終い」を先延ばしにしてしまうのか

義理と人情の狭間で
「来年からやめよう」と思いながらも、結局またペンを取ってしまう。その背景にあるのは、長年続けてきた習慣を断ち切ることへの後ろめたさです。
特に、目上の方や仕事関係の方、あるいは遠方の親戚など「この人にだけはやめたと言いづらい」という相手が必ずいるものです。
「失礼だと思われないか」「もう付き合いたくないと誤解されないか」「関係が切れてしまうのではないか」——そんな不安が、決断を鈍らせています。
日本人特有の「相手に迷惑をかけたくない」「角を立てたくない」という気持ちが、自分の本音を押し殺してしまうのです。
きっかけがつかめない
「年賀状じまい」を伝えやすいのは、定年退職や還暦など、人生の節目のタイミングです。でも、そうした明確な区切りがない人にとっては、「いつやめるのが適切なのか」という疑問が常につきまといます。
40代、50代で現役バリバリ。子育て真っ最中。そんな状況で「年賀状をやめます」と言うのは、なんだか中途半端な気がしてしまう。
「もう少し年を重ねてから」「子どもが独立してから」と先延ばしにしているうちに、また一年が過ぎていく。そんなループに陥っている方も多いのではないでしょうか。
実は自分も負担に感じている
本音を言えば、年賀状の準備は面倒です。住所録の整理、デザイン選び、一言メッセージの考案、印刷の手配、そして投函。これらすべてに時間とコストがかかります。
特に師走は仕事も家庭も忙しい時期。その合間を縫って年賀状を作る作業は、正直なところストレスになっている方も少なくないでしょう。しかも、届いた年賀状を見ても、印刷された定型文だけで「これ、本当に必要なのかな」と感じることもあります。
LINEやメールなら一瞬で送れる新年の挨拶を、わざわざ紙のはがきで、しかも毎年同じような内容で送り続けることに、どこか虚しさを感じ始めている。そんな自分の気持ちに、蓋をしてきたのかもしれません。
時代は変わった。「年賀状終い」は失礼ではなく、自然な選択
データが示す大きな潮流
冒頭でも触れましたが、今や年賀状を送らない人のほうが多数派になりつつあります。2024年の調査では、約73%の人が「年賀状を出す枚数が減っている」と回答し、若い世代ほどその傾向は顕著です。
20代の約8割、30代の約7割が年賀状を送らない時代。つまり、あなたがやめたいと思っていることは、何も特別なことではないのです。むしろ、時代の流れに沿った自然な選択と言えるでしょう。
「年賀状じまい」「終活年賀状」という言葉も一般化し、2025年のトレンドワードとして注目されています。郵便局でも年賀状終いを伝えるためのマナーや文例が紹介されるなど、社会全体が「やめる選択」を受け入れる空気になってきているのです。
関係性は年賀状だけで保たれるものではない
ここで一度、冷静に考えてみてください。本当に大切な人との関係は、年に一度の紙のはがきだけで保たれているのでしょうか?
答えは、おそらく「ノー」です。家族や親友、大切な同僚とは、LINEで日常的にやり取りをしたり、電話で近況を報告し合ったり、実際に会って食事をしたりしているはずです。年1回の形式的な挨拶よりも、日常の小さな連絡のほうが、はるかに関係を深めます。
逆に、年賀状だけのやり取りになっている相手は、すでに実質的な交流がない状態かもしれません。そうした関係を、義務感だけで続けることに、本当に意味があるでしょうか。
SNS時代の今、繋がり方は多様化しています。InstagramやFacebookで近況を知り、コメントを交わし、必要な時にはメッセージで連絡を取る。そんな新しい付き合い方のほうが、むしろ自然で心地よい距離感を保てることもあるのです。
環境への配慮という視点
もう一つ、見逃せない視点があります。それは環境への配慮です。
SDGsやペーパーレス化が叫ばれる現代、紙の消費を減らすことは社会的な責任でもあります。特に若い世代を中心に、「本当に必要でない紙の使用は控えたい」という意識が広がっています。
年賀状をやめることは、決してネガティブな選択ではありません。むしろ、時代の要請に応える、意識的で前向きな決断とも言えるのです。
失礼にならない「年賀状終い」の伝え方【実践ガイド】

