JULA出版の金子みすゞ全集酷い『ころんだ所』編
JULA出版による金子みすゞ全集は、新旧・最新と3種類出ているのですが…
仕事の杜撰さから、同じ作品なのに表記が違うという、とんでもない状況になっています!
タイトルバックの画像としてアップした旧全集にはない【モモタロウ】というルビが、新・最新の全集にはふられているのです。


ではこのルビは…
①みすゞが命を絶つ前に清書した遺稿にはないのに、JULAが新・最新全集発行時にふったものなのか?
②遺稿にもルビはあったのに、旧全集出版時には見落としていたのか?
人間のやることですから誤字・誤植、ミスの可能性はおおいにある。
金子みすゞの生れ故郷・山口県長門市仙崎にある記念館で確かめてきました…
もとい、山口へ旅行したみすゞ塾の塾生に、記念館で遺稿を確認してきてもらいました(記念館に行かなければ、一次資料である遺稿を確認できないなんて!!!)。

そしたら何と、遺稿手帳には、ルビはないのです。
ということは、旧全集にルビがないのは遺稿の通りで、JULA出版の見落としではないということ。
そして【モモタロウ】というルビは、新・最新全集出版時、JULA出版が(勝手にというか自主的に)ふったということになります。
「このルビの有無って、そんなに目くじら立てることなの?」と思った方も少なからずあるでしょう。
言葉は詩人の命です。
たとえルビの一字といえども、疎かにはできません。
筆者は、みすゞは声に出しながら詩作していたと考えています。その根拠は長くなるのでまたの機会に。そうした時…
A:モモタロ【ウ】さん、モモタロ【ウ】さん
なのか
B:モモタロさん、モモタロさん
なのかでは全く違います。
音の数とリズム的に、みすゞは【B】のつもりであったと思われます。
その論拠を補強するのが、「モーモタロさん、モーモタロさん、お腰に付けた黍団子~~~」の歌です。
歌詞は「モモタロ」さんで、「モモタロウ」さん、ではありません。
この尋常小学唱歌第一学年用は、明治44年発行。明治36年生まれのみすゞも当然知っていたでしょう。
であればなおのこと、これはもう断然みすゞは【B】のつもりだったと確信するものであります。
して、
JULA出版が(勝手にもしくは自主的に)ふったルビがもし【モモタロ】と【ウ】がないものであれば、ここまで深追いはしませんでした。きちんと検討したと類推できるので。
しかし、【モモタロウ】とふってあっては、反証せずにはおけません。