さあ、ここからは具体的な「年賀状終い」の方法をお伝えします。心配しないでください。適切な伝え方さえ押さえておけば、相手を不快にさせることなく、美しく区切りをつけることができます。
タイミング:いつ伝えるのがベスト?
最も自然で一般的なのは、「最後の年賀状」に一筆添える方法です。つまり、2026年の元日に届く年賀状に「今年を最後に年賀状を失礼させていただきます」という旨を書くのです。
もう一つの方法は、前年の秋頃に、普通のはがきや手紙で事前に伝えるという方法もあります。ただし、これは非常に親しい間柄や、特に配慮が必要な目上の方に限られます。
この場合、相手が年賀状の準備を始める前に届くよう、12月上旬までに投函するのが理想的です。
基本の書き方3つのポイント
年賀状終いを伝える文章には、必ず押さえるべき3つのポイントがあります。
1. これまでの感謝を必ず伝える
何よりも大切なのは、長年のお付き合いへの感謝の気持ちです。これを最初に伝えることで、相手は「大切にされている」と感じることができます。
例:「長年にわたり年賀状のやり取りをさせていただき、心より感謝申し上げます」
2. 理由を簡潔に、でも正直に
なぜやめるのか、その理由を簡潔に伝えましょう。嘘をつく必要はありませんが、相手を傷つけない表現を選びます。
よく使われる理由:
「終活の一環として」
「デジタルツールへの移行を検討しており」
「身辺整理を進めておりまして」
「年齢を重ね、簡素化を図りたいと考え」
「子育てや仕事に追われる中、形式的な挨拶より日々の交流を大切にしたく」
3. 今後の関係継続への意思を示す
これが最も重要かもしれません。「年賀状をやめる=縁を切る」ではないことを、明確に伝えましょう。
例:「今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします」
「これからもどうぞよろしくお願い申し上げます」
年代・関係性別の文例紹介
具体的な文例をいくつかご紹介します。自分の状況に合わせてアレンジしてください。
■ 40代・子育て世代向け
謹んで新春のお慶びを申し上げます
本年もどうぞよろしくお願いいたします
さて 私事ではございますが
仕事と子育てに追われる日々の中で
形式的なご挨拶よりも
日々の心の交流を大切にしたいと考えるようになりました
誠に勝手ながら
年賀状でのご挨拶は本年を最後とさせていただきます
長年のお付き合いに心より感謝申し上げます
今後はSNSやメールなどでも
お気軽に近況をお知らせいただければ幸いです
これからも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします
■ 60代・定年前後向け
新年おめでとうございます
旧年中は格別のご厚情を賜り誠にありがとうございました
私も今年で還暦を迎え
人生の節目として身辺の整理を進めております
つきましては 誠に勝手ながら
年賀状は本年を最後とさせていただきたく存じます
長年にわたるお付き合いに心より感謝申し上げます
今後とも変わらぬご交誼のほど
よろしくお願い申し上げます
■ 特に親しい友人向け(カジュアルなトーン)
あけましておめでとう!
今年もよろしくね
実は今年から年賀状は卒業することにしたよ
年に一度だけじゃなくて
LINEとかで気軽にやり取りできたらいいなと思ってます
これからもよろしくね!
また近況教えてください
■ ビジネス関係・目上の方向け
謹んで新年のお慶びを申し上げます
旧年中は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます
さて 私も高齢となり
年々整理を心がける年齢となりました
誠に恐縮ではございますが
年賀状でのご挨拶は本年をもって
最後とさせていただきたく存じます
何卒ご了承いただけますよう
お願い申し上げます
皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます
デザインのポイント
年賀状終いの年賀状だからといって、特別なデザインにする必要はありません。いつも通りの明るく華やかな年賀状デザインで問題ありません。
ただし「年賀状をやめる」という文言は、目立ちすぎないように、最後に小さめのフォントで添えるのがおすすめです。メインは新年の挨拶であり、終いの宣言は付記という形が自然です。
手書きで一言添えることができれば、より温かみが伝わります。すべてを印刷にするのではなく、締めくくりの部分だけでも手書きにすると、相手への誠意が伝わりやすくなります。
「終い」のその先へ〜新しい繋がり方を見つける
年賀状を終えて見えてくるもの
年賀状終いを決断し、実際に最後の一枚を送ると、多くの人が「思ったより心が軽くなった」と感じます。
12月の忙しい時期に、住所録を整理し、デザインを選び、印刷に出して、投函する。このすべてのプロセスから解放されることで、時間的にも精神的にも大きな余裕が生まれます。
そして何より、「義務感」から解放される心地よさがあります。形式的な挨拶を続ける必要がなくなることで、本当に大切な人との関係を見直すきっかけにもなるのです。
デジタル時代の新しい挨拶スタイル
年賀状をやめたからといって、新年の挨拶をしなくなるわけではありません。むしろ、もっと自由で心のこもった挨拶ができるようになります。
新年のLINEメッセージ
大晦日から元日にかけて、LINEで「あけましておめでとう」のメッセージを送る。画像やスタンプを添えて、カジュアルに近況を伝え合う。こちらのほうが、相手の反応もすぐにわかり、会話が弾みます。
オンライン年賀状サービス
デジタル年賀状のサービスも充実しています。環境に優しく、即座に届き、デザインも豊富。受け取る側もスマホで手軽に閲覧できます。
SNSでの近況シェア
InstagramやFacebookで年末年始の様子をシェアすれば、多くの人に一度に近況を伝えられます。コメント欄でのやり取りも、双方向のコミュニケーションとして温かみがあります。
実際に会う、電話するという選択肢
そして忘れてはいけないのが、実際に会ったり、電話をしたりすること。本当に大切な人には、紙の年賀状よりも、直接声を聞いたり顔を見たりするほうが、はるかに心が通います。
自分らしい「繋がり」を大切に
年賀状という形式にこだわらず、自分らしい繋がり方を見つける。それが、これからの時代の人間関係のあり方なのかもしれません。
義務感で続ける形式的な挨拶よりも、心からの交流を。年に一度の紙の挨拶よりも、もっと頻繁に、もっと気軽に。
「年賀状終い」は終わりではなく、新しい始まりです。より自由で、より心地よい人間関係へと進化するための、一つのステップなのです。
結び〜今年こそ、自分に正直になろう

「また来年考えよう」——そう思って、何年が過ぎましたか?
今年も残りわずか。師走は誰もが忙しい時期だからこそ、「やめる」という決断は早めにすることをおすすめします。年賀状の準備に追われることなく、本当に大切なことに時間を使える年末年始を迎えられます。
罪悪感を手放してください。あなたがやめたいと思っているなら、それは心からのサインです。無理に続ける必要はありません。6割以上の人が年賀状を出さない時代、あなたの選択は何も間違っていません。
最後の年賀状は、感謝を込めた「美しい区切り」にしましょう。長年のお付き合いへの感謝と、これからも変わらぬ関係を願う気持ちを込めて。そうすれば、その一枚は形式的な挨拶状ではなく、心のこもった特別な一枚になるはずです。
新しい一年を、もっと身軽に、もっと自分らしく迎えるために。
今年こそ、年賀状終い。あなたの決断を、心から応援しています。(千里ふうた)

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